愛、14才の君に
愛、14才の誕生日おめでとう。
「ねえねえ 見て見て。このシャツ 胸 大きく見えるでしょう。私ね Bカップ Bカップ。お母さんより大きくなっちゃうよ」
と言いつつ、君は胸をそらす。
「う〜む」
と言いつつ、父さんは眩しい視線を君に送る。
君は現在、中学2年生。身体もだいぶ大きくなりました。中学生になってから「バレー部」に入って運動をしたため、身長も伸び身体が引き締まりプロポーションがよくなりました。そういえば最近、風呂場には「エピラット 除毛フォーム」「エッセンシャル ダメージケア コンディショナー」「ビオレ 洗顔フォーム クール」「へちま全身ローション」などという以前には見かけなかったものが置かれており、「うん?! なんだ なんだ」と手に取りつつ、またもや「う〜む 愛もそういう年頃か」と納得するこのごろです。
先日も千葉駅前の専門店街で小さな化粧水とパウダーを買うのに付き合ったら4千円もしたのにはビックリしました。隣で制服姿の高校生が並べられている商品を手にとって品調べをしているのを見ていると、君もそういう年令になったのかと実感します。
父さんにとって、2人の子どもに同じように接していても息子の大が成長する姿より、娘の愛が成長する姿のほうが眩しく見えるときがあります。大が同姓であるのにたいして、愛が異性であるからかもしれません。君にとって、これからどんな出会いがあり、どんなふうに成長して行くのか楽しみです。
9月12日は君が待ちに待った「自然教室」でした。3泊4日で
父さんが中学生の時の合宿も、やはり3泊4日で榛名湖での「林間学校」でした。
榛名山の北側から登り南側へと下山した榛名富士登山や、榛名湖でのカッター練習の2人で漕いだオールの重さと腕に残った水の抵抗感が、40年を過ぎた今でも楽しい思い出となって残っています。
当日の朝は、いつも朝寝坊の君ですが目覚まし時計に起こされ、6時10分には朝食を摂っていました。台風14号が日本列島を縦断する秋雨前線を刺激し、東海地方に死者を含む大雨を降らしていました。合宿先の
「まったく、もう」と思いながらも、バスの出発に間に合わないかもしれないが、すばやく自転車にまたがり中学校へ駆けつけました。
君達はクラス毎に点呼を終了し4台のバスに分乗するところでした。君に忘れ物を手渡す時「忘れたのが分かったとき、どうしよう、どうしようって思っていたの。ありがとう」とホッとしたようでした。父さんもホッとしました。やれやれ。
ま、ちいさなトラブルは何かの行動を起こすときにはつきものですが、雨にも降られることなく3泊4日の合宿を終え、元気に帰宅した君の声は騒ぎすぎ・笑い過ぎでガラガラでした。君が瞳を輝かせて「自然教室」の内容を語る時、十分に楽しみ、良い思い出がたくさん出来たようで良かったですね。めでたし・めでたし。パチパチ。
最近、ペンフレンドにはたくさんの手紙のやりとりをしているのを見かけますが、君が教科書を開いているのをあまり見かけません。ま、それでもテスト前になると、君は自分で計画を立てて勉強するようになりました。中学校になると学年単位でテスト結果総合点の順位が発表されています。塾にも通っていない君からすれば、現在の順位は150人中の20番台ですから、まあまあの成績なのかなと思います。今年の4月には3年生になるので、いよいよ高校受験の時期になります。
君からは、「塾は嫌いだけれど家庭教師を頼んでくれないかなぁ。1週間に2回、数学と英語を1時間半ずつでいいのだけれど……」と相談を受けています。先月、暮れに君の所に送られてきていた、ベネッセのダイレクトメールを探したのだけれど、母さんが処分したのか見当たりませんでした。君の友達にもダイレクトメールが届いていると言っていたので、借りてきてもらい体験学習を申し込んでみようかと思っています。ま、あせらず、君のペースで行きましょう。
21世紀がやってきました。君たちの時代です。
今年の年賀状のデザインは君に考えてもらったのを、父さんがパソコンで作成しました。
4人家族と干支の蛇とペットの亀とフェレットが描かれたユニークな構図だと思います。「21世紀が産声をあげました。みんなで優しく暖かい時代に育てましょう。今年もよろしくおねがいします」というコメントも君が考えました。なかなか、いいね。
年賀葉書も今年からはパソコン印刷用が売り出され、インクの染み込みと出来上がりが見栄えのするものになりました。昨年の流行語大賞になったIT革命の波の一端として、これからますますパソコン作成年賀状やEメールでの年賀状が増えることでしょう。
Eメールといえば、君にも「ai.iwai」のアカウント名を追加しました。中学生だとまだまだ自分のメールアドレスを持っている人は少ないけれど、成長するに従ってメールの便利さを理解したときに、現在のペンフレンドがメールフレンドに変わっていくでしょう。なんてったって、パソコンがインターネットに接続されていれば、瞬時に全世界の人と手紙のやりとりが出来るのですから。
ではこれで父さんからの15通目の手紙を終わりにします。