AEDは心臓を完全に停止させる器具だった

 

AED器具

 

 千葉市広報の『ちば市政だより』は毎月1日・15日の2回発行され、新聞折り込みで各家庭に配布されている。7月1日号に「公民館の講座案内」の幕張公民館の項に「AEDを使って、応急手当を身につけよう」が載った。日時:7月25日()、13:00〜16:00、対象:中学生以上、定員:先着20名、というものだった。AEDという言葉や文字、あるいはハートマークは度々目にするが、その操作方法を体験したことがないので講座を受講しようと思い、自分のスケジュールが空いていることを確認して幕張公民館の窓口で申し込んだ。私が申し込んだ時は18番目だった。

 

 AEDとは自動対外式除細動器と言われているが除細動とはショックという意味で、心臓の心室が不規則な動きをしている時にAED機器を取り付けると、機器は心臓の動きの自動解析を行い、その結果、電気ショックが必要と判断した時に、その旨をAED取扱者に音声で伝え、取扱者が意識不明になって倒れている人の心臓に電気ショックを与える器具のことを言う。この電気ショックにより心臓は完全に停止するか、または正常の動きを取り戻す。心臓が完全に停止した場合は救急車が到着するまで心臓マッサージや人工呼吸などの心肺蘇生方法を続ける対応が必要となって来る。

 

 7月25日に公民館2階の講堂に入っていくと若い方は中学生から年配者は70代と思われる24名の受講者がいた。講師は千葉市防災普及公社の社員が担当し、受講者を2班に分けて3時間に渡る普通救命講座が開始された。講習資料として『改訂4版 応急手当講習テキスト』を使用し、内容は救急車が来るまでの1次救命措置の研修だった。救命処置の手順として心肺蘇生法とAED使用方法を教わったわけだが、私が普通救命講座を受講したのは17年ほど前にマンションの防火管理責任者資格を取るための3日間研修を受講した際にカリキュラムのひとつとして受講したものだが、その時点ではAEDなどはまだ出現していなかった。そのため是非ともAED操作体験はしておくべきものだと以前から思っていた。

 

 心肺蘇生方法として、@反応確認、A援助者の確認と指示、B呼吸の確認、C胸骨圧迫、D人工呼吸、は以前の研修で行っているのでスムーズに行うことが出来た。この心肺蘇生方法を講師が説明した後に受講者一人ひとりが実際に行っていく。これが重要なことだ。聞くとやるとでは大違いで、実際に自分が実践してこそ理解できるものだ。心肺蘇生方法が終わると10分間の休憩後にAED使用方法に移った。ここも講師が説明した後に受講者一人ひとりが実際に行っていく。当日用意されたAED器具は3種類あり、それぞれが若干異なっていたが大きな流れを把握していれば対応できると思った。AED操作方法を習得している段階で一番思ったのは、AEDを操作すれば倒れている人間の心臓が自動的に復活するわけではなく、あくまでもAED取扱者の心肺蘇生方法を継続していくことにあるということだった。

地域のあちこちで見受けられるようになったAED設置表示

 

 幕張地区にも小中学校、公共施設、病院、スーパーなどを含めて40か所近くにAEDが設置されている。万が一、自分の周囲で人が急に倒れ、心肺停止状態に出会った場合に、その人が助かるかどうか分からないが心肺蘇生方法とAED使用方法は理解しておき即時対応できるようにしておくべきものだと思う。