久し振りに家族で富山ハイキング

 

                           岩井 彰子

 

 

愛は中学2年で、バレーボール部員。大は小学6年で、地域のサッカークラブに入り、2人とも土、日は忙しくなった。5月のゴールデンウイークといえども忙しい。でも久し振りにオートキャンプでも出かけようかと、話し合ったが遅すぎて予約できず、日帰りのハイキングに出かけることになった。

5月4日、内房総・岩井の山頂350mの富山へ。おにぎりと少しのおかずをもって。千葉から内房線に乗っていく。車で出かけようなら渋滞にまきこまれるだろうに、電車はすいている。ボックスに4人で座りのんびりとした気分である。岩井駅で降りて、小さな八百屋でバナナを買っていく。とてもよい天気の日だったので、太陽がジリジリと肌をやく.富山への道は、緑が多く、空気がおいしく、たまに人とすれちがう程度で、小鳥のさえずりを聞きながら4人でゆっくり歩く。大がきれいな虫をみつける。名前はハンミョウだと夫が言う。その虫は道案内でもしてくれてるかのように、私達の前をピョンピョンはねていく。

途中、゛伏姫の籠穴゛を見る。滝沢馬琴の小説で゛南総里見八犬伝゛の伏姫が、犬の八房とともに隠れ住んだ所である。籠穴の洞窟には、本当の話だったような雰囲気が漂っている。その後は坂道が多くなり、足も重くなり辛い。私は、3人とどんどんはなれていく。普段歩くことも少なく階段や坂道を登ることなんてほとんどない私は、とても疲れてしまった。いつのまにやら子どもたちに追い越され、私が一番体力がなくなってしまったようだ。子どもたちも夫もとても元気である。体力づくりでもしないと、山登りなんて到底無理だと思った。なんとも情けない私である。頂上はまだかまだかとおもいつつ歩きつづける。

やっとの思いで登りきった頂上。息を整え、山から見た景色は、「ワーすごい!」 「きれい!」 海岸線がひろがり,東京観音、マザー牧場などが見え、すばらしい見晴らしだ。眺めているうちに疲れなんてどこかへすっとんでしまった。すると、とてもお腹がすいてしまった。子どもたちもお腹すいたようとわめいている。テーブルをみつけお弁当をひろげる。夫は、携帯コンロを出しラーメン作りをはじめる。そのそばで私達はムシャムシャとおにぎりをほおばる。おいしい。最高だ。ラーメンは、まず子どもたち、そして私達と食べたが、これがまたうまい。バナナもうまかった。こんなにおいしい食事は、めったに味わえるものではない。ちょっと横になったり、うつらうつらしたりして、ひとやすみしてから山をおりる。

登りの道とは違い、階段が多く1段の高さがあるので、私の短い脚ではおりるのが大変である。途中、脚がガクガクしてくるが、のぼりよりずっと楽である。あれよあれよというまに下に到着である。汗を流そうと温泉へ向かう。田んぼの中ののどかな道を歩いていく。この先に温泉があるなんて信じられない所である.小さな岩婦瑚のそばに2軒の温泉宿があり、岩婦館に入る。男2人、女2人と交替で入浴する。4、5人でいっぱいになるような小さめのお風呂である。硫黄泉で臭いが強めだが、汗を流すとさっぱりしてきもちいい。風呂あがりのビールが最高。その後の昼寝が又、気持ちよかった。2時間ゆっくり休息して旅館をでる。そこから岩井駅までの道が、田んぼの中ののどかな道でとてもいい感じだった。4人で寄り道しながら駅へ向う。さっぱりした肌に、風が気持ちいい。なかなかいいハイキングコースなので、秋でも又出かけられるといいな。

 

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