チャレンジシニア教室に参加してみた
第1回料理教室で作ったサバカレーは美味かった
『ちば市政だより』の5月15日号に、「チャレンジシニア教室〜楽しみながら介護予防!〜参加者募集」と題して以下の文章が掲載された。「いつまでも、いきいきと元気に活動をするためには、体を動かしたり、頭を使うことが大切です。チャレンジシニア教室では、陶芸や料理実習、ボードゲームなどを行い、楽しみながら介護予防に取り組みます。」と。
対象は市内在住の65歳以上の方で、要介護・要支援認定を受けていない方。定員は各会場20名。開催場所は市内6区に1か所ずつ設定されており、花見川区は幕張コミュニティセンターとなっていた。自宅から自転車で10分以内の場所だった。更に開催日を確認すると、6月27日〜9月26日までの月曜日で全12回。開催時間は14時〜16時の2時間となっていた。月曜日の午後ならばスケジュール的に空いているので、すぐにインターネットで申し込みを済ませた。後日、抽選に当たって参加できる旨の連絡が葉書で届いた。
6月27日の第1回に出かけてみると、抽選当選者は20名だったが参加者は19名だった。メニューは1時間目が事前評価として長谷川式認知症スケールによる認知度測定だった。いわゆる惚け具合診断である。私は初めての体験だった。インスタラクターの9項目の質問に対して用紙に記入していくもので30分ほどの時間だった。結果は公表されなかったが、自己診断ではほぼ正常値が出たと思った。
2時間目はカジノ・ルーレット・ゲームだった。ディーラーから渡されたチップを、自分が出ると思われる数字にかけていくもので、その掛け率によって当たった場合の還りチップに差がついてくるというゲームで、なかなか面白かった。遊びなので、最終回には持っているチップを全て賭けてみたが、見事に外れてオケラになってしまった。カジノゲームは8月29日の第9回目にも行われた。その時のゲームはブラックジャックだった。ゲーム内容はカードの数字を足して21に近いほうが勝つもので、ディーラーの手の内の数字を推理し自分の数字と比較してのゲーム進行なので結構面白かった。最終12回目の時に参加者の感想が語られたが、ゲームは誰からも人気があった。ちょっとした頭の体操だった。
7月4日の2回目は1時間目の栄養講座では、認知症を治す根本的な治療薬はないので、予防と遅延が必要となるため、積極的な社会参加、規則正しい食事、運動、脳トレの4つを習慣づけることが重要であると説明された。2時間目は運動講座で5mの距離を何秒で歩けるかとか、片足立ちで何秒立てるか、などの測定だった。これも初体験の内容だった。
7月11日の3回目は陶芸だった。以前、3年間陶芸教室に通っていたので渡された粘土で深めの皿を造った。5人ずつのテーブルで作業をしたが、私の手さばきを見た講師は、「以前どこかの教室で陶芸をした経験がおありでしょう?手つきが他の方とは全く違いますので、」と声をかけてきた。1時間で他のテーブルの方も全員が作業を終えてしまったので、2時間目はカットされた。陶芸の2回目は絵付けをする予定だったが台風が関東地方を直撃した影響によって中止になってしまった。私は「椿」を描こうと準備していたのだが中止になって残念だった。絵柄が付かなかったため講師が色付きの釉薬をかけて焼き上げたものが最終回の日に一人ひとりに手渡された。
陶芸教室で造った深めの皿
7月25日の4回目はレジンクラフト工作だった。これも初体験だった。透明なプラスチック板に細かい色砂や花模様を乗せ、レジン液で覆った後に紫外線を当てて乾かし、再度装飾の小物を乗せレジン液を乗せて乾かす作業で、それが完成したらチェーンを付けてアクセサリーの完成だった。私は手先が器用なほうなので作業は簡単だったが、同じテーブルで作業している方でも不器用な方もおり、必死になってペンチを動かしていた。
8月8日の6回目と9月26日の12回目(最終回)の2回が料理教室だった。私は常日頃からさ朝夕の料理を作っているので何の抵抗もなく料理メニューに沿って作業を進めることができた。
8月8日の1回目の料理教室のメニューはサバカレーだった。5人の仲間が協力しながらの作業だった。私は初めて鯖缶詰を材料にしたカレーを作ってみたが、食べてみた感想は思ったよりも美味かった。銚子に行くとサバカレー缶詰が売られていたことを思い出した。
9月26日の2回目の料理教室のメニューは冬野菜がいっぱい入ったアツアツ豚汁だった。講師の話を聞きながら4人の仲間が協力しながら料理を作った。4つのグループに分かれての作業だったが、前回同様に私達のグループの手際よさがひかり、一番最初に作り終えて食べ始めた。メンバーの中には食の細い方もいたので、私は3杯も食べてしまった。満足満足であった。
レジンクラフトで作ったアクセサリー
最終回の時に担当者に、「1回目に実施した認知機能確認テストや2回目に実施した運動機能確認テストの結果は個人的に知りたい方が多いと思うのだが本人にフィードバックされないのか?」と質問をしてみると、「千葉市として過去に公表した事例がないので今回も公表しないようです」との返答だった。
今回、千葉市6区全体で約120人がチャレンジシニア教室に参加しているわけだが、参加者から取られたデータは参加者が一番必要としているのであって、市にデータを残しておいても無駄だと思った。参加者の認知度傾向のデータを集めるとしても自分で教室にエントリーするような方は決して惚けてはいないし、そのことは12回の教室で様々な作業や運動や会話を通じて判断できることだった。
参加費は千葉市の地域包括ケア推進課の予算から支出され、入札調書を確認してみたら801万8880円で(株)エストコーポレーションが落札しており、、千葉市との間で業務委託契約が結ばれ、上期・下期にそれぞれ1回ずつ企画されるようになっていた。参加者は無料で、認知機能確認、運動機能確認、ゲーム、クラフト工作、陶芸体験、料理体験などが専門家の指導により経験できるというのは非常に良いことだと思った。下期は10月に参加募集が行われ、11月から全12回の教室が始まっている。