大、千葉調理師専門学校入学おめでとう

新入学生を代表して「誓いの言葉」を読み上げた

 

君は、今は閉店してなくなってしまいましたが幕張駅北口前で中華料理店『豚珍』の料理がとても好きでした。君が小学生の頃によく家族で出かけました。帝国ホテルでも腕を振るったというコックさんは手際の良さと味の良さは天下一品でした。当時子どもであった君も素晴らしさは特に感じていたようで大きくなったら絶対中華料理のコックさんになるんだ、と夢を大きく膨らませていきました。調理師専門学校への入学で、君はその夢に向かってまた一歩進んだようです。

 雲ひとつなく晴れ上がり桜の花も満開の4月5日、君が2年間通うことになる千葉調理師専門学校の入学式でした。入学式は千葉駅から歩いて6〜7分の千葉市民会館の小ホールで10時から行われる予定です。父さんは会社の年休を取得して君と共に市民会館に向かいました。一般の生徒よりも早く会場に着いた君は入学式の打合せを行い壇上に上がり手順を確認していました。

 入学式は午前10時から始まりました。今年の新入学生は3クラスで134人でした。その新入生達が前列に座り、その後ろに国際科(2年制)に在学する2年生が40人ほど座り、その後ろに保護者の方々が座っています。保護者の方々も結構多く出席していました。

 式は淡々と進行し30分ほどで式次第が終了しました。来賓の挨拶で印象に残っているのは、中華料理の外部講師で漫画『美味んぼ』の原作者としても登場する東先生の挨拶でした。東先生は、「料理で大切なことは、第1に新鮮・フレッシュであること。第2に自然・ナチュラルであること。第3に健康・ヘルシーであること。この3つがとても大事であり、「食」という文字は人の下に良と書きます。人が良いものを作り、良いものを食べるという意味を持っていますから、新入生のみなさんはこのことを考えながら料理の基礎をしっかり学んでください」と短く料理の本質を話してくれました。新入学生を始めとして保護者までが真剣に耳を傾けていました。

芳野校長先生と東講師


 在校生の「歓迎の言葉」に続いて、君は新入学生134人を代表して「新入生の誓いの言葉」を壇上で読み上げました。君は4月3日に教科書を受取りに学校に行った際に教務の先生から「入学式で新入学生を代表して誓いの言葉を述べて欲しい」と打診され、二つ返事で即答し「読む内容は自分で考えてもいいですか?」と質問したところ、「文章は学校側で考えます」と言われた、とあとで言っていました。30年も教務と広報を担当してきた先生は、こんなにも即答した生徒は君が初めてだ、と大変驚いていたとのことでした。君は予め学校で用意された文章でしたが、壇上の芳野校長先生の前で「誓いの言葉」を落ち着いてハキハキ読み上げていました。君はボクシングを始めてから人前でも物怖じしなくなったと言っていました。

 入学式が終わり父さんと君は東船橋の『じゃんじゃん』という独創的中華料理店へ向かい昼食にしました。この中華料理店は君が紹介してくれたところで、父さんが入ったのは2度目でした。味が良いことは前回で知っていました。生グレープサワーを飲み、中華肴をつまみながら君の入学祝いをしました。よかった。よかった。いよいよ出発だね。

 君も来週から3年間ボクシング寮に入り、姉さんも取手に1LDKのマンションを借りて1年間は家から出ます。すると家には父さんと母さんしか残りません。君は、4人の生活が突然2人に変わってしまうことで父さんや母さんが寂しくなることを心配しているようでした。また、母さんについて「オカンはなにをやっても遅いからあまり怒らないでね」と心配する言葉を伝えてきました。こういう言葉を聞くと先月の卒業式でのクラス代表、あるいは今回の入学式での新入生を代表しての行動などで徐々に徐々に大人になっていくのだなぁと改めて感じました。

 

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