大、28歳の君へ
2017年へ ジャンプ
君は10年前の2006年9月11日に高校生プロボクサーとして後楽園ホールでデビューしました。それから10年になります。長いようで短い10年でした。アマチュア経験のない君がボクシングの世界に自ら飛び込み、怪我や移籍など紆余曲折の10年でしたが、主だったことを拾いあげてみました。
・2006年09月11日、プロデビュー4回戦判定勝利
・2009年10月28日、5R-TKO勝ちで月間新鋭賞受賞
・2010年11月26日、8R判定勝ちで2度目の月間新鋭賞受賞
・2011年10月24日、三谷ジムから三迫ジムへ移籍
・2012年02月19日、WBCユースシルバーフェザー級タイトル獲得(マニラ)
・2012年05月06日、ロサンゼルス合宿
・2015年08月10日、OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王座決定戦敗退
・2015年11月09日、右目網膜剥離手術
・2016年06月09日、復帰戦3R-KO勝利
という10年でした。
君はプロボクサーになった17歳当時は、25歳で日本チャンピオン、28歳で世界チャンピオン、という夢を語っていました。父さんは、リングサイドで君の戦う姿を10年間見続けてきました。その10年間は、引っ込み思案で気弱な君が自らの夢に向かって進んでいく姿を後ろから見守っている10年でした。
現在、君は28歳。プロ戦績は25戦20勝4敗1分です。プロボクサーは昔と違って健康管理面や栄養面が充実した関係で、30代半ばまで戦っている選手もいますが、精神的肉体的に最も厳しいスポーツであるボクシングは10代、20代のスポーツだと思います。君は酒は一切口にしない、煙草も吸わないなどストイックな生活を続ける中で夢を追い続けていますが、客観的に考えて、君がプロボクサーとして最良の状態で戦う時間はそう長くはないと父さんは思います。
2017年1月31日 プロ第25戦 8ラウンド判定勝利
君は2016年年末は31日までトレーニングを続け、2017年年始は1月2日からスタートしましたので、休みは元日のみでした。そして、新年早々、今年こそは絶対にチャンピオンベルトを獲る、と言葉で言っておりましたので気合が入っています。
君はプロボクサーとしてスタートした当時の夢の実現に向けて進んでいます。予定したタイムスケジュールよりも進む速度は遅いですが、君のペースで一歩一歩を確実に進んでいるように感じますし、君の好きな言葉である「努力に勝る天才なし」を地でいっている感じを受けます。
父さんはこれからも君の試合のたびに大きな怪我をしないように、と願いながらも後楽園ホールまで通うことになりますが、全力で戦う君の応援をしていこうと思っています。
これで父さんからの28通目の手紙を終わりにします。
2017年2月7日