愛、17才の君に

 

 

                  

 

愛、17才の誕生日、おめでとう。

 父さんの17才の頃の高校生生活といえば毎日毎日楕円のラグビーボールを追いかけていました。父さんたちのチームは毎年
群馬県で優勝争いをする強いチームでした。父さんは167cm、58kgという比較的小さな身体をしていたのと、現在のように試合途中で選手交代が出来ないルールでしたから、2年生の時は試合に出られたり控えにいたりが半々でしたが、3年生になって右フランカーのレギュラーに定着し、埼玉県代表と戦った北関東代表戦を勝ち抜き1月元日の大阪花園ラグビー場の全国大会まで出場しました。全国大会は1回戦で負けてしまいましたが、チームメートとともに出場できてとても嬉しかったことを今でも思い出します。そしてラグビーというスポーツを通じてチームプレーの大切さやフェアプレー精神を学べたことはそれからの父さんの生き方に大きな影響を与えたと思います。
 君は現在、弓道部に入って毎日練習をしています。昨年は日本弓道連盟の初段を取りました。高校生として弓道部の練習や試合に出られるのも今年の夏休みが最後になるでしょうが、こころおきなく燃焼してください。

 君は将来、グラフィックデザイナーになりたいという希望を持っており、毎週、水曜日、金曜日、土曜日の3日間は美術学院の夜間コースに通いながら絵筆を握っています。父さんも趣味で絵を描きますが君の腕前は客観的に見て父さんを超えました。グラフィックデザイン作品は、現在のIT技術を駆使してさまざまなものが登場していますが、君はコンピュータグラフィックに頼らず、あくまでも手作業による作品に固執しています。それはそれでいいことですが、CGを勉強するにせよ手書きにするにせよ1番大切なことは発想・アイデアであり、想像力と創造力の結合をどのようにしていくのかが問われていると思います。
 今年の君は希望する美術大学への入学を目指しての受験生となりますが、親が子どもにしてやれることはたががしれています。君の受験勉強のサポートはできるかぎりやっていこうと思っています。美術大学や芸術学部の募集人数はどこでも少ないなかで大変とは思いますが全力で頑張ってください。


 君は『nonno』などのファッション誌から情報を入れながら、半年前ほどから目の化粧をするようになりました。「目は口ほどにものを言う」という諺を持ち出すまでもなく、目は相手とのコミニュケーション手段としてとても重要な役目を持っています。睫毛をカールしたり、長くするものを塗った後で黒く染めたり手馴れたものです。上瞼のアイシャドウもやっています。母さんが化粧をするとチビまるこちゃんのようになりますが、君の化粧の腕前のほうが遙かに上です。君が化粧をしている姿を見ていると、最近は電車の中で何の臆面もなく化粧をしている恥知らずな若い女性を見かけますが、君には公衆の場と個人の場のけじめをつけて電車の中での化粧など絶対に行わないようにお願いします。
 
 昨年年末は父さんと一緒に浜崎あゆみコンサートに代々木第1体育館に出かけました。観客の殆んどが10代〜30代の若者たちでしたが、その中であゆの歌を聴きながら踊る2時間弱のひとときは楽しいものでした。コンサートのスタートとともに会場のライトが消されたとき会場内で輝くライトの点滅は思わず声が上がるほど美しいものでした。毎年あゆは年末コンサートを代々木で行っていますから今年もチャンスがあったら一緒に出かけましょう。

ではこれで父さんからの18通目の手紙を終わります。

                          2004年1月8日、記、

 

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