道東を撮るー3、オオワシに出会って
大空を舞うオオワシ
レポートの3回目は「オオワシに出会って」です。
オオワシはオホーツク海沿岸で繁殖し、日本には冬鳥として渡って来て、翼を拡げると230cmにもなり、日本に棲息する野鳥の中では最大の鳥です。大きな黄色の嘴、両肩と尾羽はシロ、残りは黒というシンプルな色合いで、北海道の東部では大きな木の枝に止まっている姿をみることが出来ます。
今回、オオワシを間近で見るチャンスが2度ありました。
1回目はオホーツクからやってきた流氷を見るためのクルーズ船乗船時、2回目は風連湖で氷結した湖面に餌をまく時でした。
クルーズ船の乗船前日に羅臼に着き、町の北側の展望台に登ると、国後島は手の届く近さで見られます。羅臼は40年ぶりでした。
日の出の1時間前にクルーズ船は港から離れ、流氷まで5分とのことでしたが、港から目と鼻の先にあった流氷が夜のうちに消えたので、しばらく流氷探しでした。途中は漁師たちが使っている無線での会話が操縦席に流れているので興味深く聞いていました。
6時32分に日の出の太陽が国後島の背後から輝きだしました。日の出の空の色は薄い青色、薄い黄色、輝く橙色、輝く黄色へと徐々にグラデーションが変わっていくのは何度見ても美しい景色です。
明るくなったのでクルーズ船は流氷の割れ目から流氷の中へと進みましたが、奥まで進むと流氷の中に閉じ込めれれてしまうので、端から20m〜30mほどの所で停船しました。船が停止すると乗組員が冷凍ニシンを大量に冷凍庫から出して流氷上に投げています。この魚を狙ってカモメが現れ、次にオジロワシやオオワシが次々に現れました。
国後島の背後から太陽が登った
クルーズ船には船長、機関士、乗組員2人の4人が乗っていましたが、乗組員の2人はいずれも20代の女性でした。1人は音大を卒業したのですが、羅臼で出会ったイルカに魅せられ、羅臼に移住してクルーズ船に乗っているとのことでした。もう1人は小学校時は野球に熱中し、中学高校時はソフトボールに熱中した野球少女でしたが、やはり羅臼に移住しクルーズ船に乗っているとのことで、昔取った杵柄でニシンを投げるフォームが美しく、彼女の投げるフォームを見るためにクルーズ船に乗りにくる観光客もいて、地元では有名人とのことでした。
間近で見るオオワシやオジロワシの眼は鋭く迫力いっぱいでした。オオワシは身体が大きすぎ体重が重いため、どっこいしょ、という感じで動作はゆったりしており、餌のニシンを奪い合うようなことは
しませんでしたが、オジロワシのほうはあちこちでニシンの争奪戦を繰り広げていました。6時間ほどのクルーズを終えて羅臼港に戻ると港湾内にシノリガモの雄が泳いでいました。美しい鴨でした。
2回目は風連湖の民宿に泊まった翌朝に出会いました。ここでもオオワシはゆったりとした動きで、餌の争奪戦にはあまり参加しませんでしたが、オオワシが登場するとカラスやトビは脇に避け、餌をオオワシに譲っていました。
威風堂々としたオオワシは鷲の王者という印象を受けました。特に大空を舞う姿は実に見事です。
流氷に舞い降りるオオワシ