花言葉は「しとやかな恋人」
ピンクのフヨウの花が咲きだした
ピンクのフヨウの花が咲きだした。秋に咲く10cmほどの大輪である。花言葉は「しとやかな恋人」「繊細な美」である。朝咲いて夕方にしぼむ1日花とされている。新田次郎の作品に『芙蓉の人』がある。日本で初めて富士山頂で冬季気象観測をした野中到と、それを支える千代子夫妻の実話にもとづいた作品だ。富士山は芙蓉峰とも呼ばれていたことと、芯のしっかりした千代子夫人をフヨウの花に見立てたものを併せた題名だと思う。桃色を見ていると心がほわっと暖かく明るくなるようだ。自然界には美しいものがたくさんある。花もしかり、野鳥もしかりである。
ゴイサギの親子
マンジュシャゲを撮っていると、2羽のサギが飛んできて対岸の木に降りた。大きさと色から判断するとゴイサギのようだった。以前、ゴイサギが休んでいた木だった。双眼鏡で確認すると、やはりゴイサギの親子だった。私がゴイサギを撮影していると、バードウォッチングで出会うおじさんがきて、「この辺りでは5羽から6羽のゴイサギを確認しており、潮が引き川岸が現れると、餌を探しに木のなかから出てくる時がある」とのことで、「夕暮れ時期になると夕陽で対岸が明るくなるので見やすくなる」と話していた。2羽の親子はすぐに葉陰に消えてしまった。
悠々と泳ぐオオバン
1羽のオオバンが悠々と川面を泳いでいた。以前も見かけたことがあるが、冬鳥として花見川にくるのではなく、留鳥として棲み着いている個体である。
ブラックバスを狙う若者
赤いプラスチックボートに乗った若者がブラックバスを狙っていた。話をしてみると、40cmほどのブラックバスが釣れるとのことで、釣った後は写真を撮ってリリースする、と言っていた。また、川岸から飛び込むカエルをブラックバスは水面下で待っているため、川岸にいることが多いといい、川岸をめがけてルアーの投げ込みを繰り返していた。ひとりでボートに乗っているので密にならなくていい、とも言った。ブラックバスは特定外来種で駆除対象になっているため、釣った後は白身で美味しい魚なので、リリースせずに食べてしまえばいいと思うのだが、福島第一原発の事故で放出された残留放射能によって、東京湾に流れ込む河川の中では、花見川の残留放射能が桁違いに大きいことを考えれば、食べないの方がいいのかもしれない。
稲穂に群れるスズメ
黒山の人だかりという言葉があるが、稲穂に集まる黒山のスズメである。その数はおおよそ200羽ぐらいだろうか。とにかくすごい群れである。この群れが田んぼに舞い降り、稲穂の実を食べるのである。いやはやなんとも、凄まじい光景である。農家の人にとってはたまったものではない。
水が溜まった田んぼは人力で稲刈りをする
以前の稲刈りは全て人力で行っていたのだが、コンバインなどが導入されて農家の機械化が進んだ。秋の長雨で田んぼに水たまりができ、コンバインを入れることができないところの稲刈りは悲惨である。以前のように全て人力による稲刈りを行わなければならないため、すごい労力を必要とする。農家の人たちの高齢化が進むなかで、手狩り・乾燥・脱穀は農家の人たちの身が持たないだろう。
キジバトの落ち籾ひろい
稲刈りが終わったあとの田んぼで、4羽のキジバトが落ち籾を拾っていた。落ち籾といえども、その一粒一粒が野鳥たちにとっては貴重な食料となるのだ。キジバトは繁殖期を除くと家族単位で行動している。
宅地造成中と建築中の住宅
新築現場の大工さんが寄ってきて、「すごいカメラ持ってるね。なに撮ってんの?」と話しかけてきた。「鳥です。野鳥を撮ってるんです」と答えると、「そー」と言ったきり、びっくりまなこで口を開けたままだった。バードウォッチングということ自体を知らなかったのかもしれない。私が住むマンションの近くの田んぼを埋め立てて建築ラッシュである。1年間で40棟近くの家が建ち、まだまだ宅地化が進行中である。田んぼに土を入れただけの宅地造成なので、東京直下型地震が来れば液状化現象で家が傾くだろう。
