富士山は大きいなぁ

 

河口湖ミューズ館(与勇輝館)の庭園で

 

 6月に仲の良い保育士仲間と毎年出かけている12日の旅行がありました。今年は山中湖畔に出かけ富士山をバックにフジザクラが一面に咲き誇る景色を見て、夜は河口湖畔のホテルに泊まり色々な事を話す予定でした。ところが旅行に出かける前日に私の勤務している保育所内の遊具で遊んでいた子どもがブランコから落ちて耳から出血する事故が発生し、その対応もあって私は楽しみにしていた富士山麓への旅行を残念でしたが急遽中止しました。幸いにも子どもの怪我も大事には至らず、ほっと胸をなでおろしたものでしたが旅行に出かけた仲間から、とにかく富士山の景色が素晴らしかったという話を聞くと私も無性に富士山の景色が見たくなりました。そこでインターネットで富士山が見える宿泊施設を検索したところ河口湖畔の“ホテルおおはし”を見つけました。空き部屋検索を続け、84日〜5日の1泊2日で空き部屋があることが分かったので夫のスケジュールが空いていることを確認して富士山が見える10畳の部屋の予約を入れました。

 

 宿の予約が取れたので今度は観光で見たい場所を検索しました。河口湖畔には沢山の美術館や観光場所がありますが、その中で“久保田一竹美術館”と“河口湖ミューズ館・与勇輝館”の2つは必ず訪れようと思いました。以前、“与勇輝館”は一度訪れたことがあり、展示されている人形たちの魅力が素晴らしかったのを覚えています。残りの観光は行き当たりばったりで行こうと思っていました。

 

 当日の運転は夫です。幕張の自宅から京葉高速・首都高速・中央高速を乗り継いで河口湖インターで降りると11時半になったので“もみじ亭”という湖畔のお食事処で昼食にしました。私は茸ほうとう膳を、夫は天婦羅そば膳をそれぞれ食べました。気温が暑い中で熱いほうとうを食べるのも中々のものでした。夫は外に出かけると昼食時は必ずビールかお酒を飲んでいますが、今日は運転手なので飲酒は我慢してもらいました。

 

 昼食を済ませ、“久保田一竹美術館”に向かいました。私も夫も初めて入る美術館でした。一竹さんは室町時代に流行っていた“辻が花”という染めものを現代に復活された方で10年ほど前に85歳で亡くなられています。日本は勿論のこと世界の各地で作品展が開かれており、美術館は河口湖畔に本館・新館・庭園が一体となって森のなかの傾斜地に静かに建っていました。本館に展示されている着物の形の作品群は素晴らしい色合いと気の遠くなるような絞り染めの手法を使っての数々に私は圧倒されっぱなしでした。夫もこれは凄い、と言いながら作品の一つひとつを丁寧に見ていました。

 

 次に“河口湖ミューズ館・与勇輝館”に行きました。以前に一度訪れていましたから再訪でした。前回とは展示されていた作品は違っていましたが、人形の一つひとつの表情や姿が生きているように感じられます。一緒に見ていた夫が、どうして人形は立っているのかなぁ、と聞いてきました。私は足に接着剤を着けているのじゃあないの、と答えましたが、夫は納得しませんでした。その謎が解けたのは展示されていた最後に黒柳徹子さんとの対談の一部が紹介されており、「人形は立たないと人形ではない」という勇輝さんの言葉であり、人形は置いておくだけで自分で自然に立っており震度5の揺れでも倒れることはない、という言葉でした。勇輝さんが一つひとつの人形を凄いバランスで作っていることを改めて感じました。入館する時にサービス券を提示したら綺麗な富士山の絵葉書を3枚いただきました。そのなかの1枚で朝焼けも見事な夜明けの富士山が自宅のトイレの中に飾られています。

 

カチカチ山天上公園の天上の鐘

 

 ホテルに行くにはまだ早い時刻でしたのでカチカチ山ロープウェイうさぎ号に乗って天上山公園に向かいました。展望台に上がると山頂に雲がかかった富士山がすぐそばに見えました。やはり富士山は大きいなぁと改めて感じました。裾野に広がる樹海と呼ばれている緑の森も広々としていました。たぬき茶屋で名物のたぬき団子をいただきましたが、私は2個食べただけでお腹がいっぱいになり残りは夫にあげました。ハート形をした天上の鐘を思いっきり打ちならし、下山はたぬき号で降りてきました。ロープウェイ乗り場にも駐車場があったのですが満車のため近くの河口湖駐車場に入れました。駐車料金が無料というのが良かったですね。偶然にも翌日に河口湖湖上祭が開催されるため駐車場係員が翌日の道路規制・駐車場規制時間帯のチラシを配布していました。

 

 ホテルの部屋に通され窓にかかったカーテンを開けると正面に富士山がありました。実に立派な姿だと思いました。夕食に天婦羅が出ました。癖のない美味しい天婦羅でした。私は初めて食べる感触と味でしたので夫にこの天婦羅は何か分かる?と聞くと、夫は鮎だと思う、と答えたのでボーイさんに天婦羅の材料を聞きました。ボーイさんが厨房に行って確かめてきた答えは鮎でした。さすが夫の答えは正解でした。夫は3枚におろした鮎の天婦羅は初めて食べたが、以前に小鮎の素揚げを食べたことがあるのでその味だった、とのことでした。タラバガニや和牛の鉄板焼き、ほうとうなど食べきれないほどの食事でした。それらをビールと地酒を飲みながら堪能しました。食事後にホテルの屋上から湖上祭の前夜祭としての打ち上げ花火が20分見られました。2日前に千葉市花火大会で満天に咲く打ち上げ花火を見上げましたが、何度見ても夏の花火は素晴らしいと思いました。

 

 翌日は富士スバルラインに乗り入れて5合目まで行こうと話していたのですが、あいにく7月10日〜8月31日までの期間はマイカー規制のため行けませんでした。予定を変更し夫がホテルのフロントで見つけて来た観光案内パンフレットやサービス券を使って、西湖こうもり穴、西湖いやしの里・根湯、富岳風穴、鳴沢道の駅・なるさわ富士山博物館、赤富士ワインセラーを見て回ることにしました。私はこうもり穴や富岳風穴などの富士山の火山活動によって出来あがった洞窟に入るのは初めてでした。空気がひんやりとし半袖では肌寒い温度でした。こうもり穴は天井が低いので頭をぶつけた時に怪我をしないようにヘルメットを被っての洞窟見学でした。

 

西湖こうもり穴