猛吹雪のなかを尾瀬岩鞍スキー場へ

 

男子国体コースへ

 

 2月16日、新潟県石打丸山スキー場で楽しんだメンバー10人の中から3人が次の目的地である群馬県尾瀬岩鞍スキー場に向かう。高速道路を利用するならば湯沢インターから関越道に乗り込み、沼田インターで降りて右折し沼田街道を走り片品で左分岐し、出発から約2時間で宿泊予定のペンション「さんらいず」に到着する道筋である。しかし、湯沢温泉「ユングパルナス」で入浴し、昼食を食べたあと晩酌用の地酒を買い込み湯沢インターまでやってくると、無情にもインター前の標示板は‘湯沢インターから水上インター間は通行止め’というものだった。理由は吹雪による視界不良である。確かに車で走っていると吹雪のため瞬間的ではあるが前方が全く見えない真っ白状態にしばしば遭遇していた。高速道路が封鎖されるのも納得できる天気状況であった。そのような状況の中で天候回復が何時になるか判然とせず、高速道路で沼田まで行くのではなく国道17号線の三国峠越えで沼田に達する方法を選択せざるを得なかった。

 

久しぶりの三国峠越えであった。その時点で目的地まで5時間もかかるとは想像できないことであった。しかし、実際に走ってみると峠にさしかかるため標高を上げていくと天候はますます悪化し、より厳しい運転状況に突入し前方の視界不良が続きノロノロ運転が常態化していった。その結果、高速道路を使用したならば沼田まで30分の距離が6倍の3時間かかる結果となったのである。沼田に到着したものの、それから先も峠越えをするので一筋縄ではいかない状態でスリップによる追突が対向車線2件発生し渋滞が発生していた。我々が走っている方向では車両事故は発生していなかったがノロノロ運転は続いていた。いやはやなんともの石打スキー場から岩鞍スキー場への移動だった。運転手は勿論のこと同乗者もグッタリする5時間の移動だった。

 

 岩鞍スキー場は過去10数年訪れているスキー場である。冬季国体スキーコースも設定されている本格的なスキー場であり、今回もSAJ認定試験を実施していた。2年前の東日本大震災に伴う福島第1原発爆発事故による電力不足を理由に昨年から西山ゲレンデが封鎖されたが、今回訪れると西山ゲレンデはリフトそのものが撤去されていた。電力不足による節電モードだけではなく、長引くスキー人口の減少が西山ゲレンデの封鎖に関係していると思わざるを得ない。

 

 今回の尾瀬岩鞍スキー参加者は11名だった。17日の日曜日にそれぞれの車で集合してきたのだが、椎坂峠越えで車のスリップによる追突事故があちこちで発生し渋滞に巻き込まれた車が多く、私たちは朝8時半のバスでスキー場に出かけたが、まだ未到着のメンバーもおり全員が集合したのは昼食の時間帯だった。心配していた天候も徐々に回復していった。ミルキーウェイコース、女子国体コース、チャンピオンコースなどを滑って12時には溜まり場所の「お祭り広場」に集合してエビス生ビール琥珀の大ジョッキを飲んだ。汗をかいていたので喉越しの生ビールはことのほか美味かった。私は生ビール琥珀を飲むのは初めてだったが感激するほど実に美味い生ビールだった。色は勿論琥珀色。味は喉越し爽やかであるがコクがある。感激ものだった。大ジョッキを久しぶりに飲んだが、普段飲む中ジョッキとは随分大きさが違うことを改めて感じた。生ビールの次は当然のこと地酒「吉の川」へと進む。青竹を切り出した手製の冷えた猪口で飲む吉の川の味も特別である。酒量が増すにつれて頭の回転は鈍くなり、筋肉が弛緩していくのが自覚できる。事故を起こさないために午後の滑降は中止した。

 

 翌日の月曜日は良く晴れた。昨日は男子国体コースに圧雪が入っておらずアイスバーンのコブコブで全く滑れなかったと聞いているので、月曜日は圧雪が入っているかコースを目視確認すると運よく圧雪が入っていたので男子国体コースに入った。このコースは斜度が急なため圧雪車を操縦する運転手が一人しかおらず、その人が出社しないと圧雪が出来ないのだという。圧雪が入ったコースは急斜度であっても下に落ちていくような感じで滑ることが出来る。午後になるとコースが荒れてくるので滑るのは午前中がベストだ。

 

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