梅雨の晴れ間の中国地方旅行
倉敷美観地区
18日から20日の2泊3日で夫と中国地方の観光に出かけました。羽田空港から岡山空港に飛び、観光バスに乗換え、倉敷、玉造温泉、出雲大社、足立美術館、鳥取砂丘、神鍋高原、竹田城、天橋立と回り、伊丹空港から羽田に戻ってきました。昨年の秋にも同様のコース設定ツアーに申し込んだのですが、その時は参加人数が集まらなくて中止になった経緯がありました。
梅雨時期の真最中のため天候が心配でしたが、運良く梅雨の晴れ間に当たり、傘をさすこともなく絶好調の旅行でした。夫は朝昼晩の食事時は勿論のこと、バスの移動中でもビールや地酒を飲みながら、のんびりゆったりの観光です。私も昼や夜にはコップ1杯のビールをいただきました。活きあわび、但馬牛、のどぐろ、ウニ、カニ刺し、などの新鮮な山海の食材は美味かったですね。
1日目
まず訪れたのは岡山県倉敷市の倉敷美観地区でした。倉敷川沿いの一帯が保存地区に指定され、川の両岸に植えられた柳の葉が垂れ下がり、けばけばしさが一切ない落ち着いた木造住宅の景観の中で菅笠を被った観光客を乗せた川舟が行き交っていました。川沿いの建物としては大原美術館が有名ですが、滞在時間が90分と短いため美術館に入るのは止めて川沿いを散策しました。狭い路地裏も中々の風情です。
ジーンズ生地の浴衣を着た若いふたり連れの女性観光客が歩いていたので一緒に写真を撮らせてもらいました。夫は酒屋に入って兵庫県の地酒「香住鶴」の純米辛口720mlを買い、早速、漬物屋で買った大根の漬物を肴にバスの中で飲みはじめ、美味い酒だと言っておりました。また、ガラス細工の店があったので中に入ってスペインの人が作った色鮮やかな小品がぐい飲みに丁度いいと言いながら2個買っていました。川沿いにカフェがあったので一休みし、気温が上がり汗ばむほどでしたので地ビールを頼み、喉を潤しました。
2日目
2日目のコースは、出雲大社、足立美術館、鳥取砂丘、神鍋高原というものでした。
出雲大社神楽殿の大注連縄
2日目の最初に訪れたのは出雲大社で、大国主命を祀った縁結びの神社です。私も夫も初めて訪れる場所でした。写真でしか見たことがなかった神楽殿の大注連縄は見事なものでした。その注連縄の切り口に10円や5円や1円硬貨が入っていました。切り口には金網が被せてあり、参拝客がどのようにして硬貨を入れたのか実に不思議なことでした。観光ボランティアの60代の男性が言葉巧みに参加者の笑いを取りながら要所要所で説明をしてくれましたが、注連縄と硬貨の関係を聞くのを忘れていました。
出雲大社では60年ごとに遷宮が行われており、2008年から平成の大遷宮というのが行われ、2016年3月で一応初期事業は終了したとのことで、伊勢神宮の場合は20年ごとに本殿が建て替えられるのですが、出雲大社の場合は60年ごとに本殿の屋根を葺き替えるとのことでした。あまり傷んでもいない本殿をそっくり建て替えるよりは、こちらのほうが合理的だと思いました。神社の拝礼は通常は2拝2拍手1拝となっていますが、出雲大社の場合は2拝4拍手1拝でした。初めての体験です。
出雲大社参拝を終え、昼食に玉造まで戻り現代の玉造製作を見学した後、日本庭園と横山大観の日本画収集で有名な足立美術館に向かいました。足立美術館創設者の事業家・足立全康さんは「庭園もまた一服の絵画である。日本一の庭園はすなわち世界一の庭園である」ことを目指して庭園づくりに励み、その通りの庭園を完成させたといわれているものは、初めて見た私にも凄いという感想が自然と湧き出てきました。京都や奈良にも素晴らしい庭園はありますが、その規模が違うということをまず感じました。できるならば短時間滞在ではなく、じっくりとその情景の中に身を置き、時間をかけてゆっくり味わってみたいと思いました。
横山大観の日本画で一番観たいのは「紅葉」という絵です、しかし、この作品は秋の特別展でないと展示されず、今回は通常展でしたので横山大観の「乾坤輝く」「山海二十題」シリーズなどの作品が展示されていましたが、夫は水墨画を習っているので、参考になったと言っておりました。
世界一といわれている足立美術館の日本庭園
足立美術館は周りを水田に囲まれた田園地帯の中にあり、田舎の美術館です。そこに海鼠壁の立派な美術館が忽然と立っている感じです。本館と新館は地下通路で繋がり、周りの風景を乱すことなく自然の中にそっと建っているという感じの美術館でした。そこに年間何10万人という観光客が訪れるというのだから驚きです。日本庭園と日本画収集に絞った創設者の熱意と実行力が現在の人気につながっていると思いました。
足立美術館の次は鳥取砂丘です。前日、私たちが岡山県倉敷市を訪れていたころ、鳥取県では雨模様だったとのことで砂はほどよく湿っており、素足で歩くのにぴったりで靴を片手に気持ちよく歩くことができました。砂丘のてっぺんまで歩きと、思ったより風が強く帽子を飛ばされないように必死で押さえながら真っ青の日本海を眺めていました。
素足で歩くのがとても気持ちよかった
3日目
3日目のコースは、竹田城と天橋立を訪れるものでした。
竹田城址
日本のマチュピチュというキャッチフレーズで観光客を呼び込んでいる竹田城は今から400年前の関ヶ原の戦いの後に廃城になったとパンフレットに書かれていました。私が竹田城のことを知ったのは、5年前の2011年に公開された高倉健の「あなたへ」という映画の中で、竹田城の城郭広場で手づくりコンサートが開かれた一場面でした。そこから一気に全国的な人気観光地になっていったようです。場内にも観光客の増加に対応し、芝生や通路などが随分整備されていました。
夫は娘の愛と一緒にペルーのマチュピチュに行ったことがあります。その夫が言うには、遺跡の規模はマチュピチュと竹田城では比較にならないが、マチュピチュがそうであるように、竹田城も自家用車や観光バスの乗客は全てマイクロバスに乗り換え、料金所入口までくねった山道を登っていくそうです。マチュピチも竹田城も石組みだけが残っています。所々に松が生えており、古城に松は映えるのですが、桜の季節に来たならば素晴らしい景色だろうなぁと思いました。
今回の旅行の最後の観光地は天橋立でした。高台の天橋立ビューランドにリフトに乗って上がり、「天橋立股のぞき」を体験してみることにしました。股の間から覗くと龍が昇天していくように見えるということでしたが、景色としてのイメージがつかめず、私には龍の昇天を見ることができませんでした。
天橋立股のぞき
今回は、岡山、島根、鳥取、兵庫、京都の観光スポットのカタログ旅行でしたが、その間のバス移動距離は3日間で717kmでした。 ツアーコンダクターも大変でしょうが、3日間とも一人の運転手だったので運転も大変だっただろうと思いました。 伊丹空港19時発のANA機に乗って羽田空港に着き、リムジンバスに乗り継ぎ、海浜幕張からバスで幕張の自宅に着いたのは22時前でした。3時間もかからず大阪から千葉市に帰ってきたことになります。便利な世の中だなぁと思いました。