ポアン・イザベル
ポアン・イザベルの肖像と彼女の登山スタイル
シャモニーは小さい田舎街である。緑の木々に囲まれ岩壁に張り付くような氷河が手で触れるように近くまで迫る山岳リゾートの街であり洒落た街でもある。宿泊したポアン・イザベル・ホテルは街の外れに建っているが街の中心から5分と離れていない、ということで街の規模が知れる。
日本人がオーナーを務めるホテルは、1876年に女性として冬季モンブランに初登頂したポアン・イザベルの名前を冠したホテルである。ホテルに入るとフロント脇の壁にモンブラン登頂の歴史的な写真が飾られており、もちろんイザベル本人の写真も飾られている。当時、冬季でも女性はスカート姿で雪山に登っていた。
当時の雪山登山風景
ホテルの外壁に飾られているマークもイザベルの登山姿をデザインしたもので、スカート姿にピッケルを持っている。ホテル内で発売している傘、帽子、水筒などのグッズにもイザベルの同様な姿がデザインされている。私は傘と水筒を買った。
ツール・ド・モンブラン・トレッキングを歩いてみて感じたのは、若い女性がトレッキングをしていることだ。単独行動者にも随分出会った。日本でも山ガールが増えてきているが、登山を文化として楽しいでいる姿は、やはりヨーロッパのほうが進んでいると思う。
シャモニーの街中を流れるアルヴ川
シャモニーの街の散策に出ると氷河からの融水が街の中心を流れている。水量も豊かでグレッシャーミルクと呼ばれる緑がかった乳白色の水が流れ、勢いが強い。流れに架かる橋には花が飾られ、家々の窓にも花が飾られている。それらの花々が青空に映えて美しい。
散策の帰りにスーパーに立ち寄り、ロゼワインと乾燥ソーセージを買った。ホテルに戻りフロントに頼んでワインの栓を抜いてもらった。ワイングラスを借用し同室者と明日からのトレッキングの成功を願って乾杯をした。美味いワインであった。