ガマの穂が白くなってきた
ガマの穂が随分白くなってきた
11月12日 晴れ
ガマの穂が白くなってきた。『古事記』のなかの出雲神話に「因幡の白兎」の話がある。鰐鮫を騙して丸裸にされた白兎に大黒様がガマの穂綿で優しくなでて治す話である。その綿穂が白くなってきた。田んぼでは2番穂が実を結んでいる。幕張あたりでは8月下旬から9月上旬には稲刈りを済ませてしまうので、切り株から成長した稲が2番穂の実を結ぶのである。アキアカネが4枚の翅いっぱいに日差しを浴びて畑の脇に挿した棒の上で休んでいた。透き通った翅と朱色の胴がよく目立つ。休んでいても大きな複眼をキョロキョロと動かしていた。
ヘラブナとフナがかけあわさったハンブナ
ヘラブナを釣っている人は2、3日に1回しか釣り上げないという。偶然、何かを釣り上げた現場に出くわした。釣り上げた魚を見せてもらうと40cmほどの大きさだった。魚はヘラブナとフナがかけあわさったハンブナだと言う。内容をよく聞いてみるとヘラブナは身体全体が丸く、フナは細い。そのふたつがかけあわさってハンブナが生まれるという。いわゆるハーフである。ハンブナは写真撮影したあと川に戻された。
キャッチ&リリースの釣り人
ピンクのイヌタデの花がたくさん咲いている上をモンシロチョウが舞っていた。汐留橋まで来ると堰の下に大きさ15cmから20cmほどのボラの幼魚が大群となって泳いでいる。浅いところでは自由気ままにジャンプし銀鱗が踊っている。それにしても凄い数のボラが群がっているのだ。堰堤でウキ釣りをしている人がいた。餌は疑似餌だった。しばらく見ていると8割くらいのヒット率だった。釣り人は魚を釣り上げると釣り針をペンチで挟み、釣り上げた魚を振りほどいて川に戻していた。魚が釣れた時の手応えを感じるためのキャッチ&リリースだった。
キャッチ&リリースの釣り人
流れには魚が真っ黒に群れているのが分かるのでヒット率が高いのだろう。15cmくらいのボラは川底の泥を食べているために魚の肉が臭い。そのため食用には適さないので、釣り人の遊びとしてキャッチ&リリースになっているのだろう。リリースされた魚は釣り針で傷がつくので、そこから黴菌が入り死ぬことが多い。キャッチ&リリースは決して魚に優しい釣り方ではなく、あくまで人間本位の考え方である。
オオバンの食事
オオバンが食事をしていた。オオバンが食べるのは草である。通常は水から上がって草はらで自分の好きな草を探して食べていることが多い。岸辺の近くに家庭菜園があると、その野菜の青葉を食べることもある。今回見たのは水中で育つ水草を食べていた。潜水することなく、上半身だけ水に潜るので尻が出ており、頭隠して尻隠さずのポーズだ。水草を食べるカモ類の多くが、水に潜らずに尻を出す形で食べている。タケノコのようでもある。
アキアカネが翅いっぱいに日差しを浴びていた
藪の中からジッジッジッというウグイスの地鳴きが聞こえてきていた。しばらくすると今度は別の方向からホーホケキョの囀りが聞こえてきた。今は11月中旬である。通常は春先に縄張りを確定し、メスを獲得するためにオスが囀るものだが、今ごろ鳴くのは季節外れである。しかし、秋のうちに縄張りを確定し、春先まで縄張りを保持しながら来春にスタートダッシュでメスを獲得する考えなのだろう。彼は秋から最大限の美声を誇ってメスにアピールしているのだ。ウグイスがつがいになるときはメスが美声のオスを選ぶのであり、選択権はメスにあるのだ。男はつらいよ。
水あびをする3羽のヒヨドリ
20数羽のヒヨドリが水あびをするのに出会った。ヒヨドリはホバリングができるので、水面上30cmから40cmでホバリングし、着水すると同時に羽ばたき、1、2秒で水から上がってしまう。実にあっさりとした忙しい水あびである。ヒヨドリは次から次へとやってきては各自1、2秒の水あびで次に交代するのである。このような形のヒヨドリの水あびを見たのは初めてだった。水あびが終わったあとは、木の枝でピーピーキャーキャー騒がしい鳴き声を挙げていた。
ジョウビタキのメス
ヒッヒッヒッという独特の鳴き声が耳に届いた。この鳴き声はジョウビタキに違いない。辺りを見渡すと前方の木の梢にいるのが確認できた。カメラを向けると、すぐに隣の家のベランダに飛び移ってしまった。木の枝が邪魔をしてジョウビタキに焦点が合わない。しばらく待っていると瓦屋根に飛び移った。シャッターチャンスである。
白く化粧した木の葉の原因はカワウ
花見川対岸の常緑広葉樹の葉が最近白くなっており、その白くなる度合いが急なので不思議に思っていたところ原因がわかった。原因はカワウの糞である。以前はカワウが木の枝に留まっていることはなかったが、最近は常に数羽のカワウが留まるようになった。今回は8羽留まっていた。そのためカワウが放出する下痢状の白い糞が葉っぱを白く化粧させていたのである。それは50mほど離れた木でも同じ現象が起こっている。木の枝のカワウはガァガァだみ声で鳴き続けている。この辺りではカワウが増えすぎているのだろう。
ジュウガツザクラが小さな花を咲かせていた
周辺の落葉広葉樹も随分色づいてきた。桜の葉は既に落ちてしまったが、欅や楓が色づいている。千本桜公園にはジュウガツザクラが小さな花を咲かせていた。最近花見川ではバンの姿をよく見かけるようになった。バンはオオバンよりも小さいハトくらいの大きさの鳥である。ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、コガモ、ジョウビタキにも出会い、徐々に冬鳥の種類が増えていく。