巨大なチューブ「万丈窟」と大きな杯「城山日出峰」
4月22日〜25日にかけて3泊4日の日程で2度目の済州島旅行に出かけました。前月の3月は家族旅行でしたが、今回は漢拏山登山が目的でした。登山に2日間使ったので残りの2日間は世界自然遺産を始めとした島内観光にまわしました。
済州島観光に出かけるのに先立ち、千代田区内幸町のNBF日比谷ビル16階に設置されている韓国観光公社東京支社に出かけました。その中に済州島観光事務所と江原観光事務所が入室しているからです。済州島観光事務所で島内観光関係のパンフレットと漢拏山登山地図をもらいました。街の本屋で売られている韓国観光案内書では済州島観光は最後におまけ程度にしか紹介されていませんし、ましてや漢拏山登山地図はどこにも売っていませんから直接観光事務所に出向いたわけです。事務所には綺麗に印刷された済州島パンフレットがあり、漢拏山登山地図はA2版の大きなものが1枚しか残っていないとのことで、その地図をA3版2枚に分けてカラーコピーしてくれました。無料でした。親切な事務員でした。韓国観光公社の公式ホームページでは済州島のユネスコ自然遺産について次のように紹介しています。
2007年6月27日、ユネスコ委員会は済州の側火山(寄生火山)と世界的な規模の溶岩洞窟、多様な貴重生物および絶滅危機種の棲息地としての貴重性と優れた外的条件を認定し、「済州・火山島と溶岩洞窟(Jeju Volcanic Island andLava Tubes)」として世界自然遺産に選定しました。
済州・火山島と溶岩洞窟は、大きく分けて漢拏山自然保護区域、城山日出峰(ソンサン イルチュルボン)、拒文岳(コムンオルム)溶岩洞窟系の3つの地域に分けられ、拒文岳、ペンディ窟、万丈(マンジャン)窟、金寧(キムニョン)窟
、龍泉(ヨンチョン)洞窟、タンチョムル洞窟など、側火山(寄生火山)1つと溶岩洞窟5つを含みます。
★拒文岳・溶岩洞窟系
2000ウォン(約200円)の入場料を払って万丈窟に入ってみました。私は3月に訪れたときにも入りましたので2度目の訪問でした。今回は登山に携帯するヘッドランプを持参しました。入り口の階段を降りていくと大きな洞窟が口をあけています。トンネルになっている洞窟の途中から割り込むようになっており、左側へ続く洞窟は立入禁止で右側へ入っていくようになっています。ひんやりした空気と肌にまとわりつく湿気を感じます。足元はごつごつでこぼこしており天上部分から落ちてくる水滴によって作られた水溜りがいたるところにあります。この水溜りを避けながら奥へ奥へと進んでいきます。地元の人で長靴を履いた観光客がいましたが全く正解だと思いました。途中には落盤した天上壁が片付けられずそのままの状態で置かれている場所もたびたび出てきます。洞窟は大きく太い感じを受けます。
足元を照らす照明が所々に設置されているとはいえ洞窟内は薄暗い世界です。前回、入り口まで引率してきた現地ガイドは洞窟の中までは案内しませんでしたが、洞窟内を明るくしないわけは様々な動物が洞窟内に生息しているため、それらの動物の生態系をなるべく壊さないように配慮し薄暗くしている、との説明をしていました。また洞窟内では所々に説明版が設置され、洞窟の生成過程や特徴の説明版があります。それらを一つひとつ確認していくと結構の時間がかかりますが、どのようにして溶岩洞窟が形成されていったのかが理解できます。
丁度、公開されている洞窟内の中央くらいのところに亀石という済州島の形をした岩がありました。あとから設置したのではなく自然の創造物ですが本当に済州島の形をしており出来すぎの感じがしました。ビックリです。
万丈窟は、長さ13422mのうち観光客に公開されているのは入口から約1000mで、天上部につながっている石柱があるところまでです。ゆっくり歩いて片道30分です。他は安全面等を考慮して公開されていませんが、公開されている部分だけを歩いてみるだけで一見の価値はあると思います。洞窟内部は平均気温15〜18度、湿度87〜100%を維持しているとのことで、壁面が水分で光っており硬く感じられます。地表にも沢山の噴火時の岩石を観ることができますが、それらは一様に乾き脆い感じを受けますが、洞窟の壁面は硬く締まっている感じを受けます。石質が異なると思われます。洞窟の高さは7〜8m、幅は広いところで10mはあると思われます。巨大なチューブを連想させます。私の体験では石灰岩を水滴で溶かした鍾乳洞には何度か入ったことがありますが、このような溶岩洞窟に入ったのは初めての体験です。ただただ自然の創造物に驚くばかりでした。
★城山日出峰
ここも2000ウォン(約200円)の入場料を払って城山日出峰に登りました。こちらは同じ自然遺産でも万丈窟とは異なり、明るく観光客も比べ物にならないほど沢山押し寄せていました。前回同様に天候は晴れ、むしろ暑いくらいの気温です。観光用の乗馬がつながれている広場には薄紫の花が一面に咲いていました。その花畑に入って写真を撮影する人があとを絶ちません。こちらに来てもデジカメは大活躍で、みんな明るい顔をしています。
城山日出峰に登ってみることにしました。182mの高さなので10分ほどで登れます。最上部まで階段が続いています。観光客が多いので登り下りの順番待ちをする場面もあります。頂上に登ると草や小さな木々に覆われた噴火口が見渡すことが出来ますが浅い杯のようです。その噴火口に下りていく道がありますが、現在は柵が設置され降りていくことが止められています。何かの調査の時に扉を開けるように思われます。最上部には「DENGER」という表示が3ヶ所に立てられ、脆い岩に登らないように注意していますが、ついつい危険をおして登ってしまうのが人情です。登ったところから見下ろす海は本当に透きとおり底まで見通すことが出来ます。綺麗な海です。
城山日出峰から降りてくると昼食の時間です。魚介類のうち刺身料理を食べさせてくれる店の紹介をガイドに依頼しました。紹介された店に上がって刺身の盛り合わせを頼みました。出されてきたのは、ヒラメ、タイ、アワビ、タチウオ、サザエ、ホヤ、の刺身盛り合せに、チジミ、アマダイの焼き物、ワカメスープ、キムチを始めとする付け出し10種類、というものでした。それにビールと焼酎2本を飲んで1万円でした。ちょっと高いかなと思いましたが、美味かったので良しとしました。
私が知っている韓国語は「アンニョンハセヨ(おはよう、こんにちは、こんばんは)」と「カムサハムニダ(ありがとう)」のふたつです。あとはボディランゲージと片言の英語だけです。これで3泊4日の済州島旅行は快適でした。ホテルの近くには必ずコンビニやスーパーがありました。ビール、まっこり、焼酎、ツマミはいつも冷蔵庫に入れておきました。ベッドメーキングのチップは1000ウォン(100円)です。焼肉店に入って美味しい肉を食べ、ビールやまっこりを飲んでも一人2000円程度です。定食屋にも入りました。安く美味しい料理が楽しめました。