愛、20歳の君に

 

稲毛浅間神社への初詣

 

 愛、20才の誕生日おめでとう。

 

 君も二十歳になりました。早いものです。ちっちゃな赤ちゃんの君を押しつぶさないように注意しながら添い寝をしたのが昨日のように感じられます。20年の歳月はアッという間に過ぎて行きました。その間に沢山の思い出を君は父さんにプレゼントしてくれました。君は覚えていないだろうけれど、君が小さかった頃、どこに行くにも父さんは君を連れて行きました。目をつぶれば君の思い出は沢山ありすぎるほど溢れてきます。その君も二十歳になったのです。

 

この1年間を振り返ってみると、君にとっての大きなイベントはやはり大学受験だったと思います。昨年2月に多摩美術大学と武蔵野美術大学を、3月に東京芸術大学を受験しましたが残念ながら敗退しました。その雪辱を晴らすために今年も昨年同様の3美術大学を受験する予定で君は準備を進めています。
 父さんは君が高校3年生のときに、美術大学を現役で合格するのは並大抵のことではないから2年間美術専門学校に通よいながら3年目に合格するように頑張れ、と激励した覚えがあります。その3年目がやってきました。この2年間、君は「ふなばし美術専門学院」に通い技を磨きました。模擬試験の結果からは多摩美や武蔵美などの私立美大の合格圏内に入ったり出たりしている状態とのことです。父さんの感じではなんとなく今年は「桜咲く」の春を迎えるような気がします。ま・結果は後からついてくるものですから自分の持てる力が十分発揮できるようにコンデションを整えて試験に臨んでください。そして合格記念のイタリア旅行に母さんと一緒に行けるように頑張ってください。父さんは影ながら応援します。
 
 1月8日は君の20回目の記念すべき誕生日です。今年の1月8日の成人式は偶然にも君の誕生日と重なりました。母さんは成人式の日に記念写真を写したり食事会をするのは忙しすぎるので、予め事前に会場を予約して家族での記念写真撮影と食事会を計画しました。母さんが計画したのは11月23日の勤労感謝の祝日に君の二十歳のお祝いをグリーンタワーホテルで行いました。ホテルの2階で君とお母さんとおばあちゃんが和服に着替えました。着替えが終わったあと家族6人で記念撮影をしました。女性は君とお母さんとおばあちゃんです。男性は父さんと大と久おじさんです。君は心なしか緊張していたようです。父さんは「持ち込みカメラでの撮影はご遠慮下さい」の張り紙を無視して君の晴れ姿をカメラに収めました。撮った写真を商売に使うわけではないので家族としては当然のことです。
 私たちの家族は君が小学校に入学する前の6歳まで東船橋に住んでいましたから、記念写真の撮影後、お宮参りや七五三のお祝いに訪れた船橋大神宮に向かい、君が無事に20歳に成長した報告とこれからも家族が健康であるようにお祈りしました。神社の庭に真っ白な山茶花が綺麗に咲いていました。

妙義神社鳥居


 母さんが大晦日の夜に突然ギックリ腰になり歩けない状態となりました。こちらはビックリです。父さんが茹でた年越し蕎麦を食べ、除夜の鐘を聞いてからテレビで放映されている『浜崎あゆみカウントダウンライブ』を見るのを中断し、マンション裏の鎮守の森の三代王神社へ初詣に君と二人で出かけました。君は羽織ったコートの襟元にララちゃんを抱え込んでいました。ララちゃんは初めての体験ですから何事が起こったのかビックリしながら君にしがみついていました。三代王神社は古くからの地元の神社なので真夜中なのに沢山の人が初詣に来ていました。本殿の左手で四方に竹を立てた穴の中で古いお札や破魔矢を燃やす火が高々と上っていました。三代王神社に新年の挨拶を行い、家族の健康と大のボクシングと愛の受験結果が最良になるように手を合わせました。

元日は雲ひとつなく晴れ上がり初日の出が美しい爽やかな元旦でした。朝ごはんを食べた後、君と二人で稲毛浅間神社に初詣に出かけました。毎年元日に家族でお参りしていましたが今年は二人でした。昨年の鏑矢を燃やし、新たな今年の干支の絵馬が付いた赤い鏑矢と、母さんのために病気退散のお守りも同時に買い求めました。父さんは引きませんでしたが君が引いたおみくじは「吉」でした。甘酒を飲んで家に戻る途中で新しく建てられた昆陽神社と秋葉神社にお参りしました。新年になって4つ目の神社です。時の流れは一時も止まることなく流れていく連続性をもっていますが、心の持ち方で新しい年というのは身が引きしまる思いがします。今年を良い年にするのか、悪い年だったと反省の年末を迎えるかは本人の気持ちと実行力です。君の1年が幸多いことを祈ります。

 

これで父さんからの21通目の手紙を終わりにします。

 

                                          2007年1月8日

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