12月6日 カウアイ島1日観光
4日目はカウアイ島1日観光でした。カウアイ島はハワイ諸島の1番西に位置し、日本から飛んで行くと最初に見える島です。広さは東京都の3分の2程度で淡路島くらいです。カウアイ島は本来の常夏の島=ハワイの自然が残り、ハワイの原風景が見える島です。ハワイ諸島の8島のなかでは1番西に位置するカウアイ島と1番東に位置するハワイ島では成立に500万年の差があるとのことでした。海底火山の爆発隆起によって1番最初に出来た島はカウアイ島ですが、やがて何十万年後には海の中へと沈んでいく島です。
ホテルを出て空港に向かう時は凄いスコールで雨は音をたてて降っていました。昨日に比べて安全審査ゲートが混み合っていましたが、日本のパスポートを見せたらボディチェックはパスされました。日本という国、日本人という信頼が表れていると思いました。チェックイン後にインフォメーションで両替所を確認すると、カウアイ島にも無いし空港の外に出なければない、との返答でした。ホノルル空港7時38分発のカウアイ島行きハワイアン航空153便は7分遅れて7時45分にホノルル空港を離陸しました。
ホノルル空港を飛び立った25分後の8時10分にカウアイ島リフエ空港に着陸しました。天候は晴れ。カウアイ島の人口は約7万人とのことでした。ツアーガイドは学生時代からハワイ在住38年の日本人女性のみどりさん、ドライバーは男性のエドウィンさんでした。途中のホテルで1日観光に参加する人たちを拾っていき、ワンボックスカーに9人の日本人観光客が乗り込みました。
建物に平屋が多いのは敷地が広いためで、ゆったりしている印象を受けます。島の東側のリフエ空港から海岸線を西側に回り込む途中で、ポイプという場所にある塩吹き岩に寄りました。途中ではアフリカンチューリップの朱色の花が緑の木々の中に映えて鮮やかでした。5年ぶりに見た朱色の花でした。道の両側に育つユーカリの木々でトンネルとなった場所を通り抜けると木漏れ日が爽やかでした。ハワイは12月から3月までは雨季になるので、ホノルルマラソンの時期はだいたい雨が降る、とガイドのみどりさんが話していました。こちらに来て4日目になりますが、毎日雨か曇り空なのでスカッとしたハワイらしい青空をまだ見ていません。
塩吹き岩
塩吹き岩に到着すると、波打ち際の平らな岩場に海水侵食によりいくつかの穴が開いていました。その穴から波のうねりの関係で海水が吹き出すようになっています。吹き上がる海水の高さは、うねりの状況で決まるようでした。私たちが塩吹き岩を訪れた時の海は、比較的に穏やかでうねりや波は殆どなく、吹き上がる塩吹きも静かなものでした。塩吹き岩を見下ろす場所には、江戸時代の伊藤若冲の絵から抜け出てきたような野生化した軍鶏がたくさんおり、特に雄鶏はその雄姿をいかんなく発揮していました。
軍鶏の雄鶏
島の中に信号は殆んどありませんでしたがロータリーには度々出会いました。信号がない道路を走るのは気持ちがいいもので、のんびりした環境だからこそ味わえるものです。オアフ島のワイキキには沢山ある日本の店舗はひとつもなく、実に落ち着いて高級感あふれる住宅が建ち、静かな佇まいを醸し出していました。カウアイ島は日本人観光客も殆ど訪れることはなく、アメリカ本土から別荘に来る人たちの雰囲気が漂う島でした。
携帯電話のアンテナは木でカモフラージュされ、電力を送る電柱もコンクリート柱ではなく木でした。これらは自然環境を壊さないための知恵であり配慮です、とガイドの説明でした。また、自然環境を守るために野外看板は禁止され、5階建ての建築も禁止です、とのことでした。そのようなことで静かな環境であることが視覚的に分かるのだと感じました。
カウアイコーヒー農園
カウアイコーヒー農園を訪れました。20種類ほどのコーヒーの試飲コーナーがあったので、普段はコーヒーを飲まない私ですが、少しずつ紙コップについで飲んでみました。コーヒーの味は酸味が無くさっぱりした味でした。ホワイトハウスにも献上されているとのことでした。コーヒー試飲の後はツアー参加者の買い物ラッシュでした。1袋10オンス入りの値段は18ドルでした。すでに焙煎は済んでおり、挽くのはサービスで行っていました。挽いたコーヒー粉は冷凍庫で8ヶ月もつとのことでした。コーヒーは苗木を植えて5年で収穫が始まり、8年間収穫すると新しい苗木に植え替えるとのことでした。コーヒー畑には赤く熟す前の黄色い実が沢山なっていました。
カウアイコーヒーの実
