カンザクラの蜜に集まる鳥たち

 

木の枝に止まっている鳥

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カンザクラの花房から蜜を吸うスズメ

 

 3月27日 水曜日 晴れ

朝から晴れていた。最近は冬の寒さがぶり返し寒い日が続いていたが、今日の最高気温は14℃まで上がるとの予報だったので、千本桜公園の満開のカンザクラの蜜を吸いにくる野鳥の観察と撮影に出かけた。家を出たのは10時だった。

 

水の中にいる鳥

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野鳥は羽の手入れに余念がない

 

花見川沿いを歩くと7羽のカワウが堤防の排水溝で休んでいた。そのうちの2羽が翼を広げて乾かしていた。野鳥にとって翼は最も重要な生命線である。毎日水浴び、毛繕い、羽や翼を乾かすことはかかせない。常に翼を清潔に保つことに心がけている。これを怠ると生命の危機が訪れる。

 

花が咲いている木

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黄色い小さなサンシュユの花が咲いていた

 

千本桜公園に着くと芝生広場にサンシュユの花が咲いていた黄色い小さな花の集まりで、見栄えはパッとしないが早春に咲く花である。サンシュユ(山茱萸)は中国の植物名を音読みしたもので、日本植物学の父と言われる牧野富太郎は、早春に黄色い花を咲かせるという意味で『ハルコガネバナ(春黄金花)』という和名を付けた。秋に着く赤い実は漢方薬に利用される。

 

木の枝に立っているオウム

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メジロの動きはせわしない

 

ソメイヨシノはまだ固い蕾のままだが、10本のカンザクラが咲いている場所がある。そこに行ってみると、3羽のメジロがカンザクラの蜜を吸っていた。カンザクラは昨日の雨でずいぶん散っていたけれども、木によって早咲きと遅咲きがあり、今が満開の木もあった。メジロはお互いにチィチィと鳴き声で意思を通じ合いながら花から花へと、せわしなく移動しながら蜜を吸っていた。

 

木の枝に止まっている鳥

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ヒヨドリもアクロバティックな姿勢で蜜を吸う

 

2番目にやってきたのは、暴れん坊のヒヨドリだった。ヒヨドリはすぐに蜜を吸い出さず、私の動きをじっと観察していた。私が動かないので安心したのか、蜜を吸い出した。ヒヨドリもアクロバティックな姿勢で蜜を吸い続ける。蜜を吸い始めると私のことなど眼中になく、5mの距離に近づいても警戒の色は見せなかった。

 

花が咲いている木の枝に止まっている鳥

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スズメは花房を食いちぎって蜜を吸う

 

3番目に現れたのはスズメだった。スズメの場合は、嘴が太く短いので、花の正面から嘴を差し込んで蜜を吸うことができない。スズメは花房を食いちぎって、後ろ側から蜜を吸うのである。しばらくポキポキとサクラの花房を食いちぎっていると、枝から枝へ移る時に嘴の両側を枝でこき下ろし、嘴を掃除したあとに次の花の蜜を吸うのだった。

 

木の枝に止まっている鳥

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最初に蜜を吸い出したスズメは革命児だった

 

以前はスズメはが蜜を吸うことはなかったが、1羽のスズメが花房を折って蜜を吸うことを発見し、それを見ていた仲間が蜜を吸うようになり、やがて親から子へと代々受け継がれ、今ではスズメが花の蜜を吸うことは日常の景色となっている。最初に蜜を吸い出したスズメは革命児だったのである。

 

木の枝に止まっている鳥

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悪食のムクドリだが花の蜜は吸わない

 

4番目にやってきたのはムクドリだった。ムクドリは花の蜜を吸わないので、 なぜやってきたのか?を観察していると、1分ほど枝に止まって周りを観察していたが、そのまま飛び去っていった。たんに枝に止まっただけなのだろう。

 

花の絵

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メジロは10数羽の集団でくることもある

 

現在、千本桜公園のなかで咲いているサクラはカンザクラと、花の小さいジュウガツザクラのみである。従って公園を散歩する人たちが、カンザクラにやってきて写真を撮って去っていくと、また新しい人が花を見上げ、写真を撮って去っていく。私は次々にやってくる人たちの邪魔にならないようにしながら、青空の下でカンザクラの蜜を吸いにくる野鳥たちの観察と撮影を続けた。

 

木の枝に止まっている鳥

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横柄なヒヨドリは小さい野鳥を追い払うこともある

 

カンザクラの木が1本ならば、蜜を吸いにやってくる野鳥たちが喧嘩をするのだが、木の数が多いために喧嘩をすることは見られなかった。時おり頰をかすめる風はまだ冷たかったが、2時間ほどカンザクラの蜜を吸うメジロ、ヒヨドリ、スズメの観察と撮影ができて私は満足だった。野鳥の観察と撮影を終えたあとは、暖かな陽射しを浴び、花を見上げながらのひとり宴会が始まった。

 

小さい, テーブル, 花, 座る が含まれている画像

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鳴き声で意思疎通を取りながら蜜を吸うスズメ

 

今回出会った野鳥は、ヒヨドリ、モズ、ハシブトガラス、ムクドリ、オオバン、カイツブリ、ホシハジロ、キンクロハジロ、カワウ、カワセミ、カルガモ、コガモ、ハクセキレイ、ドバト、イソヒヨドリ、イソシギ、ツグミ、スズメ、キジバト、アオジの20種類だった。

 

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