『きいちゃん』を読んで

 

                                                   岩井 愛

 

 

「生んでくれてありがとう」

この本の一番最後に書いてあったのがこの言葉でした。初め、私は母からこの本を読むよう進められたのですが、あまり時間もなく、とてもうすい絵本のような本だったので少し読むのをためらいました。しかし、そんなものではありませんでした。 

 きいちゃんは小さい時に高熱を出し、それがもとで手や足が思うように動かなくなってしまった子です。手や足が思うように動かなくても、きいちゃんは大好きなお姉さんのために一人でゆかたを縫います。そしてそれをお姉さんの結婚式の時にプレゼントする、というのが本のあらすじです。

 もし自分だったら、手や足が思うように動かなかったら、自分一人でなんかじゃゆかたは縫えないと思いました。自分の手を何回も傷つけて練習用の布が真っ赤になってしまっても、それでも一人で縫うことをやめなかったきいちゃんはすごいと思いました。

 地球上には、いろんな人がいる。その中には障害のない人、ある人もいる。しかしいろんな人がいるからこそ地球はいいんだ、ということをみんなが思ったら、当然いじめや差別がなくなるし、どんな人にも住みよい地球になると思いました。

 あとがきに書いてあったのですが、きいちゃんはまだ和裁を続けているそうです。これからもずっと死んでしまうまで、きいちゃんには和裁を続けて行って欲しいと思います。

 この本は養護学校の教員をしている人が書いた実話です。書いた人は、「人と人とはどんな関係であっても、教えあい学びあい助け合って生きているんだと思う」と書いています。教員と生徒であっても生徒と生徒であっても助け合って生きていく。こんな学校があったらいいなと思います。また、私もこのような学校になるように努力したいと思いました。

 最後に、この『きいちゃん』を読んでいろいろなことを教えてもらいました。それは地球にはいろいろな人たちがいるということ。生きている人、みんなが素敵だということです。みんながこの『きいちゃん』を読んで、少しでも障害者の人たちに対してのいじめや差別の考え方が変わってくれたらいいなと思います。もちろん読んでくれるのは子どもだけではなく大人の人にも読んでみて欲しいです。傷害を持ってることなど忘れてしまうような世界になってくれたらいいなと思います。

 

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