道東を撮るー7、エゾフクロウに出会って

 

エゾフクロウの夫婦

 

レポートの6回目は「エゾフクロウに出会って」です。

 

鶴居村でタンチョウヅルの観察・撮影をしたあと、釧路湿原の東側に沿って走るJR北海道・釧網本線に冬季限定で「SL冬の湿原号」が特別運行されるというので塘路駅へ見学と撮影に向かいました。塘路駅からは白銀に輝く雌阿寒岳と阿寒富士が美しく望めました。

 

雪の中を走る蒸気機関車

 

12時を過ぎるころC11機関車が白や黒の煙を噴き上げながらやって来ました。久しぶりに目の前で見た蒸気機関車でした。塘路駅は乗客の乗り降りが行われるためにしばらく停車しており、雪の中を走るSLは美しいと思いました。

 

私が育ったのは群馬県碓氷郡松井田町です。信越線の高崎〜軽井沢間で益子焼の器の「峠の釜飯」で有名な横川駅の手前で、小学生の時までSLが走っていて、土手の上から見下ろすと、煙突からもくもく逞しく煙を吐き出しているのを覚えています。

 

SLを見たあと、ねぐらに帰るタンチョウヅルの観察・撮影までに時間的な余裕が出来たので、エゾフクロウを見ることにしました。エゾフクロウは絶滅危惧種のシマフクロウと違って、北海道では普通に見ることが出来るとのことでした。−24の中でタンチョウヅルの飛び立つ姿を待っていた時に隣のカメラマンと話しましたが、彼はエゾフクロウの巣を11ヵ所知っていると言っておりました。

 

幹線道路から林の中の雪道を5分ほど歩くと川沿いに立っている木の洞に2匹のエゾフクロウが仲良く並んで見えました。洞は5m程の高さで、私たちとの距離は川を挟んで15m程でしたが、時たま薄目を開ける他は私たちを全く無視するかのように目をつぶっていました。

 

阿寒富士と雌阿寒岳

 

私は高校生の時にアオバズクというフクロウを飼ったことがあります。隣の家の欅の大木の洞に毎年夏鳥として渡ってきて子育てをしていました。生まれた子どもが大きくなっただろうと思ったころに梯子を掛けて登っていき3匹の子フクロウを持ち帰りました。全身真っ白な産毛をまとっており、眼は真ん丸の黄色で瞳は青。ぬいぐるみのように可愛い姿でした。

 

私たち3人の悪ガキは1羽ずつ分けて飼育することにしました。餌はネズミやヘビを捕まえることが出来ないので、蝉やミミズを捕ってきて育てていましたが、8月下旬で夏休みが終わり学校に通学することになり、夜になってアオバズクを放したのですが、明るいところで育てていたため電灯のほうに飛んで行ってしまいます。翌日昼間に竹林に放したのですが、その後は姿を見ることはありませんでした。今になって思えば可哀そうなことをしたと思っています。