大１０才の君へ
錬心館・幕張支部
大10才の誕生日おめでとう。
「ぼく 空手をやる．」
「エッ 空手？」
「うん 高藤と滝口と“一緒に空手をやる」
と突然夕食時に宣言をし『全日本少林寺流空手道連盟・錬心館千葉市東葛地区本部
「入会案内書」には次のことが書かれています。
少林寺流空手道錬心館は、安全性と人命尊重を指導理念として、厳しい修練を通して空手道の持つ卓越した技術と高い精神をより高く育み、特に青少年の心身の健全なる育成を最大の目標といたしております
また、「厳守事項」として次の8項目が記されています。
1．月謝は必ず期限までに納入すること。
2．2回以上続けて練習を休む場合は必ず本人が支部長に連絡すること。
連絡が無い場合は、強制退会処分とする。
３、支部長の許可なく、他支部・他流派の練習．試合に参如しないこと。
４、練習会場内の物品に触れないこと。汚さないこと。
５、練習前後には必ず会場内の床のぞうきんがけをすること。
ぞうきん毎回各自持参すること。忘れた場合は取りに帰ってもらいます。
６、正当な理由がない限り．練習時間に遅れないこと。
７、組手のまねごとは絶対にしないこと。また．支報長・指導員の許可なしで組手練習をしないこと。
8．レベルアップを図るためにも．出席率を向上させるよう努力すること。
君が入部した時の名簿には錬心館空手道歴２０年の支部長・深栖師範（4段）を筆頭に最後の君まで42名の名前が載っています。
幕張本教室の練習は、毎週、火曜日は幕張公民館、金曜日はスガハラ幼稚園で行われており．君は毎週2日間の練習に通っています。少年部に入っているので練習時間は午後6時３０分から８時30分までの2時間です。
父さんは一度だけ君が練習をしているところを見たことがあります。対戦する両者共に面・胴・小手を着けて戦っており、随分安全を考えているのだなぁと感じました。
君は11月3日に
大会は〈1〉基本修練、〈2〉各試合、〈3〉演武、（4）決勝戦の順に進んでいきました。君は「型試合小学生高学年の部」に出場しました。
試合は18選手のトーナメント形式で、第1試合は相手の不出場による不戦勝でした。第2試合の対戦相手は同じ幕張教室の少年部指導員で2級の興膳春香さんでした。当然、君に勝ち目はありません。興膳さんは3回勝ち抜き準優勝でした。
次の日に深栖支部長から「大会の結果報告」が届きました。
大会は5支部から約40名の参如で幕張支部からの13名は全員大健闘しましたが．注意点として．名前を呼ばれても返事をしなかったり．声が小さく返事が聞こえない人が多数いたことと．「気合」がまだまだ小さいこと。「気合」も技のひとつなので．今後この2点を特に厳しく指導していきます とのことでした。
気合を入れていくことは別の言草で表すならば集中力を増すことです。勉強でも遊びでも仕事でも「集中力」はとても大師なことです。君も経験を積むことによってだんだんと判っていくことと思います。
12月には1泊2日の「冬季合宿」に参如しました。この合宿は、いつも厳しい練習をしているので．1日日が鋸山ハイキングで 2日日が鴨川シーワールドというように遊びを主に考えたとのことで．君も元気よく参加しました。
君はいつも元気一杯のようにみえますか神経質なのでいろいろ考えるようです。その影響だと思われますが．急性胃炎などで入院したり．学校を休むこともあります。周りのことを気にしすぎストレスが溜まるのだろうと思います。傍若無人の自分勝手では困りますが．ある程度は周りのことを気にしないことも必要となってきます。
現代社会はある面ではストレス社会と言ってもいい社会です。その社会でストレスを抱え込まないように生活していく方法を考えていかなければなりません。君はまだ小学校4年生です。ストレスを持たないようにと言っても難しいことだと思います。以前、父さんが読んだ本のなかでストレスを解消する「か行秘薬」というのがありました。それは「かきくけこ」の頭文字から取った5項目でした。
〈1〉カッカしない．〈2〉キにかけない．〈3〉クヨクヨしない．〈4〉ケンカしない．〈5〉コセコセしない．という簡単ものです。この5つのことを心の片隅に置いて生活をしていけば ストレスも徐々に軽くなっていくと思われます。
4月から君は5年生になります。同時に地元のサッカークラブに入部すると決めています。君はスイミングスクールに通った4年間で十分に泳げるようになりました。ここでひと区切りし、以前から入りたいといっていた『リバティーズ』に入部します。父さんもたまには練習に顔を出しますから．元気一杯にボールを追いかけて下さい。
ではこれで父さんからの10通目の手紙を終わりにします。
１９９９．2．7．記