仲良く甘い汁を吸うメジロ

 

仲良くミカンの汁を吸うメジロ

 

12月25日 水曜日 晴れ

今年最後のバードウォッチングに花見川沿いを花島公園まで出かけた。今回の目的も前回同様にルリビタキとジョウビタキに会うことだった。12月下旬となったが幕張では早くもスイセンのつぼみが膨らみ、気の早いものは咲きだしたものがある。さすが暖かい房総である。一方、先週日本海側に大雪をもたらした寒波の襲来は、幕張でも気温が2℃〜3℃に下がり、花見川沿いの土手で咲いていたアサガオは全て枯れてしまった。私の家庭菜園で育っていたフルーツパッションも気温が5℃以下となったために枯れてしまった。

 

眼光鋭いモズのオス

 

バードウォッチングを始めて30分ほどでモズに2回出会った。いずれもオスだった。バードウォッチングでよく見かける白髪頭のおじいさんと出会ったので情報交換をすると、「この冬はツグミが全く見られない。またジョウビタキは1週間前から姿を現すようになり、ルリビタキについては全く出会っていない。アオジやアカハラも最近よく出ていて、昨年はモズを殆ど見かけなかったが、今年は頻繁に目にするようになった」とのことだった。

 

柔らかい感じのモズのメス

 

カワセミが釣り場に佇んでいた。私との距離は10mほどだった。カワセミはあいにく向こう側を向いており、私から見えるのはカワセミの背中だった。しばらく観察していると隣の竿り竿の置台に飛び移った。しかし枝が邪魔をしてピントが合わない。私が動いたらカワセミは危険を察知したのか向こう岸まで飛び去ってしまった。久しぶりにカワセミに出会えたのだが、写真が撮れなくて残念だった。

 

泳ぎだすバン

 

前から自転車に乗ったおじさんがやってきて私の前で止まった。「その望遠レンズは何ミリですか?」と尋ねてきた。「これは600ミリです」と答えると「鳥、撮れますか?」と次の質問が来た。「鳥の大きさにもよりますけれど、例えば向こう岸50m先の離れたところでは、大きなサギ類は取れますけれども、手持ち撮影で焦点が合わせづらく、モズやスズメなどの小さなものは撮れません。10mくらいだと取れますけどね」と言うと、「そうか、600でも無理か。600になると20〜30万はするからなぁ。望遠は高いもんだし」と答えた。「そうですね。20〜30万はしますよ」と応じると、「まいったなぁ。高すぎるな」と答え、挨拶して去っていった。おじさんも野鳥の観察と撮影をしたいのだろう。

 

ダイサギが佇む横で食事中のオオバン

 

ダイサギが水辺で佇む横でオオバンが食事中だった。オオバンは水草を食べていた。ダイサギは朝の食事を終えて休憩中で眠っているようだった。ダイサギは魚類・甲殻類・小爬虫類などを餌とし、オオバンは水草や草の葉を食べるので、お互いに食事内容が違うために敵対することはない。オオバンとしては自分より大きなダイサギがいることによって猛禽類などに襲われることがないため、安心して食事をすることができるのだろう。

 

餌を探すハクセキレイ

 

花島公園に向かってサイクリングロードを歩いていると、後ろから自転車でやってきたおばさんが、私を追い抜きざまに「鳥もいないよ」という声をかけて走り去っていった。おばさんも最近は鳥の数が減っていることを実感しているのだろう。花島公園まで行く間に8羽のモズに出会った。確かに今年はモズと出会う機会が多いのかも知れない。

 

土手から水中の獲物を探すカワセミのメス

 

花島公園に着くと、川べりの土手にカワセミのメスがいるのが分かった。メスとオスの見分け方は、下くちばしが赤いのがメスで黒いのがオスである。そのメスのカワセミを撮影していると、川下の方に飛び去ってしまった。飛び去った場所から10mほど離れたところに、オスのカワセミが佇んでいたのでびっくりした。そのカワセミを撮影していたが、しばらくすると川上の方に飛び去った。偶然にメスとオスのカワセミに出会い、今日出会ったカワセミは合計4羽となった。

 

木の実を探し出したキジバト

 

一番奥のサザンカが咲く野鳥観察エリアに行った。すぐ近くのベンチでカップルがデレデレ話をしており、その声が続いていたので、果たして野鳥がやってくるかどうか心配だった。ヒヨドリがピーィョ・ピーィョと騒がしく鳴くなかで、最初にやってきたのはキジバトだった。キジバトは餌場の周りで落ち葉をひっくり返しながら枯葉の下に潜む虫や木の実を探していた。今回のキジバトは複数ではなく単独だった。

 

食事中のシジュウカラ

 

2番目にやってきたのはシジュウカラだった。シジュウカラはサザンカの茂みから入ったり出たりしながら、撒かれた餌を食べて水を飲みにきたのだった。シジュウカラは普段は虫を食べているのだが、冬の季節は虫を探すのが大変なので、木の実などを食べるのである。複数のシジュウカラが入れ替わり立ち代わりやってきた。

 

仲良く食事中のメジロ

 

3番目にやってきたのは2羽のメジロだった。餌場の岩の上に半分に切ったミカンが置かれており、その甘い汁を吸いに来たのだった。メジロは仲良く汁を吸っていた。メジロは小さくて可愛い姿をしているが、白のアイリングを付けた眼は驚くほど鋭いのである。

 

北風を受けて咲くサザンカ

 

4番目にやってくる野鳥を期待していたが、現れたのはヒヨドリだった。30分待って4種類の野鳥がやってきたので、更に1時間待機することにした。静かな森の中に佇んでいると野鳥たちの声がひっきりなしに聞こえ、心身ともに癒される時が流れていく。サザンカの花を見ながら1時間待ってみたが5番目はやってこなかった。

 

早くも咲き出したスイセン

 

結局、今回も目的としたルリビタキとジョウビタキには会えなかった。今日出会った野鳥は、ヒヨドリ、カワウ、コガモ、ハシブトガラス、ハシボソガラス、モズ、スズメ、オオバン、アオサギ、オナガ、ムクドリ、キジバト、アオジ、ドバト、バン、カワセミ、コサギ、カイツブリ、ダイサギ、ハクセキレイ、シジュウカラ、メジロの22種類だった。

 

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