大、13才の君へ
大、13才の誕生日おめでとう。
君は今、中学1年生。
早いものだね、君の小学校の卒業式で父さんがPTA会長として21世紀に翔たく君達にメッセージを送ってから1年が経とうとしています。この1年間の生活の中で、とりわけ君にとっての変化は小学生から中学生へと変わったことにより生活リズムが変化したことだと思います。
去年の4月下旬、かねてからの君の希望通りに、愛と一緒の子ども部屋から自分の部屋を獲得しました。ひとりになりたいときには自分の部屋に入っていろいろ考えることも出来るような環境になりました。よく言われることですが、「孤独」と「ひとりぼっち」は感じが似ていますが全く違う意味を持っています。
「孤独」は人間が精神的に成長する時にさまざまなことを考えていくうえでとても大切なことです。ひとりになって考えることが自分自身をつくっていきます。それに対して、「ひとりぼっち」ということは仲間がいない、親身になって考えてくれる人がいない、という意味になります。
君もいろいろと考える年頃になっていきます。自分の部屋を持つことによって自分の空間が確保されたことによる安心感みたいなものが部屋の移動の時に見て取れました。君は自分の部屋が持てて本当に嬉しそうでした。
学校生活はサッカー部に入り、毎日、朝練習か午後練習に参加し、土日も弁当持参でボールを追いかけ、蹴飛ばしています。去年の総合体育祭では父さんも母さんも応援に行きましたが、千葉市のベスト8に入りました。総合体育祭を最後に3年生が抜けたあとは2年生と1年生の新チームでやっていますが、君には多くの課題があります。その最大のものが走って走って走って体重を落とすことと同時にスタミナをつけることです。
君はそのことを自覚したのか練習から帰ってきてからも隣の小学校のグラウンドへ走りに行きます。練習で流した汗の量だけその成果は確実に身体に蓄えられていきます。父さんがラグビーやマラソンをしていた経験からも言えることです。
成長するためには自分の足りないところを自覚し、それをカバーするように心がけ努力することです。このことは勉強でもスポーツでも共通にいえることです。君はそれをやりだしました。結果はすぐに目に見えるものではありませんが、継続することこそが力をつけることになるのです。頑張って下さい。そして疲れたら休むことも大切です。父さんは君のことをいつも見守っていこうと思っています。
君が毎週・火曜日と金曜日に練習している空手は現在、2級の茶帯になっています。その上は初段の黒帯です。このまま続けていけば高校生くらいで黒帯になるかもしれませんね。君は練習日には必ず出かけていきます。
去年の夏、熊本から宗家が型指導にやってくるというので君も仲間とともに仙台合宿に参加しました。その合宿に参加した感想を、実際の宗家の型指導を体験して非常に感激した、と目を輝かせて言っていました。その体験後、更に空手に対しての気の入れ具合が違ってきたように感じられます。
君は練心館生として「幕張公民館」と「すがはら幼稚園」で練習を積んでいますが、その空手練習に地域新聞の『朝日マイタウン情報』紙がサークル活動紹介の取材にやってきました。9月7日発行の第15号には、「練心館」の紹介と練習生の写真やインタビューが載っています。君も仲間とともに写真に写っていますが、インタビュー記事には「泣き虫でした」と打ち明けてくれた岩井大君は中学1年生。やはり始めて3年で、「けんかしても泣かなくなりました」とにっこり。と書かれていました。練習ではレベルアップクラスに入って、第2、4金曜日は夜10時過ぎまで練習をやっています。
幕張公民館まつりには仲間とともに参加し、板割り演技で2枚板を割ったと言っていました。君はよくやっていると思います。
12月10日、君が左足首外側を骨折したと連絡を受けたのは17時30分頃でした。中学校の校舎内で友達と「スライディング遊び」をしていて骨折したとのこと。しょうがないなぁ〜と思いつつ、1日〜2日くらいは痛むだろうなぁと自分の体験から思いました。父さんは3回骨折したことがありますが、結構痛いものです。ズキズキした痛みはありますが、「イタイイタイ」と言ったところで痛みが和らぐものではないので、じっと我慢の大五郎でした。ま、骨折は病気ではないのですから大騒ぎするようなものではないからね。
家に帰って布団に寝転がっている君を見ると、左足はギブスで固められ全治3週間とのことでした。君は初めての体験なので戸惑っているようでした。
その晩は痛みで眠れなかったようで、翌朝、暗いうちから痛くてしょうがないと言う。母さんは保育所を休めなかったので、父さんが会社を休んで痛み止めと炎症止めの薬をもらいに『花園整形外科』へ連れて行きました。痛み止めの薬を飲んで1時間もすると痛みも和らいだようです。1日ゆっくり休んで落ち着いたようで、翌日からは松葉杖で登校していきました。ま・これもひとつの痛い体験ですが、若いうちにいろいろな体験をしておいたほうがいい、と父さんは思います。
全治3週間と診断されていたので、3週間目にギブスを外したのが早すぎたのか、骨折した場所が足首だからなのか、たぶん両方と思われますがなかなか思うようには回復せず、2ヶ月たってもまだ本調子ではないようで、サッカーも空手も見学の状態です。
ま、それも仕方ないことであって、あせって完治しないうちに練習を再開するとそのしっぺ返しが必ず来るので十分に注意しなければなりません。のんびり治療とリハビリに専念しましょう。あせってはだめです。
ではこれで、父さんからの13通目の手紙を終わりにします。
2002、2、7、記