2012年に読んだ本、観た映画

12/27現在. 本:44冊、映画:12

 

「1ヶ月に1本の映画鑑賞、1週間に1冊の読書」というスローガンは以前から私の生活目標のひとつです。会社員で通勤していた頃は朝晩の通勤時間帯は車内が動く書斎でしたが、会社員を辞めたあとは自分で読書時間を作らないと日常の流れの中で本を開く時間が少なくなっていきます。本を読むこと、映画を見ることを通して自己自身を振り返り、物事を考えるきっかけになります。会社員勤務を終えても映画や読書で刺激を受け、地元の自治会活動や公民館セミナーなどに自ら足を運び、地域住民のひとりとして常に社会と繋がりを持っていくことがアグレッシブに生きていくことに必要だ、と私は思っています。

 

ボクシング7

●心は折れない (廣済堂出版) 内山高志

 WBAスーパーフェザー級チャンピオンの話した内容を文章にまとめた本。内山選手本人の生立ちからボクシングとの出会い、世界チャンプになるまでの道筋を振り返ることによってのボクシングから教えられた人生観が語られている。本人のボクシングに向かう真摯な態度が溢れており、これからボクシングに向かおうとする若者やボクシング生活を続けている若者がこの本を一読すれば少なからず影響を与えるだろう。

●KOされない男たち (東京新聞) 吉川英治

 大川寛ボクシングジムでのトレーナー経験の中から掴み取った人間に対応するときの必要なことを熱く語っている。著者自身熱い心を持った人で、現在も日米各地で講演や青少年に対する活動を行なっている。

●ボクサーたちの鎮魂歌 (文芸社) アイク田川

●あゝ、荒野 (角川文庫) 寺山修司

 45年前に書かれた寺山修司の小説初作品。混沌としていた1960年代の新宿の片隅でボクシングに打ち込む二人のボクサーを通して当時の裏町風景と社会の陽が当たらない人たちの人間模様を描き出している。蜷川幸雄によって2011年に舞台化され、2012年にも上演された。終章の予期せぬ展開に主人公・新次のやるせない気持ちに心が沈む。

まったく新しいボクシングの教科書 () 野木丈司
●首都高に散った世界チャンプ 大場政夫 (小学館文庫) 織田淳太郎

●ラストゴングは打ち鳴らされた 若者はなぜリングをめざすのか (講談社文庫) 織田淳太郎

●雑誌「ボクシングマガジン」1月号〜12月号

●雑誌「ボクシングビート」1月号〜12月号

 

登山・自然14

●人生は8合目からが面白い (主婦と生活社) 田部井淳子

●高いところが好き (小学館文庫) 田部井淳子

●エプロンはずして夢の山 (東京新聞)田部井淳子

●山からの贈り物 (角川学芸出版) 田部井淳子

●いつでも山を (小学館) 田部井淳子

田部井淳子さんの著作を沢山読んだ。読後感が実に爽やかだ。スパッと割り切るところがいい。思いっきりがいいのだ。それは日頃からの実践が体の中に蓄積されているからこそ判断が適切なのだと思う。重要なのはどのような状況下でも平常心を保つことなのだが、それはやはり普段の心がけと実践からしか生まれてこないと思う。

●怖いもの知らずの女たち (山と渓谷社) 吉永みち子

●ピッケルと口紅 (東京新聞) 北村節子

●岳人列伝 (文春文庫ビジュアル版) 村上もとか

ナンガ・パルバート単独行 (山と渓谷社) ラインホルト・メスナー

●【覆刻】山と渓谷 1,2,3覆刻撰集 (山と渓谷社編)

●無人島に生きる十六人 (新潮文庫) 須川邦彦

 凄い実話だと思った。ミッドウェー近海で難破し無人島に漂着した16人の日本人船員が知恵を絞り5ヶ月間にわたり共同生活していく逞しい姿が生き生きと描かれている。明治時代の船員魂が感じられる。

●黒部の山賊 (実業の日本社) 伊藤正一

●ヒマラヤ初登頂物語 (山と渓谷社) 岡本まさあき、上村信太郎

ブラを捨て旅に出よう 貧乏乙女の世界一周旅行記 (講談社文庫) 歩りえこ

 

ノンフィクション11

●やめないよ (新潮新書) 三浦和良

 サッカーのキングカズが日本経済新聞に隔週で連載したコラム「サッカー人として」を1冊にまとめたの。読んでみると凄い売れ行きの本であることを納得する。単刀直入に自己の意見を述べる。30年近いプロ生活を維持するための練習。45歳のなっても現役プロ選手を続けている努力。沢山の教訓が込められているメッセージ集だ。

終わりなき旅 (徳間書店) 村上もとか

 昨年TBSテレビで放送された『JIN--』の原作者である漫画家村上もとかの自伝である。『岳人』というクライマーを主人公にした漫画を読みたかった関係で、その本を描いた漫画家本人の自伝を読んだ。昨年6月に発行された本だが、漫画家デビューして39年の歩みが文と原画で綴られている。代表作である10年連載した『JIN--』、16年連載した『龍-RON-』、など、ストーリーを考え絵に表していく漫画家という職業は率直に言って大変な職業だと思う。

