愛、13才の君へ
愛、13才の誕生日おめでとう。
この1年間は君にとっても小学生から中学生へと変化の大きい1年だったと思います。
小学校の卒業式には父さんも母さんも職場の休みをとって出席しました。卒業式は校長から卒業生の一人ひとりに卒業証書を手渡す儀式と在校生の4〜5年生と卒業する6年生がミュージカルのように掛け合いをするものとで構成されていました。父さんはなるほどなぁ、と観ていましたが、あそこまでやるのにはだいぶ練習を重ねただろうから本番の卒業式の感激が薄らいでしまわないのかな、と心配しました。君たちが輝いて見えたのは、やはり卒業式の中よりも式が終わり教室に戻ってからクラスメートと写真などを撮り合っていたときでした。そのはしゃぎぶりを見ていて、この卒業式を最後に幕張中学校とは別の中学校へ進学して行く友達も多くいるので、いろいろな思い出が出来た6年間だったのだろうなぁ、と思いました。
卒業式の次ぎは中学校の入学式でした。君は紺色の制服姿で少し成長したように感じられました。当然のことですが中学校の入学式は君にとって一生に一度のことです。ここにも父さんと母さんは出席しました。父さんが常々思っていることですが、入学式や運動会や卒業式など、子どもたちにとって大切な行事には親として職場を休んで出席することは当然だし、子育てをしている親としての義務だと父さんは思っています。
幕張中学校の生活は3つの小学校から生徒が集まってきますから、小学校の延長といっても若干友達関係も違ってくると思います。しかし、人生の中でも中学生から高校生にかけてのティーンエイジャー時期の感性は最も鋭く、自立・自律という自己自身の内面に向かって行く時期でもありますから、そこでの友達は一生の友達となります。自分の思ったことをおもいっきり表現できるように努力しながら、いい友達関係をつくってください。
現在、君は中学1年生です。君は中学に入学してから2週間後にクラブ活動として「バレー部」に入りました。父さんは君が何を選ぶのか関心を持ってみていました。君は好きな美術か音楽のクラブを選ぶのではないかと考えていましたが、それとは異なり運動部の中から「バレー部」を選びました。父さんはちょっと驚きました。君は小学1年生の夏に腎臓炎に罹ってから運動は規制されていましたから、体を動かすこと自体が苦手意識になっており体重もどちらかというと肥満体だったからです。しかし、君は「バレー部」を選びました。その後は、「練習がキツイ」
などと弱音を吐くことがたまにありますが、毎日の朝練にも出かけて行きます。土曜、日曜も練習に出かけて行き、日曜日などは6時間も練習をしてきます。だから、君が小学生の時は家族で色々な所へ一緒に出かけて行きましたが、それもほとんどなくなりました。父さんとしては寂しい気もしますが、君が成長して行く過程で必然的に訪れることですから、君は君の考えで進んで行ってください。
また、君は4月に学級委員長に立候補して委員長になったことに、父さんはビックリしました。父さんも小学生や中学生の時に学級委員長や生徒会役員をやりましたが、当時は人気投票みたいなもので、立候補ではなくクラスでの話し合いによる推薦でした。君は学級委員長になった関係上、生徒会活動にも参加しています。よく頑張っていると思います。
君は小学生の時は小児喘息や腎臓病の関係で運動はあまりしていませんでしたが、体力に自信がついてくると、のんびりしている性格だけれども行動も積極的になったようです。
9月11日の『体育祭』は面白かったです。当日の朝は曇り空で、ときたま雨が降っていました。君は「大丈夫かなぁ」と心配しながらも、7時前には学校へ出かけて行きました。父さんと母さんは折りたたみイスを持って応援に出かけて行きました。小学校の運動会に比べて親たちの応援者が極端に少ないように感じました。怪しい空模様なので体育祭は30分繰り上げて始まりました。
『体育祭』といってもそれぞれの種目に凝ったタイトルをつけた運動会です。タイトルだけだと何の種目だか判らないが、始まってみるとなるほどなぁというもので、見ていて楽しかったです。父さんの中学生の頃は運動会ではなくて記録会でした。だからつまらなかった記憶が残っています。記録をとるだけならば体育の授業中でも取れるのですから、やはり運動会のほうが面白いと思いました。
11時頃からはすっかり晴れ上がり肌がヒリヒリする陽射しのもとで熱戦は展開されて行きました。そのなかで1年生から3年生まで、さぼっていたり斜めに構えている生徒がおらず、みんな全力を出し熱心に取り組んでいる姿に感動しました。清々しかったです。
君は赤白青の3組に分かれたなかで白組でした。午前中の戦いでは1位でしたが、午後の戦いで抜かれ最終的には2位でした。真っ赤に日焼けして家に帰ってきた君は一所懸命
やった疲れからか、夕食も食べずにそのまま眠り込んでしまいました。応援合戦を含めてよく頑張ったと思います。
最近の君は全国各地の友達との文通に、はまっているようです。
沖縄、鳥取、岡山、大阪、富山、長野、…… 父さんは君に頼まれて郵便局で記念切手を1シートずつ買ってきますが、すぐなくなります。日本は狭いようでも全国各地でさまざまなところがありますから、文通を続けることで自分の中の世界がより広がっていくといいですね。また、最近ではアメリカのペンシルベニア州フィラデルフィアの同級生と英語文通を始めたようです。自分の環境と違った人たちと交流することは相手を理解することは勿論のこと、交流を通してより自分を知ることにもなりますし、英語の勉強にもなりますから長く続くといいですね。ま、気楽にやりましょう。
今年の正月はY2K問題が取り沙汰されましたが大過なく、例年通り家族スキーを楽しみました。君は母さんと一緒にスキースクールに入り、よりスムーズに滑りたいと努力していました。滑るスピードも大分速くなりました。家族4人で滑ると、母さんだけが遅れているというパターンがますます定着していくようです。スキーも滑らかになるとより面白くなっていくでしょう。これからが楽しみですね。
ではこれで父さんからの14通目の手紙を終わりにします。