銀色のシーズン
快晴の八方尾根スキー場
2月11日から3泊4日で長野県八方尾根スキー場に滑りに行った。八方尾根は夏山登山で度々訪れたところだがスキーとなると1988年、1992年以来なので実に久しぶりのスキー場である。以前来た時の記憶は全くなかったが夏山登山の関係でゲレンデに出ると「兎平」「黒菱」「第1ケルン」「八方池山荘」などの名前が目に付く。
1日目は12時にペンション『せせらぎ』に着き、午後の滑りに出た。今シーズンは例年になく雪が少なく山肌が露出しているところがゴンドラから見える。本来ならば2月の中旬は最も積雪量が多く気温が低いのが当たり前なのだが今年は異変だ。ドンドらのあとにリフトを2本乗り継いでゲレンデの最高点に行き、そこからリーゼンコースを一気にゴンドラ駅まで滑り降りる。コース長は結構長いし、斜度も最大斜度は31度とあり、ふくらはぎが痺れ膝や太股が疲れる。初日に怪我をしたのでは話にならないので無理をしないように自制しながら滑る。16時まで滑って宿に戻った。帰り際には前が見えないほど雪が降り出したので明日の新雪を願って温泉「八方美人の湯」に浸かり地酒やワインを楽しむ。雪見酒は何度味わってみてもいいものである。
鹿島槍ヶ岳(奥)と五竜岳
2日目は本当に雲ひとつなく晴れ渡った。久しぶりのピーカンだ。周りの山々は昨晩降った新雪を身にまとい陽の光を受け、まばゆいまでに輝いている。本当に美しい景色だ。白馬三山が綺麗に真っ青な大空のもとで輝いている。鹿島槍ヶ岳や五竜岳が逞しい姿を新雪にくるみ聳えたっている。その景色を見ただけで八方スキー場にきた甲斐があった。
今回のツアーに参加したのはロシア人:佐藤(68歳)、ポパイ:吉原(56歳)、マイペース:ごんべぇ(56歳)、赤い稲妻:山口(43歳)、それにエイトマン:岩井(60歳)の5名である。その5名が朝8時半に宿を出ると、10時、12時、15時の3回の休憩以外は16時まで滑りっぱなしであり、中年スキーヤー連中は我ながら元気だと思う。
朝一番で黒菱まで登った時、最終リフトは動いておらずボーダーが徒歩で登っていくのが見えた。我々はリフトが動き出すのを待った。10分ほど待つとリフトが動き出し「八方池山荘」まで登ることができる。全くの新雪状態だ。スキー板を脱ぐと雪が深くてラッセルしないと進めない。白く輝く白馬三山をバックに写真を撮った。「白銀は招く」という言葉があるが全くその通りの景色である。
昨年、『銀色のシーズン』という英太と田中麗奈が主演する青春スキー映画が封切られたが、その背景は八方尾根スキー場であり、青空のもとで3人の若者が滑走していた場所に我々5人が立っているのである。思わず映画のシーンが蘇ってきた。
VIRGIN-CAFEからの白馬三山
3日目は時たま薄日が差す曇り空だった。この日も朝8時半から16時まで前日同様の滑り方である。足は疲れるが風を切る感覚は素晴らしいものだ。金曜日なので人も多くなり珍しいことにゴンドラでは乗車待ちがでる。最近はスキーやボード人口が減少し、ゴンドラやリフトで順番を待つ光景は久しぶりである。気温が急速に上がりゲレンデの下の方では雪がシャーベット状になり、まるで春スキーの様相を呈している。
休憩や食事にはゴンドラ降車駅の「兎平109」が便利なので毎回利用していたがリフトを一本登った「VIRGIN CAFE」に入ってみると、こじんまりとした静かな休憩所で眼下にエキスパートコースである黒菱ゲレンデが見えた。黒菱のコブコブを滑っているスキーヤーは少ないが、八方尾根スキー場全体の斜度が比較的に急なためスキーやボードの上手な人が多いように感じる。
4日目は朝風呂に入ったあと「道の駅・白馬」でお土産を買い、大町温泉郷「薬師の湯」の露天風呂に入り、風呂上がりの生ビールと地酒を楽しみゆったりとした時間を過ごす。このゆったり感が心身ともにリフレッシュ効果を出してくれる。今年の「ミーハー・スキーヤーズ・クラブ」のツアーは天候に恵まれ大成功だった。