花が好き

 

 

9月から家の近くの『池坊いけばな市川教室』に通っています。講師は、池坊千葉県千桜会支部長の市川定子先生です。先生は京都の池坊中央研修学院総合特別科を修了し日本いけばな芸術協会評議員もされている方で、毎週JR幕張駅改札口前に作品を展示して市民にいけばなの世界を紹介しています。

 いけばな教室は1ヶ月に3回の講習があります。私は木曜日の教室に通い椅子に座ってのお稽古です。私は初級者ですが中級者も上級者も一緒の花材で習っていますが、習うテーマが段階によって違っています。

 私は前から花が好きでした。普段生活している周りに花があると生活にゆとりが感じられます。仕事や子育てに追われていると心に余裕がなく周りに咲いている可愛い花も眼に入りません。いけばなに興味はあったのですが仕事の関係もあって中々「いけばな教室」に足を運ぶことがありませんでした。今年の夏に先輩から私の近くにある『池坊いけばな市川教室』を紹介されましたので出かけてみました。とても感じのいい教室でした。それから毎回休まずに市川先生から教えていただいています。

 市川先生は静かな声で「花に出会った時、ひとときの潤いを感じるのは私だけでしょうか。その花に自分の思いを託し、表現することを楽しみましょう。花をいける技術だけでなく花の心も考えてみましょう。同じ花材でいけても若い人のかわいい花、素直な花、上級者の構成した花。楽しく談笑しながら自然に花と親しんでいきましょう」と言っています。

 私が花をいけている脇に先生がやってきて花材から一輪取り出し「ここにこのように置くと違った印象になるでしょう?」とちょっと加えるだけで全体から受ける感じが変わってしまうのです。手品のようにビックリします。教室に出かけて花と静かに向かい合う時、とても優しい気持ちになります。花をいけながら花からのメッセージを感じるとき、私の心も少しずつ花に近づいていくのかなと思います。教室で教えていただいた花材はそのまま家に持ち帰り、帰ると直ぐに同じように花をいけています。すると部屋の中が華やかになり気持ちも落ち着いてきます。残りの花材は仏壇に供えたり玄関の花瓶に飾ったりしています。


 次期46代池坊家元の池坊由紀さんは「いけばなは自然の植物を切っていかすのですが、そこでいけられたいけばなは決して自然の再現ではなく、いわばそこにいける人の目と心を技というフィルターを通した虚構なのです。かといって全くの作り事や嘘でももちろんありません。そのあたりの微妙なバランス加減がおもしろさであり、難しさにもつながります。」と言っています。

 私は「いけばな」を始めたばかりですが、静かに花と向かい合い花の優しさを私の心に反映させてもらいながら、私が接する多くの人たちに優しい心で対応できたらいいなと思っています。そして私の家の近くに教室があるので、市川先生にはこれからも長く教えていただこうと思っています。