第2回環境社会検定試験に合格

 

環境社会検定試験合格証

 

 今年の4月のことでした。環境社会検定試験が実施された、という記事をインターネットで見つけ、なんだろうと覗いてみると東京商工会議所が主催する全国規模のECO試験で、第1回試験が2006年10月15日に実施されたとのことでした。年2回の実施予定とのことなので、早速、職場の近くの書店に出向き公式テキストと問題集を買い求め、2007年7月15日の第2回試験に向けて本を読み出しました。受験準備は1ヶ月で整いました。公式テキストの目次は以下のようになっています。

【公式テキスト 目次】
 1.持続可能な社会に向けて
 2.地球人としてのわたしたち
   1)わたしたちの地球と自然環境
   2)環境問題の実態
 3.環境と経済・社会
   1)環境をめぐる世界の動き
   2)環境と社会
   3)環境と経営
   4)環境と商品
 4.わたしたちの暮らしと環境
   1)個人の暮らしと環境問題
   2)豊かな食事と環境の関係
   3)自然と共生した住環境
   4)暮らしの中の水
   5)暮らしの中の廃棄物
   6)日常生活の中でわたしたちができる環境貢献
   7)社会と環境
 5.環境と共生するために  
 
 テキストの文章は初めて目にする言葉も沢山ありました。この中で当然なことながら国際的な動きの中における日本の立場を明らかにしつつ、私たち個人の立場としては環境問題をどのように捕らえ、どのように行動していったらよいのか、を考えさせる内容で、いろいろなことを教えられました。

 私は第2回検定試験を船橋商工会議所の試験会場で受験しましたが、3階の広い試験会場は受験生で一杯でした。私は2時間の試験時間内で全問を回答し30分を残して退出しましたが、私と同じように時間内に退出する人はおらず、みな真剣に問題に取組んでいました。検定試験は入学試験などの順位合格とは異なり、一定基準を超えるレベル合格なので合格基準の70点をクリア出来たろうというのが試験を終えたときの感触でした。その感触の通り、夏山を縦走して家に帰ってきた8月下旬に合格通知が郵送されてきました。合格証と同時に今回の第2回試験の全国結果が印刷されていました。
受験者:10,942(人)、 実受験者: 9,817(人)、合格者: 5,059(人)、合格率: 51.5(%)

ECO People行動指針

 

私たちが住んでいる地球上は、さまざまな環境問題が発生しており新聞テレビをはじめとするマスコミも連日警鐘を鳴らしています。警鐘を鳴らしてはいますが住んでいる人間はその重大さに鈍感です。現在、言われている9大地球環境問題とは、地球温暖化、砂漠化、オゾン層破壊、海洋汚染、酸性雨、有害化学物質の越境問題、野生生物種の減少、開発途上国の環境問題、森林の減少、とされています。今から20年前の1980年代後半から盛んに社会問題として地球規模の環境破壊がことあるごとに指摘されてきました。環境問題は公害問題のように原因が特定しやすく問題が局所的なものと異なり、私たちの生活や社会活動と密接に関わりあっており、私たちの生活そのものが地球の環境に影響し続けているという点が重大です。

 

9大地球環境問題の一つである「地球温暖化防止京都会議」が開かれたのは今から10年前の1997年のことでした。先進国間で二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの削減を決め、来年・2008年から2012年の5年間で1990年を基準年として日本は14%削減しなければなりません。そういう約束を京都議定書で行いました。ですから「チーム・マイナス6%」「クール・ビズ」「ウォーム・ビズ」などが提唱され、目標達成に向けては個人個人の生活レベルでもう一度、なにをしなければならないのかを振り返ってみることが必要だと思います。

 

Think Globally、Act Locally」という有名な言葉があります。意味は「地球規模で問題を考え、足元から行動しよう」というものです。問題に気がついた人が、始めの一歩として自分に出来ることから始めることです。別に難しいことではないと思います。自分の生活の中から無駄のエネルギー消費を無くしていくことです。例えば、使用電気量の減少として、空き部屋の電気を消す、見ていないテレビは消す、冷房温度を下げすぎない、扇風機を効果的に使う、冷蔵庫の中身を整理する、温度に合った服装、等々・・。また、近くの外出には自動車の使用を控えて自転車で出かける、私も実践していますがスーパーへの買い物にはマイバックを持参する、手洗い使用後はハンカチを使用しエアータオルは使わない、使用済みの食用油を下水に流さない、ゴミは分別し資源として再利用する、風呂水は洗濯水として再利用する、新聞チラシの裏面をメモ帳に使う、等々、個人で出来ることを数えはじめたら無数に出てきます。

 

A4版・205P・価格:2500円

 

日本人の生活に昔からあった「もったいない」という、「むやみにものを粗末にしない、無駄にしない」という考えが、高度経済成長・大量消費の時代に忘れ去られてしまったのを、アフリカ・ケニア出身の環境保護活動家であり、2004年に環境分野で初めてノーベル平和賞を受賞したワンガリ・マータイさんが「もったいない」という日本語の意味を知り、日本人が昔持っていた「もったいない」の考え方こそ、環境問題を考えるにふさわしい精神として感銘したといいます。彼女はその後、2005年3月には国連女性地位委員会を始めとして、あらゆる場所でこの言葉を世界的に広めようとしています。マータイさんが唱える「もったいない精神」は、本来、日本人が「もったいない」で感じる負のイメージを変えて、人や物、生物、自然、平和をうやまい、「Reduce:リデュース・発生抑制」「Reuse:リユース・再使用」「Recycle:リサイクル・再生利用」を心掛け無駄のない暮らしをしましょう、という考え方に基づく3R運動や環境保護、平和運動の実践理念として正のイメージにとらえています。「MOTTAINAI」は現在、日本の国家キャンペーンになっていますが、日本人が外国人によって日本人の昔の良い考えを教えられた形となった例です。MOTTAINAI」というフレーズは、限りある資源の有効利用の視点からも世界的な注目を浴びるようになっています。

 

砂漠化の問題も重要です。沙漠化は気温上昇等の天候変化の自然的要因と、家畜の過放牧・過伐採・過耕作による人的要因がありますが、私は中国奥地の内モンゴル地域に2回植樹ボランティアに出かけました。砂漠に樹を植えることによって緑を復元し、少しでも沙漠化を止めようとする行動ですが、その記録はホームページの別項に載せてあります。世界では毎年毎年、日本の九州と四国を合わせた面積に匹敵する600万ヘクタールが沙漠化されているのが現実であり、その地域に住んでいる人たちにとっては死活問題です。植樹によって緑を取り戻すことと同時に人的要因を除去する国家的施策が必要です。また同時に自然要因に対応するために地球温暖化対策が必要となってきています。私の些細な植樹ボランティア経験は環境問題を考える一つの契機となりました。中国のゴビ砂漠から舞い上がる微小な砂は西からの偏西風に乗って日本に黄砂となって降ってきます。それが気管支炎をはじめとする呼吸器系疾患のある人たちには悪影響を与えますし、洗濯等の日常生活にも支障が出ています。ますますその頻度は多くなっています。

 

 環境社会問題は企業の社会的責任を現すCSR運動やCSR報告書とも関連し、これからの社会に必要となるテーマです。『環境社会検定試験』は、そのような状況のもとに出発した検定試験なので、今、何が問題になっているのかを理解する意味でも1個人として勉強する価値のあるテーマだと思います。公式テキストは東京商工会議所編著『環境社会検定試験・eco検定公式テキスト』というA4版205ページのもので価格は2500円です。

 

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