愛、藝大卒業おめでとう
愛、卒業おめでとう。
あなたの藝大卒業式にむけて群馬のおばあちゃんは80歳を超す高齢ですが振り袖を縫ってくれました。その着物をもって上野のすずのやで着付けをしていただく予約も取っていたのですが、東日本全体を襲った大地震と津波、その後の福島原発事故、東京電力の広域計画停電とつながる一連の大災害で楽しみにしていた卒業式は中止になってしまいました。残念ですが仕方がないことだと思います。
3月25日があなたの卒業式の日でした。卒業式は無くなりましたが卒業証書は大学で手渡されるのでクラスメートも集合します。あなたが卒業式で着る予定だった振り袖を私が幕張の自宅からバックに入れて上野まで持っていき、すずのやで着付けをしてもらいました。私は着付けに立会い、その後、大学で卒業証書をもらって教室から出てくるまで外で待っていました。
教室から出てきたクラスメートの中には袴姿の友だちもいました。あなたたちは笑顔で校門の前や校庭で仲間たちと写真を取り合っていましたが、それを見ていると中止はしかたないのですが本人にとっては一回だけの卒業式なので親としては体験させて欲しかったなぁと思いました。娘に付き添ってきたお父さんも見受けられましたが、そのお父さんも卒業式だけは娘の記念としてやって欲しかったと言われていました。少し寒かったですが天気にも恵まれて穏やかな日でした。娘は午後からは謝恩会があるというので、私は振り袖を脱いだ娘と別れて着物をバックに入れて幕張の自宅に戻ってきました。
自宅には午前中に3月31日の退職辞令をもらいに出社し、午後から年休を取った夫がいました。夫は社長から「感謝状」を頂いたと見せてくれました。44年間も会社員生活お疲れ様でした。また、「記念品」を頂いたと私にくれました。中身はパブロ・ピカソがデザインしたティファニーのネックレスでした。夫は自分の退職記念になるものではなく私に贈る品物を選んだと聞きビックリしましたが嬉しかったです。