急速に植生を拡大しているオオブタクサ
花見川沿いにオオブタクサが元気に植生を拡大している。オオブタクサは外来種で、大きいのになると高さは3m近くになる。茎は垂直に伸び、小さな1mmほどの黄色い花を5〜6個まとめ、垂直に立ち上がる花穂にたくさんの花をつける。その花粉が風に飛ばされて花粉症の原因ともなっている。実が多いために急速な植生の拡大要因となるのだろう。耕作放棄地にも勢力を伸ばしいているが、比較的乾燥した場所を好むようで、河川敷にたくさん生えている。この草の太い茎が立ち枯れた晩秋に採取して乾かしておけば、お年寄りには絶好の軽い杖となる。
アオサギ、チュウサギ、カワウがなかよく
木の枝でアオサギ、チュウサギ、カワウの3種類の野鳥が羽を休めていた。サギ科とウ科で種類が違っているが、休んでいる時は喧嘩をする様子はなかった。これがエサ取りになると、自分の狩り場に後から来た鳥に対しては攻撃するのである。休んでいるときは休戦状態なのだろう和やかな雰囲気だった。
アサガオが元気だ
河川敷にアサガオが蔓を伸ばし、花を広げていた。通常アサガオは人間が栽培すると7月に花を開くが、自然のままだと9月から10月あたりに咲く。人間が手を入れる場合と、自然のままだと発芽する時期が違うのだろう。今が花の真っ盛りである。
クズの花が咲きだした
クズの花が咲き出した。ピンク・赤・紫赤の混ざったような花が上り藤のように咲く。、葛餅を作る場合、本来はこのクズの根を掘りだして澱粉を作り、それをこねて葛餅を作るのであるが、手間がかかるので今はジャガイモデンプンで代用している。柔らかくて美味いクズの餅である。
桜並木の枯れ葉の遊歩道
花見川沿いの桜並木の葉が黄色に変わり、散り始めた。ツクツクボウシが今を盛りと鳴いているが、桜の葉が散ると同時にオーシンツクツクの声も消えていくことだろう。すっかり桜の葉が落ちるころ、北の国からカモたちがやってくるのだ。
お話し中のハシボソガラス
稲刈りの終わった田んぼに4羽のハシボソガラスがいた。何をやっているのか眺めていると、顔を見つめ合いながら話をしたり、水を飲んだり、落穂拾いをしていた。カラスは頭のいい鳥である。落ち穂が見つかると、片足で穂を踏みつけ、嘴で籾をこそぐように食べることができるのである。標高2000mあたりの高山に行くと、ホシガラスというハイマツの種を枝に挟んで松ぼっくりの中の実を掘り出して食べるカラスがいるが、カラスはどの種類も頭のいい鳥である。
白いマンジュシャゲ
「今年はほんと鳥を見かけないね。私は毎日散歩をしているけど、鳥をほとんど見ない。多いのはスズメばかりだ。普段はスズメなどいないのに、この時期になるとものすごい数でやってくる。どからくるのかね。しかし本当にスズメ以外は鳥を見ないね。」と散歩中の杖をついたおじいさんが話しかけてきた。全くその通りだと思う。80歳くらいのおじいさんは、「いい写真を撮ってくださいな。」と言いながら去っていった。
キバナコスモスに舞うキアゲハ
花島小学校の子どもたちが花島公園に撒いたキバナコスモスの花がたくさん咲いていた。キアゲハが花から花へと舞い移っていた。もう秋なので、キアゲハの翅はボロボロだった。キバナコスモスは咲いていたが、種を蒔いた後の花壇の整備が間に合わず、つる草が勢いを増し、キバナコスモスに覆いかぶさっているのがほとんどだった。コロナ禍の影響を受けて公園の整備も遅れがちである。
黄色いマンジュシャゲ
稲刈りの準備に来た人が作業の手を休めて、「良い写真が撮れたかい?」と大きな声で話しかけてきた。私は首と手を同時に横に振った。今の時期は本当に野鳥の姿が少ないと思う。歩いていても、あまり野鳥を見かけないのだ。
白いスイレンが咲いていた
真っ白いスイレンの花が水面を飾っていた。時たまスイレンの横にミシシッピーアカミミガメが顔を出した。カルガモものんびり泳いでいた。薄曇りの空から太陽が顔を出し、のんびりした午後のひと時であった。