大、11才の君へ
ハーフタイムのコーチからのアドバイス
大、11才の誕生日おめでとう。
君は元気な小学5年生です。5年生になる春休みに君は「リバティーズ・フットボールクラブ」に入りました。以前から入りたいと言っていましたが、君がスイミングスクールをやっていた関係上、けじめの3月まではきちんと水泳をやっていました。
4月からは君は毎週土日の練習に出かけて行きます。同級生でも小学校に入る前からサッカーを楽しんでいる人もいるので、初めてサッカーを始める君は厳しいかも知れません。
でも、休まずに出かけて行きます。
夏休みは7時からの早朝リーグがありました。君は「ジャパン」チームの1員でした。家族旅行で欠席した以外は全てフル出場し、夏休みが終わる時の最終結果でチーム「ジャパン」は優勝し、君は金メダルをもらってきました。よくがんばったと思います。
また、
準優勝の銀メダルをもらってきました。その合宿でコーチから一人ひとりにアンケートが出されました。それが合宿報告の最終ページに載っていました。
1、なぜ合宿をするのか
団体生活になじみたいからです。それとぼくはまだあまり試合をやっていないので試合をしたいからです。
2、4バックと3バックの長所と短所
4バックは、守りがかたいけれど点を取りに行くのが大変になる。
3バックは、点を取れてパスももらえる。でもゴールキックでぬかれてしまう。
3、今回の合宿で学んだこと
団体生活は、ごはんの時や寝るときは力を合わせてやることを学びました。チームワークも学びました。
4、日本サッカーはなぜ世界で通用しないのか?
日本は日本のやりかたがある。ブラジルはブラジルのやりかたがある。だから負けだと思います。
5、勝つために自分がしなければいけないことはなにか?
気持ちで負けずに、あせらず正確なパスをだすこと。体力で相手に負けないこと。声をいっぱいだすこと。相手にまどわされないこと。
コメント・…チャレンジ精神を忘れずに!
父さんはこのアンケートを読んだ時、ビックリしました。特にDの答えを読んだときです。君はリバティーズに入って4ヶ月しかたっていないのに、自分の頭できちんと考えているのだなぁと思いました。君がいつまでサッカーをやるのか判りませんが、人生、全てにおいて好奇心とチャレンジ精神が必要ですから、君が納得するまでやってみてください。
また、君は団体競技のサッカーの他に個人競技の空手を学んでいます。
君は毎週、火曜日と金曜日の二日間、元気に空手の練習に参加しています。もう1年半続いています。空手の個人競技とサッカーの団体競技の両方を体験することによって、個人の精神鍛錬とチームワークの連帯意識の両方が身につくことでしょう。そして二つを続けていくことで丈夫な体と心が出来ていくと思います。
昨年9月12日に『
関東選手権大会へは残念ながら参加できませんでしたが、次回には参加し客観的に自分の実力レベルがどのくらいなのかを知っておくことは必要だと思います。ま、今回はしかたありませんね。次回、頑張りましょう。
君は今までマンガ雑誌は月間『コロコロ』を読んでいましたが、昨年の秋に週間『少年ジャンプ』に変えました。『コロコロ』は小学生の低学年を対象としていますが、高学年以上ともなると、クラスメイトの話題からも『少年ジャンプ』に移って行くのでしょう。
『少年ジャンプ』が発行部数で週間六百数十万部、年間3億部を発行しているといわれたのは数年前のことです。すごいもんだ、と父さんは思いました。今でも『少年ジャンプ』は他の週刊誌を圧倒的に引き離してダントツの発行部数です。
『少年ジャンプ』が子どもたちにこれほどまでに支持されるのは、3大編集ポリシーである、「努力、友情、勝利」が永遠に子どもたちの心をつかんでいるのかなぁと思います。
過去には『キャプテン翼』『ドラゴンボール』『スラム ダンク』『イレブン』・・、現在では、圧倒的人気の『遊戯王』『世紀末リーダー伝、たけし』『ONE PIECE』『ホイッスル』。そして、いつも脱線ぎみの『こちら
これらのマンガは、大人からみると奇想天外かもしれないけれど、子どもたちにとっては理屈なしにおもしろいのだと思います。そして、『少年ジャンプ』に代表される少年マンガの世界に素直に入っていけない「大人」という存在になる時、子どもたちの世界と少しずつ距離が開いていくのかなぁと思います。
君は「学校、おもしろくないんだよな。ルネ公園の方がおもしろいよ。遊ぶのにさ。今日は誰と遊ぼうかな。」などと言いつつ、毎日、どこかへ遊びに出かけています。家では、ほとんど勉強をしません。宿題があっても朝になって「忘れていた。いいや、学校でやろう」などと言い、まったく気にしません。それでも父さんはかまわないと思っています。本人がやる気を出さなければ、周りでウダウダ言っても本当の意味で君の実力はつかないと思うからです。君はスパッと結論を出すタイプですから、勉強にしても、やるぞ!と決めたら一気に目的に向かって突っ走って行くでしょう。まだその段階ではなく、友達といっぱい遊びたい時期でしょう。子どもの時はおもいっきり遊びましょう。
ではこれで、父さんからの11通目の手紙を終わりにします。
2000.2.7.記