4か月ぶりの三番瀬
潜水を繰り返していたウミアイサのメス
4月10日 水曜日 晴れ
昨年12月1日以来の4か月ぶりに船橋三番瀬へバードウォッチングに出かけた。二俣新町で降り、駅前のコンビニでビールとワインを買った。ザックに入れて、意気揚々と船橋三番瀬に向かった。空は昨日の春の嵐に比べて今日は雲ひとつない快晴だった。風は吹いていないが
空気が冷たかった。工場地帯のなかを真っ直ぐに船橋三番瀬海浜公園に延びている道路脇の桜が満開だった。なかには散り始めたものもある。今日花見をするならば、風もなく絶好の花見となるだろう。
冠雪の富士山が見えた
9時過ぎに船橋三番瀬海浜公園に着いた。西には大きく真っ白な富士山が見えて素晴らしい景色だった。潮は思ったよりも引いていて、遥か沖の方に汀線があった。広がっている干潟を眺めると西側に30人ほどのバードウォッチャーが三脚とカメラを備えて何かを撮影していた。中央には15人ほどがおり、東側には人が見られなかった。私は長靴を履き撮影の準備が整うと、西側方向に歩き始めた。撮影対象だった鳥が飛び去ったようで、集団がばらけて、こちらに向かってくる人もいた。「何がいたのですか」と尋ねると「ウミアイサだった」と答えた。ウミアイサが三番瀬にやってきていたのだ。
翔ぶミヤコドリ
双眼鏡で眺めるとミヤコドリ、キンクロハジロ、スズガモ、ヨシガモなどが汀線の遥か遠くに浮かんでいた。西防波堤に上がって市川港側にいる鳥を観察しようと思った。市川港内で見られたのはオオバン、スズガモ、キンクロハジロなどで珍しい鳥はいなかった。シギ類やチドリ類は1羽も見ることがなかった。
潜水を繰り返していたウミアイサのメス
随分距離の離れたところにウミアイサのメスが潜水を繰り返して餌を探していた。ウミアイサの特徴は頭の羽がボサボサで冠羽があることである。潜水を繰り返すと冠羽は首にまとわりつくが、海を泳いでいる時は冠羽が目立つ。私からの距離は80mほどだろうか。ピントを合わせてシャッターを押したが、果たしてうまく撮れているかどうかは疑問だった。
貝を掘る人たち
潮干狩りをしている人に、貝の取れ具合いを訊いてみると、「昨年は籠いっぱい取れたのだが、今年は全く取れない」と言いながら、10cmほどの大きさの貝がひとつ入っているだけの手元の籠を見せてくれた。私も近くで掘ってみたが、小さなアサリが3個だけだったので、そのまま海に返した。
乱舞するカワウ
カワウの大編隊がやってきた。何百羽いるのだろうか? すごい数だ。それが一斉に着水し、しばらくして再び舞い上がり大編隊となって南の方に消えていった。
翔びたつウミアイサ
3時間ほど干潟を歩いて12時に鳥の観察と撮影を終えた。今日は出会う鳥が少なかった。シギ類やチドリ類はすでに北の方へ去ったのだろうか。
潮が引きすぎて汀線が遥か沖の方に後退していたために、鳥が全くいない状態だったのだ。今日のように鳥を探しながら遥か沖まで歩いて行ったのは船橋三番瀬に来て初めてだった。
マテガイを掘る中国人の家族
草むらに帰る途中に家族で貝掘りをしていた中国の人をしばらく見ていると、マテガイを獲っているのだった。マテガイは黄土色をした棒のような縦長の貝で、獲る場合は園芸用の移植スコップで砂を水平に払い、貝の給水穴が開いているところに食塩を注ぎ込むと、マテガイがいれば海水濃度の違いから外に飛び出てくるのである。その飛び出たマテガイを、待ってましたとばかり引き抜く獲り方である。3個のマテガイを獲っていた。
餌を探すミヤコドリ
今日出会った鳥は、キンクロハジロ、ハシボソガラス、オナガ、ムクドリ、ツグミ、キジバト、ミヤコドリ、オオバン、スズガモ、ヨシガモ、ウミアイサ、カワウ、ダイサギ、ハシボソガラスと少なく14種類だった。