大笑いの町内敬老会

 

長寿に感謝して乾杯

 

 2012年9月16日、町内自治会の敬老会が幕張町北四丁目自治会館で行われた。私も自治会役員の一人として準備段階から参加していた。長寿のお祝いとして「白寿:99歳」「米寿:88歳」「喜寿:77歳」「金婚式:結婚50年」を祝う催しだが、今年は米寿、喜寿、金婚式の方々が招待された。

 

 毎年、敬老の日が近づくと自治会の厚生担当から町内会各班に対象者の出席を申し出てもらう回覧板が回される。対象者にはなっているものの体調不良の方は出られない場合が多い。区役所などの行政で行っている敬老行事では敬老会に出席できない場合でも祝い品等は対象者に贈られるところが多いと聞くが、私たちの町内会では敬老会に出席できる方のみに記念品等が贈られ、永年の労を癒すささやかな宴と自治会役員による余興、参加者による舞踊や歌声などが披露される。

 

 敬老会は11時50分から始まり、前半は長寿者に対するお祝いの言葉や記念品の贈呈、隣接町内会長の挨拶などが続き、「乾杯」の掛け声とともに宴会へと進んでいく。ビールや酒や焼酎で座が和んでくるといよいよ自治会役員による余興タイムに突入する。

 

 今年の出し物は、花笠踊り、日本舞踊、酋長の娘、寸劇オレオレ詐欺、麦畑、ズンドコ節、お楽しみ芸、九段の母、安来節、男性コーラス、日本舞踊と続いた。出席者に笑い喜んでもらうために1ヶ月前から役員は自治会館に集合し2度、3度と練習を重ねた。今年の夏はひときわ暑かったが、その暑さにも負けず出し物の班ごとに集合練習を重ねたのである。昨年に比べて、今年の新作は「酋長の娘」と「寸劇オレオレ詐欺」の2本が登場した。写真にもあるように上下黒の衣装に5色の腰蓑とカツラを作り、顔は黒のストッキングで覆い「酋長の娘」の歌に合わせた振り付けで踊るのである。出席者の全員が爆笑であった。私は紫の腰蓑とカツラで踊った。出演者の立場からしても出席者が笑い転げている姿を見るのは楽しいものである。

 

 「寸劇オレオレ詐欺」では騙し役の偽息子で登場した。ここ数年のオレオレ詐欺をはじめとする振り込み詐欺は年々被害額が増大している。善良なお年寄りから老後の預金を騙し取る卑劣な犯罪だが、注意を促しても対岸の火事としか認識しないのか振り込み詐欺は後を絶たない。そのため自治会でも長寿者を対象とした敬老会で寸劇を企画したものである。敬老会に出席していた3名の千葉西警察署員もカメラを片手に熱心に劇に見入っていた。他の町内会自治会の敬老会行事でこのような劇を披露するところはないようである。騙されてからでは遅いのだ。自己防衛が重要となっている。

 

 私のもう一つの余興の登場は「男性コーラス」であり、歌った曲は「長崎は今日も雨だった」「宗右衞門町ブルース」の2曲であった。リードボーカルの後ろで歌う9人のコーラスグループである。自治会役員による余興が終わり、出席者によるカラオケ大会へと突入していくころには、座は徐々に崩れていった。私はカメラマンを兼務していたので、乾杯のときにビールをコップ半分ほど飲んだあとは席にも座らず、出席者の表情や場の雰囲気を写真に撮っていった。撮影した枚数は800枚を超えていた。敬老会は3時間を経過し15時に終了し、参加者は赤飯と煮しめと紅白饅頭を手土産に、それぞれの思いを胸に自宅へと帰っていった。

 

 自治会役員は会場や宴会の後片付けをしたあと、残り物で反省会と打ち上げを16時から2時間行なった。お年寄りには喜んでもらえたろうか、退屈ではなかったろうか、から始まり、「酋長の娘」の出来は良かったが「寸劇オレオレ詐欺」は最悪だった。練習の方が良かった。ま、久しぶりに大笑いしたと言っていたお年寄りもいたので成功だったんじゃあないか、等々・・・

 

 私は昨年3月にNTTを退社すると4月から町内自治会の役員になった。自治会役員は無償の地域ボランティア活動である。私の家族が幕張という町に転居してきたのは娘の愛が小学校に入学する年だったから今から20年前だった。2人の子どもは幕張で育ち、幕張の小学校中学校を卒業した。学童保育も幕張だった。自分を含めて幕張で育ち生活した恩返しをする目的で、私は地域自治会のお手伝いを自分から申し出て1年半が過ぎようとしている。昨年は青少年婦人担当で主にレクリエーション企画だった。今年は防犯関係の保安担当を行い、防犯講習会、防犯パトロール、放置自転車や街灯確認、等の責任者となっている。自治会活動は地道な活動だが安心安全な町づくりに必要だと思う。

 

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