大、21才の君へ

 

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東日本ボクシング協会2009年10月度月間新鋭賞受賞

 

大、21歳の誕生日おめでとう。
 昨年3月に千葉調理師専門学校国際科2年を卒業し、4月から千葉市中央区の住宅街にある「ラーメンの柵柵」という中華料理店にアルバイトで働き出しました。「柵柵」の社長は千葉県でも最も古くから中華料理を初めた方で若いときに数名で中華料理の修行に中国に行かれたとのことで千葉県内の中華料理業界では一目置かれている方とのことです。本来「柵柵」はアルバイトを採用しないのですが今回縁があり君が初めてのアルバイトとして月曜日から土曜日の5日間10時から15時まで働いています。君は社長を始め厨房の料理人の方たちともすぐに溶け込み毎日が楽しいと言っていました。

 1週間のうち休みは日曜日だけという立ち通しの労働形態は若い君であっても相当厳しいようです。働き出した当初は「足が疲れる」と愚痴をこぼしていましたが、立ち通しの労働形態は足腰を強化するボクシングの練習の一つと前向き考えていたほうが良いのではないか、とアドバイスしたこともありました。夏を越す頃からは肉体的な厳しさで愚痴を言うのはなくなったようでした。年をとってから身体を鍛えようと思っても遅いですから、ま・若いうちなので身体は鍛えておいたほうが良いのです。身体が丈夫だということが社会人として生活していくうえで最も重要だと父さんは考えています。

 君は時たま家でも見たこともないような調味料をスーパーで買ってきて手早く料理を作ることがあります。色々な料理を作ってくれますがいずれも美味い料理です。父さんの味覚から言うと君の作る料理の味は濃い目です。それは君が連日のボクシング練習と調理人という2足の草鞋を履く肉体労働量が多いために塩目の多い濃い味を身体が要求しているのだろうと思います。


0910dai-21 昨年君はボクシングの東日本新人王戦に一昨年に続いて2回目の出場をしましたが順々決勝戦で残念ながら4ラウンド判定負けに終わりました。新人王獲得を期待していただけに父さんもガッカリしましたが、一番精神的にこたえたのは君自身だと思います。父さんは負けた試合後の選手控え室で君を敢て叱咤激励しました。君にとっては厳しい言葉だったと思いますが、勝った時よりも負けたときのほうが重要なので、ここで負けてたまるか、という反骨精神を持っていけるかどうかがポイントだと思ったのです。

 

君は2ヵ月後の再起戦で見事に5ラウンドTKO勝利し、おまけにその戦いによって東日本ボクシング協会から10月度月間新鋭賞という賞を贈られ11月13日の父さんの誕生日に後楽園ホールで内山東洋太平洋スーパーフェザー級チャンピオンと一緒のリング上で表彰されました。リング上で内山選手とひとことふたこと言葉を交わした印象を君は、「チャンピオンはとても言葉が丁寧で控えめな素晴らしい人だと感じた。自分もチャンピオンのような人間になりたい」と述べていました。君は一ついい経験を積んだのです。いついかなるところでも自分の人間性が大きくなるようにとらえる勉強の場なのです。父さんにとっては最高の61歳の誕生祝いでした。ありがとう。

内山選手は先月、WBA世界スーパーフェザー級チャンピオンに輝きました。素晴らしい選手ですね。

 現在、君はB級ボクサーです。B級で1回勝ちましたので次の3月11日の試合を勝利すればA級ボクサーに昇格します。君の今年の目標はA級ボクサー昇格と日本ランカーへの足がかりを作ることです。年間3試合から4試合予定されていますからA級ボクサーになるのは時間の問題ですが、スーパーフェザー級というボクサー数が多いクラスで日本ランカーになるのは大変なことです。しかし熱心に練習に打ち込み研究熱心な君は必ず日本ランカーになるでしょう。そして2年後くらいにはチャンピオンベルトを巻くでしょう。これからも父さんはリングサイドで写真を撮りながら君を支援していきたいと思います。

 

                                           20107年2月7日

 

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