太平洋のグランドキャニオンと言われているワイメア峡谷にはワイメアの町から北に入り、尾根上に伸びる550号線を進んでいきました。標高1300mに位置するワイメア峡谷は幅2km、長さ20kmの範囲に拡がっていました。アメリカ本土アリゾナ州のグランドキャニオンも訪れたことがありますが、あそこには殆んど緑が無く、赤茶色だけの印象が強かったのですが、ワイメア峡谷には緑が多いと感じました。ワイメアのワイは土を意味し、メアは赤いという意味ですから、雨が降ると赤い土が峡谷に流れ込んでいきます。
太平洋のグランドキャニオンといわれるワイメア峡谷
ワイメア峡谷の周辺はハワイ州立公園に指定され、昔はサトウキビが作られていましたが、今は作る人はおらず耕作放棄された場所は元の自然に戻り、草原に覆われていました。ハワイはどの島にもヘビはおらず、動物の持ち込みに非常に厳しく、違反すると刑務所入りと罰金が課せられるとのことで、一例としてイグアナ1匹を持ち込んで5000万円の罰金が課せられた実例があるとのことでした。
演説する住民
ワイメア峡谷展望台の入り口にテントが張られローカルフードを売っていました。ローカルフード料理として売られていたのは、アップルバナナを揚げたルンピナというもので、砂糖は使っていませんでしたが甘い食べ物でした。ストロベリーパパイヤは朱色をしておりリンゴのようにさっぱりしていました。両方ともに美味かったです。展望台に赤いふんどしで槍を持った人が演説をしていましたが意味は不明でした。おそらくワイメア峡谷とそこに昔から住んでいた人たちの歴史を語っていたものだと思います。演台の前に置かれた竹籠にドル札が多数入っていました。
カウアイ・ビーチ・リゾートホテルのお昼ご飯
お昼ごはんは東側に戻ってカウアイ・ビーチ・リゾートホテルのレストランに入りました。鶏肉、魚、野菜サラダ、漬け物、ごはん、デザートはケーキの弁当を食べながら、2種類のライトビールを飲み、4人で会話を楽しみつつ美味しくいただきました。ただ、すぐに取り換えてもらいましたが、割り箸にカビが生えていたのはいただけなかったです。12月の時期に宿泊客がプールサイドで寛いでいる風景を見ると、さすがハワイだと思いました。野鳥のシギもプールサイドでのんびりしていました。
オパエ川の流れ
エルビスプレスリーのブルーハワイの歌が流れる船着場から、想っていたよりも大型の遊覧船に乗ってオパエ川を遡って20分ほどクルージングでシダの洞窟に向かいました。遊覧船の出航までハワイアンの歌を5人組がライブ演奏していましたが、船が出航した後もそのまま船内に乗り込んで歌っていました。ガイドのみどりさんからはライブ演奏近くの中央に着席するよう案内されましたが、私たち4人は進行方向右側に着席して流れ去る景色を見ていました。船内は半分くらいの席にお客が座り、中々賑やかでした。咲き始める時は黄色ですが、朱色、赤と3色に変わるハイビスカスの花が川沿いに沢山咲いていました。赤に変わると1日で花がポトリと落ちる不思議な花です。
シダの洞窟
遊覧船内の案内は英語なので残念ながら意味不明でした。シダの洞窟に到着するまでにスタンディング・サーフ・ボードに乗ったビキニ姿の女性に出会いました。彼女は遊覧船が近づくと、遊覧船からの波に対応するためにボードに座り込みましたので、まだ初心者のようでした。カヌーを楽しむ人たちにも度々出会いました。オパエ川の水は、最近2、3日は雨が降っていたので、山から流れ込んだ雨水で茶色に濁っていましたが、本来は汽水域なので緑色をしているとのことでした。航路の途中に昔のハワイアンの住居が復元され、アミューズメントになっている場所がありました。途中の船内でフラダンス講習が始まりました。女性ダンサーのリズミカルに動く魅惑的な腰つきが実に良かったです。
ショウガの花
シダの洞窟は竹藪の奥にありました。上部から滝がかかっていましたが水量は少なかったです。2006年までは洞窟内に入れましたが、今は安全面からの理由でハワイ州が規制をかけていて中に入れませんでした。洞窟は神聖な場所として地元の人が昔から結婚式を挙げていました。また、地元の人以外でも誰でも結婚式を挙げられるので、日本人も挙げていたという話でした。例えば歌手のヒデとロザンナや俳優で先日亡くなった梅宮辰夫さんもこの洞窟で結婚式を挙げたとのことでした。洞窟の周りには赤く長い花が沢山咲いていました。花の名前を尋ねるとショウガの花とのことで、白い花も咲いていました。
パナペペ峡谷 スタンディングサーファーとハイビスカスの花
ワイメア峡谷 復元されたハワイアンの住居