大、30才の君へ
大、30才の誕生日おめでとう。
高校1年の16歳の時からボクシングを始め、足掛け15年目を迎えます。君の人生の約半分をストイックなボクシング生活を送っていることになります。特に昨年から今年にかけての1年間は君にとっても試練の年であったと父さんは感じています。
昨年の4月10日の試合で日本フェザー級11位の河野洋祐選手に判定勝ちはしたものの2度目の右目網膜剥離となり、緊急手術を六本木の深作眼科で行いました。父さんが手術前後の立ち合いをしましたが、やっと2度目のタイトルマッチが手の届くところにありましたが、右目を手術することにより日本フェザーク級タイトルマッチは流れてしまいました。この右目の手術による君の精神的な打撃はとても大きなものだったことでしょう。しかし、出来てしまったことをあれこれ悩んでも仕方がないことで、全ては過去のことであり元には戻ってはこないので、あまりくよくよ考えずプラス思考で対処する以外に前に進むことが出来ません。
手術後の安静期間を経て徐々にトレーニングを再開し、4月の試合から8か月経過した12月20日の日本ライト級6位のスパイシー松下選手との日本ランカー同士の戦いは、君にとって手術後の復帰戦でしたから精神的にも厳しかったと思います。その厳しさを乗り越えて判定勝ちを収めました。父さんはオーロラ観光のためアイスランドへ出かけていましたが、君の勝利はフィンランドのヘルシンキ空港で知りました。帰宅後に契約しているインターネットのボクシングサイトで君の試合内容を見ましたが、安定的な試合運びで君の完勝でした。
2019年2月現在、君は日本フェザー級4位に位置しています。5月1日に日本フェザー級タイトルマッチが行われますから、その勝者に対してタイトルマッチを申し込むことでしょう。そしてその試合に勝利し念願のベルトを腰に巻くのを父さんは期待しています。君のボクシング人生もそう長くはない年となってきています。一日一日のトレーニングを充実したものとし、タイトルマッチで勝つことを目標に掲げ頑張ってください。父さんはこれまで通り君を応援しています。
これで父さんからの30通目の手紙を終わりにします。
2019年2月7日