第59回東京藝術大学卒業・修了作品展

 

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見学に来たお母さんと

 

1月28日から2月3日までの1週間に渡って『第59回東京藝術大学卒業・修了作品展』が藝大構内で開かれました。私の所属しているデザイン科の卒業生全員も一人ひとりが工夫を凝らした作品を創作し展示しました。

 私の作品は小さい頃に遊んだ「ページめくり漫画」からヒントを得て、平面な漫画の変わりにページ切抜きによる立体構成を考えました。イメージとして浮かび作品に仕上げたのは「螺旋」「迷路」「酔っ払いの夢」の3点です。展示するに当たって出来あがった作品はA4版でページ数が多く、厚く重いので手で持ち上げることが厳しいためiPadにページ撮影を取り込み、バーチャル書籍にしての展示としました。

 本棚に飾られた3冊の本をめくっていくバーチャル書籍の隣に実物の作品を展示し、両方を体験できる構成としたのです。作品展を見に来てくれた人の感想が書けるように自由帳を脇に置いといたら、書いてくれた感想には、物凄い作業量に感心したというのが多かったです。実際に作品のページをめくりながら「すごーい」「すごーい」を連発している女性もいました。そういう感動の声を聞いていると、来る日も来る日も製作に没頭していた苦しかった日々が思い出されます。

 

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私の作品「螺旋」


 お父さんとお母さんとお母さんのお友だちの香代ちゃんも日曜日の午後に顔を見せてくれました。お父さんは「りっぱな作品です。よくできました。パチパチ」という感想を自由帳に書き込んでくれ、「愛は根性持ちだ」と言ってくれました。お母さんはこまごまとした感想を書き込んでくれました。

 私の友だちの香絵は日曜日には展示場にいませんでしたが、火曜日にお父さんと久芳おじさんが見に来てくれた時にはいたので、お父さんと久しぶりに会え話ができ良かったと言っていました。香絵の作品は「つながり」というもので、長崎のおばあちゃんと博多のお母さん、それと東京にいる香絵とのつながりをおばあちゃんと香絵の似顔絵との間を代表的な景色や行事でデザインし、友禅染で何回も何回も染めていき、内側を何本もの糸で結びつけた作品です。作品の意味を父さんに説明し、それを聞いた父さんはしきりに感心していました。

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香絵の作品「つながり」の前で


 お父さんに会った同級生たちは一様に「愛ちゃんはお父さんにそっくり」という感想でした。別に顔が似ているというにではなく、会った人に対する人懐っこい対応がそっくりなんだそうです。ま・親子だから行動が似てくるのだろうなと思いました。

 今回の藝大卒業生・修了作品展は3月15日から20日の期間に場所を「代官山ヒルサイドテラス」に移して『SOTTEN 東京藝術大学有志卒業制作展』として再展示される予定です。時間のある方はぜひ見に来てくださいませ。成長した私に会えますよー。

 

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