ハンターの眼は鋭く怒っているようだ

 

獲物を狙うチュウサギ

 

 1月29日 晴れ

 白いサギのことを一般的にシラサギと呼んでいるが、身体の大きさによってダイサギ、チュウサギ、コサギの3種類に分かれる。幕張には3種類ともに棲んでいるが、よく目にするのはチュウサギである。チュウサギとはいえ身長は70cm、翼を広げれば1mを越える大きさだ。いずれのサギも獲物を狙う時の眼は突き刺すように鋭く、怒っているように光を発している。

 

コオロギを捕まえたチュウサギ

 

 サギ類は穀物類や雑草の実などは食べず、魚類、甲殻類、昆虫類、爬虫類、両生類などの生物のみを食料としている。2番穂も枯れた田んぼに抜き足差し足で獲物を狙うチュウサギがいた。しばらく見ていると、鋭く睨み付けていた眼が獲物を確認したようだ。長い首をゆっくりと徐々に静かに伸ばしていき、一気に嘴を突き刺した。その嘴に挟まれていたのはコオロギであった。コオロギをひと飲みすると、次の獲物を狙って静かに歩いていき、再び同じ行動で獲物を捕まえていた。私が見ていた10分間で4匹の昆虫を捕えていたが、チュウサギとはいえ身体が大きいので食料確保は大変な作業だと思う。

 

渋い着物の柄のようだ

 

 NHKが朝ドラで『おちょやん』という番組を放送している。私は毎朝みているが、上方女優であった浪速千栄子をモデルにした番組で、時代背景が大正から昭和にかけてなので登場人物は着物を着ている。暴れん坊のヒヨドリが桜の枝に留まっていた。『おちょやん』の主人公は若い女性のため明るい着物を着ているが、ヒヨドリの胸から腹にかけての紋様は男物の渋い着物の柄のように見えた。

 

耕作放棄の田んぼが広がり続ける

 

 幕張周辺を歩いていると耕作放棄地が広がっている。その結果、草木が生い茂り、農薬の使用が少なくなり、昆虫を初めとした小動物たちが増え、餌が増えたことにより野鳥の姿が増えているように感じられる。サギ類をたびたび見かけるのも、餌となる昆虫や小動物たちが増えているからだろう。農業従業者も高齢化が進み、後継者がいないことにより農業は崩壊し、田畑は自然に戻っていくのだろう。そのように感じられる。

 

ハクセキレイのつがい(奥が雄で手前が雌)

 

 ハクセキレイのつがいが公園の東屋の向こうにいた。いつも東屋のベンチに座っているホームレスの方が消えていた。風よけのための簡易テントもベンチの上の毛布も消えていた。この寒空にどこに消えてしまったのだろうか。ハクセキレイのつがいだけが仲良く歩いているだけだった。

 

おのおのがた、この紋所が目に入らぬか

 

 ピラカンサの赤い実を食べていたジョウビタキの雌をカメラで狙っていると、ジョウビタキが飛び移った屋根瓦にビックラポン。飛び去った先を見た時に「この紋所が目に入らぬか!」と言う水戸黄門の格さんの言葉を思い出した。金ピカの三つ葉葵ならぬ三つ葉柏だった。

 

ペットボトルを咥えようとするハシボソガラス

 

 農道の水たまりに浮かんでいたペットボトルで1羽 のハシボソガラスが遊んでいた。そこにやってきたもう1羽がペットボトルを奪い取り、なんとか咥えようとして2度3度失敗しながらも何度も試みて、ついに咥えることができて飛び去った。舞い降りた先は田んぼの中で、再びペットボトルで遊びだした。カラスはとても好奇心旺盛な鳥なのだ。

 

ペットボトルを咥えて飛び去るハシボソガラス

 

 水たまりに浮かんでいたペットボトルは、カラスにとっては遊び道具に過ぎないが、ペットボトルが川に流れ、海に入ることによって、海洋汚染のプラスチックゴミとなることを、私たちは忘れてはならないだろう。国連によってSDGs(持続可能な開発目標)が掲げられているが、目標の実現の基本には個人個人の自覚が必要だと思う。

 

ミーちゃんの左耳にも手術済みマークがある

 

 前回レポートで「クロネコ・ヤマト」の右耳が刃物で切られたような傷がついていることについて、前に似たような耳の野良猫を見たことがあり、「去勢手術」済みマークではないでしょうか?というメールが届いた。30年前からノラ猫の世話をしているという女性に出会ったので話を伺った。「動物虐待で耳が切られたのではなく、不妊・去勢手術をした証拠として以前は耳にピアスをつけていましたが、ピアスだと取れてしまうので、現在は耳を切っています。動物虐待ではないので安心してください」とのことだった。耳が切られたのが虐待ではないことは分かったが、新たな疑問として捨てること=遺棄は虐待につながらないだろうか

 

花見川河口に係留されていたモーターボート

 

 花見川河口にモーターボートが係留されていた。モーターボートの運転には国家資格の2級小型船舶操縦士の免許が必要になる。私は船橋埠頭で講習を受け免許を取った。40年ほど前のことだ。モーターボートの運転は実に爽快である。運転は発進や前進あるいは90度方向転回などは自動車よりも簡単なので、試験はバックでの着岸が上手くいけば合格できる内容だった。65歳の時にもう運転はしないだろうと判断し、更新を行わなかったために免許は失効となった。

 

梅の花が微かな香りを漂わせて花を開いた

 

 日一日と膨らみを増す蕾を見るのが楽しみだった。梅の花が微かな香りを漂わせて花を開いた。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で各地の梅まつりのイベントが中止されるだろう。仕方のないことだ。どのような災難や災害が降りかかろうとも、季節が回ってくれば梅の花は開く。それが自然の逞しさだ。

 

のんびりデイキャンプ

 

 検見川の浜でデイキャンプをしているカップルがいた。砂浜に緑のテントを張り、投げ釣りの竿を2本出していた。行きに見た時は椅子に座り本を読んでいた。風もなく暖かい穏やかな日差しを浴びながらリラックスしているようだった。たぶん魚は釣れないだろう。釣果は問題ないのだ。ふたりにとって大切なひとときなのだろう。人間には仕事ばかりではなく、時には休養も必要だ。帰りに見た時は仲良く食事をしていた。隣に信頼できる人がいて、仲がいいことが素晴らしいことなのだ。

 

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