愛、18才の君に
18歳の誕生日、おめでとう
愛、18才の誕生日、おめでとう。
君は高校3年生で受験生です。
もうすぐ受験です。
毎日、美術の予備校に通い自分が入りたい美術大学に向けて受験勉強を続けています。
希望通りの大学に入学できるといいですね。
全力をかけて努力してください。
昨年、2004年7月に東京都から『青年の自立性・社会性に関する調査報告書』が発表されました。
調査報告書は2004年1月から2月にかけて都内に住む15歳から29歳までの男女と、その父親・母親3945人を対象にアンケート調査が行われ、その結果をまとめたものとのことでアンケートの回収率は54%だったとのことです。
それによると、子どもが抱えている悩みに対して父親の6割は「自分は子どもの相談に乗ってやっている」と考えているのに対して、子どもは「父親は子どもの相談に乗っている」と4割しか思っていない結果が現れています。特に15歳から18歳の女子高校生に不満は強く、父親が相談に乗ってくれると答えたのは僅か20、2%。同年齢の男子高校生の50%に比べて著しく低い結果となっています。また親を尊敬しているかとの質問に対しては「父親を尊敬しているは76.4%に対して、母親を尊敬しているは81.8%」という結果がでたと報告されていました。
このような調査結果が出たのを読んで父さんは愛や大との父子関係はどうなんだろうかと考えました。
子どもは心身ともにどんどん成長していきます。君の姿にもそれがよく見えます。親も子どもと一緒に成長して行かなければなりません。子どもが1才の時は親も子育ては1才です。子どもが10才に成長すると親も親として10才となります。子どもの存在があって初めて親の存在があります。親は子どもの成長とともに子どもの周りで起こっていることに注意を向け、ある時はともに考え、ある時はアドバイスを与え、子どもを見守りながらともに生活していくことが親として子どもとともに成長していくという意味だと思います。
それぞれの家庭は全て違うものですが、子どもにとっての環境の一つである家庭というものは、子どもの成長にとっては非常に影響を与えるものだと思います。親として子どもの全ては理解できないと分かったうえで子どもと向き合い、子どもを理解しようとする努力を続ける必要があるし、それが親としての責任である、と父さんは思います。
薔薇の花束を君に
今年は君が私たちの親元を離れて大学生として一人暮らしをするようになるかもしれません。誰もが一度は通る道です。一人暮らしをするということは基本的には自分の周りで起こってきたことに全て自分で対応していかねばなりません。人間関係もそうです。その場合、肩書き、性別、収入で人を判断しないようになってください。人を人として見られるようになってください。この気持ちは直ぐに持てるものではありませんが、君がこれまで育ってきた18年の人生の中でのさまざまな会話や、君が書いた文章の中で人として一番大切な「人を差別しない」という心が君の中で育っていることを父さんは確信します。
人間は自らの成長過程でいろいろな事柄にぶつかり、自分から考えることによって自らの内面を形づくっていくものです。
「人を差別しない」という気持ちを持つこと、持ち続けることに人間として生きていく道がある、と父さんは思います。
父さんは後ろから見守っていますから自分に自信を持って新たな第一歩を踏み出してください。
これで父さんからの19通目の手紙を終わりにします。
2005年1月8日