●鍾馗さんを探せ (淡交社) 小沢正樹

●100歳までボケない101の方法 (文藝春秋) 白澤卓二

●世の中ついでに生きてたい (河出文庫) 古今亭志ん朝

●メンタル・コーチング (光文社新書) 織田淳太郎

一生一途に (廣済堂出版) 竹浪正造

●隠居は一日にして成らず (ステラMOOK) 天野祐吉

●人生は第二幕が面白い (ステラMOOK) 天野祐吉

●新島八重と夫、襄 (思文閣出版) 早川廣中、本井康博

●声に出して笑える日本語 (光文社文庫) 立川談四楼

 

小説◆9

●ソルハ (あかね書房) 帚木蓬生

●ももへの手紙 (角川文庫) 百瀬しのぶ

●わが母の記 (講談社文庫) 井上靖

●田中慎弥の掌劇場 (毎日新聞社) 田中慎弥

●あなたへ (幻冬舎文庫) 森沢明夫

●海坂藩大全・上 (文藝春秋) 藤沢周平

●海坂藩大全・下 (文藝春秋) 藤沢周平

藤沢周平未刊行初期短篇 (文藝春秋) 藤沢周平
●ゴサインタン・神の座 (文春文庫) 篠田節子

 

絵画3

●北斎漫画 (芸草堂) 葛飾北斎生誕250周年記念事業

●北斎絵本 (芸草堂) 葛飾北斎

HOKUSAI 画狂人葛飾北斎 (北斎館) 葛飾北斎

 

映画11

●日本列島 いきものたちのものがたり

 過去にテレビ放映された日本列島に生息する動物たちのドキュメンタリー映像の中から動物の親子・家族を映画用に再構成したもの。昨年3月に東日本太平洋側を襲った未曾有の大津波による東日本大震災後に表だって強調された「絆」をテーマとして、北海道のヒグマ、キタキツネ、ゼニガタアザラシ、タンチョウヅル、青森のニホンザル、小笠原のザトウクジラ、神戸のイノシシ、屋久島のヤクジカ、ヤクザル、などを通して家族愛を淡々と紹介していた。隣に座ったオバタリアン2人がとにかくうるさかった。喧嘩をしても始まらないので静かにしていたが、映画鑑賞マナーが全く無い2人で上映時間の最初から最後までぺちゃくちゃ喋っていた。

●ヘルプ

 家政婦としての黒人主人公が受ける差別の数々と差別撤廃に突き進む大きな時代のうねりと未来を見つめて強く歩んでいく姿が印象的だった。

●わが母の記

 作家井上靖が母親への思いを綴った自伝小説の映画化。痴呆化により徐々に壊れていく母親の意識を冷静に対応していかざるを得ない切なさに溜め息が出た。

●テルマエ・ロマエ

 ベストセラーコミックの実写映画。実に笑えた。流石にイタリアのセットはスケールがでかい。原作には登場しない画家志望の上戸彩の役どころが面白かった。

●ヘルタースケルター

 この映画もベストセラーコミックの実写映画。お騒がせ女優の沢尻エリカ主演で全身整形という手段によってトップモデルに上り詰めた主人公の心の葛藤と後輩モデルに追い抜かれる焦りと破滅。見終わったあとは気が滅入った。

●おおかみこどもの雨と雪

●あなたへ

 高倉健の最後となるであろう映画。小説の方が人間関係が良く理解できた。

●フェイシング・アリ

 最も偉大なるプロボクサーであったモハメッド・アリと実際に戦った相手がアリについて語ったドキュメンタリーフィルム。全ての対戦相手から讃えられるアリの人間性讃歌。

●るろうに剣心

●天地明察

 実在した江戸時代の囲碁棋士で天文暦学者の安井算哲(渋川春海)の生涯を映画化。より日本に伝わって以来800年を経過した暦に誤差が生じていたため改暦を命じられた算哲の苦闘を描く。算哲の妻を演じた宮崎あおいと主人公の算哲を演じた岡田准一とのほのぼのとした夫婦愛がよかった。

●希望の国

 福島第一原発事故に題材にとった映画。最悪の原発事故に翻弄されながらも懸命に生きようとする家族の物語。どこにも怒りをぶつけることなく悲劇的な結末を迎える老夫婦と一歩一歩未来に歩き出す息子夫婦の淡々とした物語。

●人生の特等席

 クリント・イーストウッド主演の父親と娘の物語。今は有能弁護士に成長した娘が6歳の時に母親が亡くなり、それ以後の育てられた環境に対するトラウマが現在の父娘の関係に出ており、その関係を本来の愛情関係に作り変えようとする娘とのやりとりに戸惑う父親の姿が描かれる。クリント・イーストウッドは老いた頑固親父を見事に演じていた。

 

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