大、18才の君に
昨年の忘年会で会長から贈られた「新人賞」の賞状
1月9日の夜でした。ボクシングの練習から帰ってくる君は途中で家に連絡をいれ「話したいことがあるので寝ないで待っていて欲しい」と言ってきました。10時頃、夜食を食べながら君は会長に「寮に入れ」と言われたという。それからしばらく寮について君と話し合ったね。
父さんは寮があることは以前君から聞かされていたので寮の存在自体は知っていましたが、具体的な中身は全く知りませんでした。君との会話により、寮はスポーツジムの2階にあり、現在の寮生は8人。一人が退寮するので君が入寮するように言われたという。部屋は1室だけの広間で生活し、夜は雑魚寝で個人のプライバシーは全くなく、君より年下の寮生も既に二人生活しているという。入寮期間は3年間で食事は夜のみマネージャが作ってくれ、門限は夜10時で外泊は許されないという。君から寮生活の内容を聞くと、これから本当にボクシング漬けの生活になっていくのだろうなあという感じでした。
君は入寮のことは薄々感じてはいたが、会長からキッパリ言い渡された直後なので、心の準備も考える時間もあまりなく心が揺れているようでした。でも君はチャンピオンになりたいし、会長からの指導を受け強くなるためには避けて通ることのできない問題として入寮を考え始めているようでした。結論は1週間後くらいに会長に伝えることになっているとのことですが、会長の言うことは絶対なので考慮の余地はない、ということも君は言っていました。会長には「寮に入る、と親に言っといて」と言われたという。
父さんは、君が進む道だから君が思うとおりに結論を出していいんだよ。そのかわり寮に入っても4月から通いだす千葉調理師専門学校にキチンと出席し卒業すること。中華料理のコックになる道も考えながらボクシングをやっていくこと。を君に伝えました。君は頷いていました。父さんたちは君が出した結果を尊重するよ。君の友達の陽太郎も高校を卒業すると一人でアメリカに渡り5年間は語学留学するという。今は東京に住んでいるが、美容師の隆行も高校を卒業すると英語を全く話せないのに単身オーストラリアに渡り美容師としての技を磨き、イギリス人のスーちゃんと一緒になった。今は可愛い子どももいる。大切なことは志を高く持って目標の実現に向けて努力することです。
改めて言うまでもないことですが、アマチュアならば試合に参加することに意義を認めますが、プロフェッショナルは試合に参加することではなく、勝負に勝つことを最大の目標に置かなければなりません。その目標を達成するために日々努力することが重要になってきますが、プロという自覚を自己自身により強く持てるか否かが、結局自分自身の生活全般に反映され、昨日より今日、今日より明日、と日々進化する連続性に現れるのです。相手に勝つ前に自己自身に勝つことです。弱いプロは惨めです。「チャンピオンになる」という高い志を掲げ、厳しい練習に日々邁進すれば運とともに結果がついてくるものです。物事をポジティブに考えて前進していきましょう。
これで父さんからの18通目の手紙を終わりにします。
2007年2月7日