愛、31歳の君に
浦添トロピカルビーチにて
愛、31歳の誕生日おめでとう。
君は着々と年齢を重ね魅力的な女性になっていると思います。
君は電車に乗れば幕張から1時間半ほどのところに住んでいますが、幕張には1年に2〜3度しか帰ってきません。しかし、6月の父の日には毎年必ずプレゼントを贈ってくれます。昨年のプレゼントは「日本一のお父さん」の文字と富士山の絵が描かれた1合枡と酒のセットでした。清酒の味わいとともに桧の香りを鼻孔に感じながら美味い酒を飲みました。ありがとう。
プロボクサーの現役選手の中には酒を飲む選手は沢山いますが、大の場合は現役選手でいる間は酒類は一切口にしないと決めているので、父さんは大が成人になってから1度も一緒に酒を飲んだことがありません。しかし、君とは幕張に帰ってくるたびに盃を合わせています。君と飲む酒が父さんとしては一番美味い酒です。
君は大学院を修了した26歳の時に、テレビのバラエティー番組の美術をやりたい、と今の会社に入ってから今年の4月で丸5年になります。その間、ずいぶん鍛えられたようで、一時の忙しさは去ったようですが、仕事の関係上番組の収録が深夜に及びテレビ局に泊まり込むことも度々あると話しています。
舞台装置の注文、搬入、設置、番組収録、解体、搬出の全てに関わっているとのことなので、人間関係も含めて大変だなぁと思いますが、君は愚痴もこぼさず淡々と仕事を進めているようです。君の後輩に美術大学や専門学校を卒業した人が何人か入社したようですが、長続きせずに途中で転職してしまったと話していました。今の仕事が好きでないとやっていられない職場環境なのだということが君からの話から分かります。
沖縄美ら海水族館
今年の1月は家族4人で3泊4日の沖縄旅行に出かけました。大がボクシングだけのストイックな生活を送っているために、大に対して息抜きを提案して実現した家族旅行でしたが、君もすぐに休みを取って4人が一緒に沖縄に行くことができ、家族の思い出は勿論のこと、一人ひとりそれぞれの楽しい思い出が出来ました。
君は現在、4つの番組を担当していると言っていますが、そのなかの『マツコの知らない世界』は毎週必ず録画して母さんと一緒に見ています。これからも仕事の関係上厳しい条件が続くと思いますが、会社員は体が資本ですから、体調には十分注意して好きな仕事を続けてください。そして幕張に帰った時には楽しく美味い酒を飲みましょう。父さんはいつまでも君を応援しています。
これで父さんからの32通目の手紙を終わりにします。