道東を撮るー2、シマフクロウに出会って

 

獲物を掴んで飛び立つシマフクロウ

 

レポートの2回目は「シマフクロウに出会って」です。

 

私が今回の「冬の道東を撮る」という野生動物の観察・撮影旅行に参加しようと思ったのは、チベット側からエベレストの山頂を望む山旅ツアーに一緒に参加したメンバーが、メールで送ってくれたシマフクロウの写真からでした。

 

私は日本野鳥の会の本部会員に登録していて、機関誌の『野鳥』で度々絶滅危惧種のシマフクロウやタンチョウヅルの記事を読んでいましたが、メールで送られてきたシマフクロウの写真を見た時に、シマフクロウを自分の眼で見なければならない、と感じ今回のツアーに申込し込みました。

 

ですから、今回の旅で一番出会いたかったのは天然記念物で絶滅危惧種に指定されているシマフクロウでした。フクロウの仲間では日本最大です。出会えるチャンスは2晩ありました。1晩目は羅臼の「民宿・鷲の宿」、2晩目は養老牛温泉の「湯宿だいいち」でした。

 

鷲の宿では、宿の前を流れ、冬でも凍らないチトライ川の流れの中に直径90cmほどの池が作られて、生餌のヤマメやオショロコマが30匹ほど入れてあります。宿の部屋から25m30mの距離でフラッシュ無しで夜間撮影できるように照明が点けられていました。

 

山中の巣から何時飛んでくるか分からないシマフクロウを18時から部屋でジッと待っていると、2016分に最初のシマフクロウが左側から舞い降りました。全く羽音をたたせずにフワッと舞い降り、池の中に入って魚を捕まえようとしていましたが、捕まえることが出来ずに4分後に左側に飛び去りました。事前情報では右側から飛来するはずでしたが反対側でしたのでビックリしました。その後、23時まで待機しましたがシマフクロウは現れませんでした。

 

獲物を確保したシマフクロウ

 

3時間ほど仮眠し、夜中の2時前から観察体制に入ると、223分に2回目が右側から飛来しました。魚を捕えながら5分間滞在し右側に飛び去りました。3回目は342分に飛来しましたが、駐車場に車が入ってきたので2分間で去り、最後の4回目は347分に舞い降り、6分間で右側の森に飛び去りました。一晩で絶滅危惧種のシマフクロウに4回も出会えて満足満足の夜でした。

 

シマフクロウの大きさは体長が70cmほどで、翼長は180cmくらいです。距離は離れていましたがシマフクロウの大きさが実感でき、翼を羽ばたく時は積もった雪に映えて美しい縞模様を見ることが出来ました。

 

次にシマフクロウに出会ったのは養老牛温泉の「湯宿だいいち」でした。ここはフロント脇のロビーからガラス窓越しに3m程の近さで見られました。1回目は1815分で夕食中だったためカメラの用意をしておらず、肉眼で観察しましたが後ろ姿でした。

 

夜中の2時からロビーで待機していると2回目は5時過ぎに舞い降りました。しかし、カメラのシャッタースピード設定がずれており、折角のチャンスをものにすることが出来ませんでした。誠に残念でしたがシマフクロウのダイナミックな姿を間近に観察できただけでも満足としなければならない、と思い直し、次回訪れるときの教訓としました。