ペンギンが空を飛び、白熊がダイビングした

結婚20周年記念・初夏の北海道旅行(2)

 

ペンギン空を飛ぶ

6月10日
2日目は旭川の市立動物園『旭山動物園』に出かけました。ここは私のリクエストです。旭山動物園は札幌から特急で旭川まで1時間20分、駅前からバスに乗換えて40分で到着しました。テレビでもたびたび取り上げられて人気絶頂の旭山動物園はいろいろな旅行会社がツアーを企画していますが、いずれも動物園内の滞在時間が短く物足りないと思っていました。今回は滞在時間を自分たちで自由に出来るフリー旅行ですから好きな動物の前で好きな時間だけ楽しみました。

旭山動物園に入って驚いたことが3つありました。
1番目は、土曜日にもかかわらず入園者に子どもの数が数えるほどしかおらず、大半は中高年のツアー客でした。マスコミで報道されているのを見て一目見ようとツアーでやってきたものだと思いました。

2番目は、園内の至るところに動物の世話をしている飼育者自身の直筆で動物に関してのさまざまなことが書かれています。これを読むと知らず知らずのうちに動物博士になったような気分になります。読む人の興味を引くように「シロクマのひふの色は何色でしょうか?」のようなクイズ形式のもありました。答えは「くろ」でした。私も夫も外れました。ふさふさした白毛の下が黒だとは思いませんでした。手書きの説明版はアレッと思うようなことが沢山書かれていました。他の動物園にはないものだと思いました。

3番目は、何といっても動物たちの行動展示という考え方で、動物たちが楽しく生活している光景を人間の側が見せてもらうものです。「モグモグタイム」というおやつの食事時間帯が決められており、その時間帯で動物たちの食事をする姿が見られるようになっています。見ていてなかなか面白いものです。ニホンザルコーナーの窓ガラスにハチミツを塗り、それを舐めるのをガラスのこちら側から見られます。サルの手、足、目、口、表情がすぐそこに見られるわけです。動物たちに遊んでもらう様々なものも考え出されています。


白熊が餌を求めて水中にダイビングする姿は実に圧巻です。そのあとの水泳も思ったより上手です。アザラシの水中散歩も楽しいものです。円筒の中を上がったり下がったりする姿はユーモラスでした。また、ペンギンが水面を泳いでいるのを下から見ると、かつてペンギンは空飛ぶ鳥だったということが思い出されるような光景でした。ペンギンのヨタヨタ・ピョコピョコ歩く姿も愛嬌があってとても楽しいものです。

オランウータンの棲み家は今まで見たことのない大掛かりな遊び道具がありました。これによって森の住人といわれるオランウータンの生活も楽しくなるのかなと思いました。最初は気がつかなかったのですが母親のお腹に3才の赤ちゃんが抱かれて小雨の中でジッとしていました。同じような毛色をしているのですが赤ちゃんの目が瞬きするので気がつきました。

出発時間になっても集合しないツアー客を呼び出す放送が園内に度々流れていましたが、私たちは自分で計画して出かけたものですから好きな動物の前で好きなだけ見ていられることが出来ました。ツアー旅行は簡単で面倒くさくないけれど時間に規制されるので、今回のように自分で計画する自由旅行のよさを改めて感じました。

私は旭山動物園を訪ねて感じたことは、動物たちにストレスを与えない範囲で人間が動物を身近に見ることの出来る環境を作り出し、動物たちの本来の動きを入園者に見てもらおうという企画力の素晴らしさが日本一の入園者数になっていったと思います。動物園に働く人たちの努力の結果だと思い頭の下がる思いでした。

エネルギッシュに踊る若者・すすきの会場

 

札幌に戻ってくると駅前広場は「YOSAKOIソーラン祭り会場」になっていましたから次々に自前で作った衣装を身にまとった若者達が踊っています。司会進行は2人でディスクジョッキィー風にコメントを入れながら軽妙に進めていました。


ホテルから夫がキリンビール園本館に予約電話を入れると、「本日の予約時間は終了しました。こちらに来ていただいて順番にご案内いたしております」との返事でした。地下鉄南北線で中島公園のそばにあるビール園本館に向かいました。地下鉄もソーラン祭り参加者で混んでいました。この状況だとビール園でも大分待たされるのかなと思っているとスンナリ2階の席に案内されました。ビール園の1階はで、2階3階が吹き抜けの広〜いビアホールになっています。広いホールが予約で占められており、3階からは踊り子たちが行っている打ち上げの嬌声が聞こえてきます。一仕事やったあとでお互いが内容を振り返りながら語り合い、飲みあい、明日に向かっていく姿はいいものです。

 

私たちは生ラムジンギスカンと味付けラムジンギスカンを頼み、それぞれの焼き方を教わりました。焼けるまでは刺身やサラダを肴にビールで乾杯です。夫は20年前頃、毎年北海道にスキーに来ており、その頃キリンビールは北海道では売っておらず、ビールといえばサッポロビールだった、と話していました。食事を終えて帰るときにエントランスホールに掲示されているビール工場の沿革を読むとビール工場が出来たのが20年前でしたから北海道ではキリンビールは歴史が浅いのだなぁと改めて思いました。生ラム肉は癖もなく柔らかくとても美味しかったです。もちろん蒸すように野菜を下に敷いて焼く味付けラムも美味しかったです。係りの人に、それぞれの焼き方を教わらなかったら美味く食べられなかったかもしれないと思いました。分からないことは聞くのが一番ですね。美味しいジンギスカンと美味しい魚介類を肴にビールをグビグビ飲めて最高な気分でした。


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