カルガモは害鳥なのだろうか?
必死になって稲穂を食べるカルガモ
実りを迎えた田んぼに、鳥よけの赤白テープやネットが張られ、案山子が立つようになった。稲穂を狙うスズメたちと農家の人たちの攻防戦が始まったのだ。同時に畦道にカルガモを見かけることが多くなった。「実るほど
頭を垂れる 稲穂かな」という句があるが、垂れ下がっている稲穂を必死に食べているカルガモの姿があった。カルガモの数を数えてみると15羽の集団だった。カルガモたちも稲穂を狙っているのである。カルガモは田植えの終わった時期には、田に入って雑草を食べ、害虫を食べて農家の手助けをするが、収穫期には稲穂を食べる。果たして農家にとってカルガモは益鳥なのだろうか?それとも害鳥なのだろうか?
田んぼに集まり稲穂を食べるカルガモたち
カルガモ農法という無農薬・自然稲作栽培の方法がある。私も旅の途中で観たことがあるが、田植えの終わった田んぼを網で囲い、その中にアイガモの雛を放ち、雑草や害虫を駆除してもらい、糞は肥料となる栽培方法である。収穫時期になるとアイガモが稲を食べてしまうので、田んぼから引き揚げて解体処理をして、人間が食肉として食べてしまうのである。この方法だとアイガモは管理されているので、稲穂が食べられることはないが、自然の場合は稲穂が実るとアイガモは稲穂を食べる。農家の人は仕方ないと思っているのだろうか。
シオカラトンボのオス
シオカラトンボのオスが水路で翅を休めていた。幕張地区の田んぼは圃場整備が終わり、水路はコンクリート化されたところが多い。その水路の上にシオカラトンボのオスがいた。私が近づいていくと、例の360度の視界があるトンボ目をぐりぐり回しながら飛び去ってしまった。シオカラトンボのオスは青灰色のボディをしている。
小学生のころ昆虫採集に夢中になった。昆虫採集キットを買ってもらった。キットの中には注射器・殺虫液・ピンセット・虫ピン・脱脂綿などが入っていた。トンボ、チョウチョ、バッタ、セミ、クワガタムシなどを捕まえ、注射器に殺虫液を吸い込ませ、捕まえた昆虫に注射したあと、昆虫の形を整えて標本箱に整理した。シオカラトンボも標本になった。
シオカラトンボのメス
シオカラトンボのメスが田んぼの境界線に立てた篠竹の先で翅を休めていた。時たま吹いてくる風にバランスを崩しながらも、しっかりと篠竹につかまり、自分の体を支えていた。5分ほど休むと、再び飛び立った。シオカラトンボのメスは麦わら色をしているので、ムギワラトンボと呼ばれることがある。
久しぶりに出会ったゴイサギの親鳥
アオサギを撮影していると、小型のサギが2羽飛んできて対岸の木の枝にとまった。色や大きさから判断してゴイサギのようだった。距離は50mほどあったので双眼鏡で確認すると、まさしくゴイサギだった。1羽は親鳥で1羽は若鳥だった。久しぶりに見たゴイサギの姿だった。
ゴイサギの若鳥
ゴイサギは夕方から明け方までの夜間に活動するので、昼間に出会うことはあまりない。昼間は葉の生い茂る枝などに留まりジッとしていることが多いので、出会えてラッキーだった。親鳥は背中が藍色、翼は灰色、腹の白色がはっきり目立つが、若鳥は斑の焦げ茶色なので見た目はパッとしない。しかし、2年目に羽が生え変われば親鳥と同じすっきりした目立つ色に変身するのだ。しばらく見ていると2羽ともに葉陰の奥に消えてしまった。
川面で泳ぐカルガモの家族
ゴイサギの留まっている枝の下で、静かに泳ぐカルガモの姿があった。数を数えると14羽だった。カルガモの若鳥は成長し、親鳥と同じ大きさになり、外見からは親子の判別がつかなかった。カルガモ家族の子育てが終わり、子ガモが自由に空を飛べるようになると行動範囲が広くなり、川面にも田んぼにも、あちこちで姿を見かけるようになった。
ミンミンゼミを捕らえたジョロウグモ
女性が望遠レンズでミンミンゼミを捕らえたジョロウグモの写真を撮っていた。獲物が大きかったのでジョロウグモの巣は破れていた。女性はクモの名前を知らなかったので教えた。クモの巣が綺麗に見られる時間帯やジョロウグモの習性などについても話した。女性は虹色に輝くクモの巣を写真に撮りたい、というので、太陽の光を浴びている巣に霧吹きで小さな水滴を吹きかけてやれば撮れるかもしれないと伝えた。彼女は試してみると言った。
鳴くツクツクボウシのオス
桜並木からセミの声が聞こえてきていた。アブラゼミのジジジジジという鳴き声は夏の暑さを倍加させ、そこにミンミンゼミが加わるとグァンという大音響となり、暑さをより一層感じさせる。セミはかまびすしく鳴いているが、鳴くのはオスだけで、メスは鳴かないのだが、最近は晩夏から初秋に鳴くツクツクボウシの声が多くなってきたので、そろそろ夏も終わりに近づいてきたのだろう。この暑さももうしばらくたつと秋風が吹いてくるだろう。
ベランダにアシナガバチが巣を作った
1ヶ月ほど前からベランダにアシナガバチが飛んでいる姿を度々見るようになった。ベランダに出て確認してみると、大きな巣と親バチが大勢いたのでビックリ!ハチはこちらが攻撃しなければ、反撃してくることはないが、妻がアシナガバチのことを気にしていたので、巣を撤去することにした。そこで強力殺虫剤のゴキブリジェットを巣に向けて噴射した。たむろしていた親バチは大わらわであったが、さすがゴキブリジェットの威力は抜群だった。連続噴射を続けていくとアシナガバチの親は次々に無念の死をとげていった。殺虫剤が風によって飛ばされたであろう10分後に確認してみると、なんとスズメバチ1匹を含めてアシナガバチが40匹も死んでいたのである。しかも、巣の中には幼虫たちがわんさかいたのであった。アシナガバチにとっては不本意な不意打ち攻撃で、かわいそうなことをしたと思った。ベランダには度々出るので、仕方ないことだった。