バルトロ氷河スケッチ

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コンコルディアキャンプでのスケッチ

 

 私は旅に出かけスケッチをするのは久しぶりだった。以前は郵便葉書と色鉛筆をザックに入れ、旅先のビューポイントでスケッチを行い、そのままオリジナル絵葉書として友だちに送っていたが、今回のようにスケッチブックを持参しての旅は初めてだった。

 

 今回スケッチには、スケッチブックはF2版、色彩はペンテルのアクアッシュ(AQUASH)、鉛筆は三菱鉛筆4Bを使った。1枚のスケッチに要する時間は約30分である。描きたい風景を探し、その風景をワイドに表現するためにスケッチブックを両開きにし、鉛筆でアウトラインを描くとアクアッシュで色付けし、水ペンでなぞると水彩画が出来上がる。非常に簡単である。

 

 今回のバルトロ氷河トレッキング25日の日程の中で天候が曇りないし晴れの日はキャンプ地に到着すると時間を見計らってスケッチブックを取りだした。描いた絵の枚数は14枚となった。

 

@SKARDUBALTISTAN CONCORDIA-MOTEL 2011,07,03,06:00

 スカルドゥで2連泊した宿泊ホテルはインダス川を見下ろす高台に位置しており、その窓から見渡すインダスの流れと雪を頂く岩山を描いた。

AJULA CAMP 2011,07,06,17:00

 ジュラキャンプのテント場から特異な先端頂上が見事なマッホルダスピークを中央に描いた。

 

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山頂に雪を抱くマッホルダスピーク(JULA CAMP 2011,07,06,17:00

 

BSKAM TSOK CAMP 2011,07,07,14:30

 パイユピークを左に、雪を抱くリリゴピークを右に前面にテント場を描いた。

 

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スカムツォクキャンプ場(SKAM TSOK CAMP 2011,07,07,14:30

 

CKHOBURTSE CAMP 2011,07,10,16,50

 グレートトランゴタワー群とカテドラルタワー群を描く。描いていると二人のポーターがやって来て、私の手元を覗き込んで、「とても絵が上手い。あなたは画家か?」と質問してきた。私は「画家ではなく趣味で描いている」と答えた。そしてグレートトランゴタワー群の中央を差し、「あのタワーはまっすぐではなく鳥のくちばしのように曲がっている」とアドバイスをくれた。そう言われてタワーを凝視すると、なるほど先端が鳥のくちばしのように右側に飛び出した特異な形をしていた。私がそのように描き変えると、二人のポーターは親指を立てて「オーケー・オーケー」と微笑んだ。

DURDUKAS CAMP 2011,07,11,13:00

 左にカテドラルタワー群、中央にビアレ、右側にロブサンスパイ―群を描いた。両側は赤茶色の岩山群だが中央のビアレは6729mあり谷川岳の一の倉沢の岸壁を巨大にした大岩盤を描いた。

EURDUKAS CAMP 2011,07,11,16:00

 グレートトランゴタワー群とウリビアフォータワーを描く。テント場の大岩の上でポーターたちが歌い踊る姿も描きこんだ。

FURDUKAS CAMP 2011,07,11,17:30

 ロブサンスパイ―群から右側に連なる峰々を描いた。左端に8047mのブロードピークを描く。

GGOREU CAMP 2011,07,12,17:00

 「引鉄」を意味する7821mのマッシャ―ブルムを中央に置き、手前にテント場を描いた。若いポーターが3人やって来て描き終わるまで見ていた。その3人に絵の右下に名前をサインしてと言ったら、一番若い18歳のポーターが右側からアルファベットを逆さまにした文字でアキバラと書いた。

 

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7821mのマッシャ―ブルム峰(GOREU CAMP 2011,07,12,17:00

 

HCONCORDIA CAMP 2011,07,13,16:30

 いよいよコンコルディアを描く。左側に6238mのマーブルピークを、中央に盟主8611mのK2、左側に8047mのブロードピークを描いた。どっしり構えたK2は偉大だった。

 

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圧倒的存在感のK2(CONCORDIA CAMP 2011,07,13,16:30

 

ICONCORDIA CAMP 2011,07,14,13:50

 バルトロカンリ、スノードーム、チョゴリザと展開する7000m峰を描く。花嫁の峰と称されるチョゴリザのヒマラヤ襞が実に美しい。

JCONCORDIA CAMP 2011,07,14,14:30

 テント場の脇に立ちあがる6025mのミトレピークを描いた。双耳峰なのだがテント場からは重なり合ってしまい鋭い単峰に見える。テント場も描きこんだ。

 

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ミトレピークとテント場(CONCORDIA CAMP 2011,07,14,14:30

 

KCONCORDIA CAMP 2011,07,15,08:30

 手前にテント場を後方にガッシャ―ブルムW峰からバルトロカンリまでの展望を描く。

LPAIJU CAMP 2011,07,18,15:00

 行きに天候不順で描けなかったパイユキャンプから見渡すパノラマを描いた。

MASKOLE CAMP 2011,07,21,05:10

 トレッキング最終日の朝、アスコーレキャンプ地を去る日にテント場と似せK2を描いた。

 

 スケッチは写真とは一味違った印象を受ける。トレッキングの最中に写真を撮る人は多いが絵を描く人はいないようだ。ポーターは珍しがって絵を描いている私の隣にしゃがみこんで手元を覗き込み、描く線の先をスケッチ対象物と比較しながら現地語で話し合っている。勿論、私には現地語は全く分からないが、たぶん「似ている・そっくりだ」というような意味のことをささやき合っているのだと思う。描き終わって「フィニッシュ」と私が言うと、一様に「オー」という声とともに微笑返す。

 

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