道東を撮るー9、オオハクチョウに出会って

 

湯けむりの中のオオハクチョウ

 

レポートの9回目は「オオハクチョウに出会って」です。

 

白鳥は 悲しからずや 空の青 海の青にも 染まずただよう

 

若山牧水のものですが、オオハクチョウに出会ったのは2度でした。

 

1回目は根室市の風連湖でした。風連湖でオオワシやオジロワシなどの観察・撮影をした後に春国岱というラムサール条約に登録されている湿地に向かいました。湿地と言っても夏ならば広々とした砂州や砂丘が拡がっているのでしょうが、冬なので平らな雪原が拡がっていました。

 

風連湖はオホーツク海につながる汽水湖で、周りを湿原、森林、砂丘などの自然豊かな環境に囲まれており、その一部に春国岱が位置しています。アカエゾマツの原生林は海水の浸水によって立ち枯れ状態が拡がっていました。その中で凍結した氷の一部が融けて川筋になった場所があり、そこに10数羽のオオハクチョウがいて、見張り役の1羽の他は長い首を背中に回し、身体を丸め頭を翼の中に埋めてて休んでいました。

 

2回目は弟子屈町の屈斜路湖でした。屈斜路湖畔にコタン温泉というのがあり、冬でも露天風呂に入れます。全面凍結した湖面を眺めながら氷点下−10という気温の中で温泉に入るというのは中々勇気がいると思いますが、その温泉が流れ出した場所だけ氷が融けて池のようになっていました。

 

その池に50羽ほどのオオハクチョウが、あたかも温泉に入っているように湯けむりの中に佇んでいました。観光客にとっても間近にオオハクチョウを察できるのでラッキーですが、オオハクチョウにとっても温かい温泉に入れてラッキーだと思いました。

 

フロストフラワー(霜の華)

 

雪をかぶった山々は白く輝き、湖面には温度差によって発生した水蒸気が凍って湖面に結晶されたものがフロストフラワー(霜の華)と呼ばれており、ギザギザの結晶が日光に照らされ7色に輝き、まるで宝石を見ているようでした。

 

露天風呂には3人の男性客が入浴しており、凍結した屈斜路湖とゆったりしたオオハクチョウを眺めながら、満足満足のような会話が聞こえてきました。時間に余裕があったならば−10の中での露天風呂もいいかな、と思いました。

 

屈斜路湖でオオハクチョウを撮影していた際、雪道が少し斜めになり凍っていた場所がありました。こんな場所で滑るはずがない、という油断でした。スリップし転倒しました。左手に望遠レンズ付きカメラを持っていたため、カメラを落として壊さないためと頭を打たないように右膝に無理な体勢で転がり、右膝の筋を痛めました。まいったなぁ、という感じでした。

 

帰宅後、整形外科を受診し、骨と靭帯には異状ないことが分かっていますが、転倒から15日ほど経っても痛みはまだ残っています。徐々に回復に向かっていると感じていますが、どこに危険個所が潜んでいるか分からないことを思い知らされました。また、加齢とともに危険予知能力が鈍ってきたのかな、とも思いました。

 

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