出会い率は3割3分3厘
見つめるアオジのメス
1月12日 金曜日 晴れ
12月下旬にネットで予約していた一人用テントが届いたので、庭で組み立てて寝てみた。寝袋を2重にし上下のダウンを着込んで防寒対策を充分にしたため寒さは感じなかったが、山のなかとは違い車の音が途切れることがなかったので、安眠とまではいかなかった。朝方は冷え込みテント内の温度は2℃、湿度は100%で結露が見られた。今年はこのテントを担いで山のなかに入っていく予定である。
季節外れのバラが咲いていた
今回もキンカンを両ポケットにいっぱい詰めて、花島公園まで花見川沿いのバードウォッチングのスタートだった。気温は5℃と冷え込んでいたので、ネパールトレッキングに出かけた時に買ってきたヒマラヤンフォックスの毛皮の帽子をかぶった。耳まで毛皮で覆われるので暖かい。今回出会いたい野鳥は、アオジ、クロジ、アトリの3種類である。
まるまると膨らんだ「福良雀(ふくらすずめ)」
年の初めなので縁起物の「福良雀(ふくらすずめ)」の撮影からスタートした。寒さが増す大寒のころに、寒さから身を守るために羽毛を逆立てて空気の層を作り、まんまるになっているスズメのことを福良雀と呼び、俳句では冬の季語となっている。今の季節にはスズメは群れを作って生活し、アシ原や草はらで餌を探している姿が見られる。
草の実を探すムクドリ
年を重ねてくると背筋が衰えてきて、歩く時の姿勢が前かがみになりやすいので、骨盤の上に背骨をまっすぐ置くように心がけながら歩いている。漫然と歩いていると少しずつ前かがみになってしまうので注意したいところだ。ヒヨドリの元気な声が響き渡っていた。3羽のムクドリが畦で食事をしており、草の実を探して食べているようだった。ムクドリは雑食性なので昆虫やミミズ、
時にはトカゲなども捕獲して食べることがある。
膨らんできたウメの蕾
花見川の土手には白いスイセンが一斉に咲き出し、ウメの蕾もずいぶん膨らんできた。川沿いのウメの木は川面を渡ってくる風が冷たいために花を開かせるのが遅くなるのだが、それでも1月中旬ともなると蕾が赤みを帯びてきて、あと半月もすれば白い花が顔を出すだろう。
悠々と泳ぐハジロカイツブリ
4羽のコガモが川面に浮かびながら、川の流れとは反対方向に進んでいく。のんびりと頭を翼の中に隠して眠っているように見えるが、水面の下では水かきを一生懸命動かしているのだ。世の中には裏面では激しく動いているが、表面では何事もないように見えることが多々あるものだ。
鳴き叫ぶツグミ
ピラカンサの実を狙ったのだろうか、ツグミがアシのなかに舞い降りた。近寄っていくとピラカンサではなく、田んぼの畔で餌を探していた。しばらく観察していると、草むらからミミズを引きずり出して食べていた。カメラで狙いながら5mほどの距離まで近づいても逃げようとはしなかった。渡ってきたばかりは群れていたツグミだが、最近は1羽ずつに分かれて単独行動になっている。
ビワの白い花が咲き出した
ビワの白い花が咲きだした。房州はビワの名産地である。私はビワの甘い味が大好きだが、種が大きいために食べるところが少なく、値段が高いのが難点である。河川敷のビワは熟しても実が小さいために、それを採っていく人は少ない。
潜水を繰り返すキンクロハジロ
5羽のキンクロハジロが潜水を繰り返していた。ハジロ類は貝などを主食とするため、川底まで潜って貝を探すのだが、なかなか見つけるのは難しいようで殆ど空振りだった。
8羽のコガモが水草のふちで休憩していた。頭を翼の中に隠しているが、物音がするとすぐに目を開き周囲を見渡す。寝ているようで寝ていないのだ。いつ猛禽類に襲われるとも限らないので、常に警戒心を持ち続けている。警戒心が薄れると死が迫ってくる。
歩道に落ちた草の実を食べるアオジのメス
2羽のアオジがササ薮と歩道の間を出はいりしながら草の実を探しているようだった。私が5mほどの距離に近づいても逃げずに、草の実を探しながらも私に注意を向けているのが分かった。私が進めばアオジも先に移動し、私との距離を取りながら草の実を探していた。アオジも夏の間は標高の高い場所に移動して子育てをし、冬になると暖かな標高の低い場所に移動してくる。
水を飲みにきたヤマガラ
9時から歩き始めて野鳥を探しながら神場公園の水場までやってきた。12時までの3時間で歩いた距離は6.5km、歩数は9668歩だった。水場のベンチで30分ほど休憩すると、すぐにヤマガラとシジュウカラがやってきた。次にやってきたのはメジロだった。
翼の鱗模様が美しいキジバト
神場公園の入口には野猫の世話をしている人たちが集まって情報交換をしていた。その脇を通りバードウォッチングを再開し花島公園に向かった。花島橋を渡って野鳥観察場所に着くと、ひとりのバードウォッチャーがいたが10分ほどで帰っていった。そのあとにふたり連れがやってきたが、30分ほどで帰っていった。私は1時間待ってみたが、ヒヨドリ、シジュウカラ、エナガ、キジバトはやってきたが、クロジや青い鳥(ルリビタキ)は姿を現さなかった。14時30分でバードウォッチングを終えた。今回歩いた距離は10.3km、歩数は15355歩だった。
いつも元気な嫌われ者のヒヨドリ
今日出会った野鳥は、スズメ、ヒヨドリ、キジバト、ムクドリ、ツグミ、シメ、カワウ、オオバン、ドバト、シジュウカラ、アオジ、アオサギ、ウグイス、ハシボソガラス、キンクロハジロ、モズ、バン、ハジロカイツブリ、コサギ、ヤマガラ、メジロ、ハシブトガラス、カワセミ、エナガ、ハクセキレイ、カルガモの26種類だった。出会いたいと想っていた3種類のうちアオジには出会えたが、クロジやアトリには出会えなかったので、出会い率は3割3分3厘だった。色合いが美しいアトリには4〜5年出会えていない。