不二洞にもぐって

 

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頭にヘッドランプをつけて探検気分(閻魔の金剛杖)

 

 関東一の規模の鍾乳洞が群馬県上野村にあるという新聞記事を読み、どんな規模なのか確かめるべく出かけてみた。新聞記事のアクセス案内は上信越自動車道下仁田ICから車で40分と書かれていた。幕張から向かうと車のナビは関越自動車道の花園ICから299号線のルートを案内していたが、40年ほど前に埼玉県秩父から長野県佐久に抜けた時に走った299号線はひどい道路だったのを思い出し、ナビ通りには走らずに下仁田ICまで行ってから不二洞に向かった。花園で降りても下仁田で降りてもナビの現地到着予定時刻はさほど変わりはなかった。

 

 川和自然公園内にある不二洞の入口売店で大人800円の入場料金を払って野鳥の森を10分ほど登って行くと不二洞の入口があった。入口を入ると鍾乳洞の入り口まで更に登りのトンネルで、そこから螺旋階段で更に150段ほど登っていくという具合だった。鍾乳洞の中は鍾乳石、石筍などの形により「三途の川」「雲上の景」「五色の雲」「閻魔の金剛杖」「灯の柱」「五百羅漢」「賽ノ河原」「六地蔵」「針の山」など仏教にちなんだ名前が付けられ、観光客が近づいたことを検知するとLED照明が燈り、案内の説明テープが聞こえてくるシステムだった。それぞれ名がついたポイントでは赤、青、緑、紫などのけばけばしい光によりショーアップを図っていたが、自然そのままを見せて観光客自身にイメージを膨らませてもらったほうがいいのではないかと思われた。

 

 不二洞発見の経緯については案内板に次のように書かれていた。「今から1200年前、不二洞がある大福寿山のあたりはさまざまな獣が住んでいた。ある日村人が猿たちが集まり騒いでいるので不思議に思い、近寄ってみると、そこに小さな穴が開いていた。こうして不二洞が発見された。云々・・・・」と続き、不二洞という名前が付けられた由来まで説明されていた。

 

 私は妻と娘の3人で洞内を見学したのだが、私たちのほかにも親子連れや家族の見学者数組が鍾乳洞の中に入っていた。鍾乳洞の長さは2.2kmなのだが、現在見学コースとして整備され電燈が点いているのは600mで、ゆっくり見て回ると所要時間は1時間ほどだった。2年前に沖縄の石垣島で鍾乳洞に入ったが、その時に比べると石垣島の洞内のほうが横の空間が広かったように感じた。鍾乳洞は何百万年という年月の経過で雨水の浸食で徐々に出来上がってきたという結果を知るにつけ人間に命の短さに比べると悠久ともいえる自然の営みの凄さを感じた。

 

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歩行者専用吊り橋「天空回廊=上野スカイブリッジ」

 

 不二洞を出ると隣に架かっている「天空回廊=上野スカイブリッジ」を歩いて「まほーばの森」に向かった。スカイブリッジは長さ250m高さ90mの歩行者専用の吊り橋で、緑に覆われた周りの山々の展望や足元に見える集落が見渡せた。橋上の2か所から定期的に30分ごとにシャボン玉が吹き出し、ゆったりと空に舞っている光景は心なごませるものだった。まほーばの森はキャンプ場で、数組がバーベキューを楽しんでいた。私たちはレストランに入って猪豚ホットドックなどの軽食を摂った。

 

 軽食後は上野村村営の「浜平温泉・しおじの湯」に向かった。以前は浜平鉱泉として営業していたが一旦閉店し、今年3月にリニューアルオープンしたばかりなので施設が新しく気持ちがよかった。温泉の成分も癖のない無色透明は単純温泉だった。温泉水が飲めるので飲んでみると若干酸っぱいような味がした。入浴後は柿ピーを肴に缶ビールだった。イワナの塩焼きや蕎麦が食べたかったが残念ながら14時で食事メニューは終了していた。雨が降っていたが、いい休日だった。

 

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